2014年8月9日土曜日

おはようさん 2014.8.8.

昨日の藤本漢祥院での研修で・・・ 食物アレルギーの幼児がお母さんに抱っこされてやって来ました。 診察室へ入る際、その子の顔を見て・・・ものすごい邪気に充たされていることにびっくりしました。 まるでスターウォーズのシスです。 蓮風先生の鍼治療を続けて、かなり食物アレルギーが緩解しているそうで・・・ この日も蓮風先生は古代鍼で後溪(SI3)へ翳す鍼をされました。 その時、見えました! その子の身体のまわりにある衛気が古代鍼を翳された後谿でパチン!と弾けて、ものすごい邪気が飛び散ったのを。。。 それは酷い悪血が滞っている穴に刺絡をすると、ビュッとどす黒い血が噴き出してくるのとそっくりでした。 なるほど・・・ 古代鍼で翳して瀉するというのは、刺絡で邪血を祓うのと同じく、邪気を衛気の表層を破って祓っていたのです。 衛気は体を包む込むように全身に拡がっていますが、後谿や百会などの経穴は、全身の邪気が流れ流れて集まり、滞り濃縮しやすい穴なのでしょう。 それを掌や感性で感じとれれば、あとはお餅を焼いた時のプッーとした膨らみのような穴を古代鍼でチョンと衝いてやるだけなのですね。 要は、衛気が見えるかどうか?  な~んや そうか! ガッテン&ガッテン&ガッテンだぁ(*^^)v なるほど・・・ええ勉強になりました。 さて、この子の邪気が後谿から爆発&噴出した際、「なるほど!」に気を取られていて、この邪気をまともに被ってしまいました。 蓮風先生の鍼を間近で見学していると、しばしば邪気を被ることがあるので、最近はちゃんとマイ古代鍼&金銀打鍼を持って来ています。 急いで銀の古代鍼で、被った邪気を祓い除けながら・・・もうひとつ わかりました! 気も単に滞っているだけなら、湿痰のように、ドロドロと滞っているだけです。 気の流れが悪いとか、この経絡は気が流れていないとか・・・のレベルです。 これは詰まっているだけで、陰と言うか、ネガティブな悪さをするだけです。 例えば、うつ状態だとか、倦怠感だとか、異様な眠気だとか・・・ ところが、この気の滞りが濃縮されていくと・・・湿爇のように熱を帯びるようになります。 すると気がマグマのように暴れ出して、アクティブな悪さを始めます。 錯乱だとか、自傷&他傷だとか、アトピーや喘息や関節炎だとか、脳卒中や心筋梗塞だとか・・・癌もそうですね。 あれ? どれも刺絡が得意とする病気ばかりやん! 刺絡は血を祓います。 それだけで、かなりの効果があります。が、刺絡を続けていると、時として、効かなくなってくるという話が刺絡の成書に書いてありました。 それはきっと、血だけを祓っていたからですね。 もちろん、悪血を祓えば、気も流れるようになります。 ただ、マグマのようなアクティブな邪気は、悪血の解消だけでは動かない可能性もあります。 下手をすれば、経絡の悪血は解消させたまま、もっと深く・・・五臓六腑の悪血を密かに(経穴や体表に現せないようにして)憎悪させてしまうかもしれません。それくらいマグマのような邪気:赤邪気とでも呼びましょうか は怖ろしくアクティブに襲いかかってきます。 それはまるで邪悪な意思があるかのように・・・悪霊や病魔、祟りといった目に見えない存在たちは、この赤邪気が正体ではないでしょうか。 ちなみに、ドロドロと滞っているだけの邪気:青邪気と呼びましょうか は、そんな意思などは感じとれません。そこに静かに滞っているだけです。 では・・・青邪気を赤邪気にしてしまうものは何でしょうか? いろいろあるでしょうが、断トツ第一位はストレスでしょう。 人間は胎児の時からストレスを感じとれます。 生まれたての赤ちゃんの顔に酷いアトピー様湿疹がある・・・なんてことはよくあります。 幼児になれば、かなりのストレスを感じたり、創造したりも出来ます。 だから、赤ちゃんや幼児、子供たちの古代鍼は後谿が多いのでしょう。 なんだか様々な疑問が一気に解け始めた、とても勉強になった研修日でした。 感謝&感謝(*⌒▽⌒*) 前世物語 美子レポート      一生懸命生きた人  大昔のギリシャの都に、エリックと言う娘がいました。左腕に貴族の印の金の輪を着けていました。  今日は海辺で嬉しそうに誰かを待っています。舳先へさきの反った軍船が着きました。背の高い立派な戦士が笑いながら降りてきました。ピーターと言います。丸い盾と大きな剣が彼の勇気の証です。彼は「今の夫」です。  二人は大理石の円柱が立ち並ぶ廊下を肩を寄り添って歩きました。奥からエリックの父がにこやかに出迎えました。父は金髪のあごひげを嬉しそうに撫でながら、結婚の許しを二人に与えました。  祝宴が始まりました。みんなが祝福してくれました。二人は祝い酒に囲まれたままバルコニーへ退却しました。エリックはとても幸せでした。酒宴が続きます。ピーターがバッカスの神の生贄となりました。エリックはメイドたちに守られながら白い奇麗な部屋へ戻りました。歓喜の歌声が聞こえてきます。 月の光も小窓で踊りだしました。 「これでいいのかなぁ。とても嬉しいけれど、何だかちょっと違うような気もするなぁ・・・」   彼女は少し悩んでいたのです。  エリックはピーターと結婚しました。そして男の子が生まれました。彼女は幸せでした。  彼女が四十代だったある日、盗賊が突然、家に押し込んで来ました。ちょうど居合わせたピーターが勇ましく戦い、家族と家を守りました。しかし、その時のケガがもとで夫は死んでしまいました。夫は死ぬ間際に言いました。 「また会おうね」  エリックは手を握りながら答えました。 「また会えるからね」  そして彼女は決心しました。 「もう誰も好きにはなりません」  やがて大きな戦争が起こりました。息子も少年兵として戦争に行きました。彼女は一人、家に残されました。  息子は戦死してしまいました。彼女は泣き崩れました。 「ずっと帰りを待っていたのに。私はこれから何をしたらいいの・・・」  黒い服を着たエリックは夫と家族の墓に毎日お花を供えました。 「もうこれで終わったんだね」  彼女の気持ちに光が射し込んできました。 「今まで普通に結婚して生きて来たけれども、私の人生はこれからなんだよ。これから好きなように生きて行くんだ!」  やがて彼女は心の声を聞きました。 「これからは自分で生きて行かなくてはなりません。自分のためにも人のためにも、何か役に立つことをしたいのです。今日まで家に仕えてきました。今日からは自分のために幸せになりたいのです」  それからエリックは孤児たちと小さな岩の家で暮らし始めました。彼女はとても幸せでした。やがて孤児院はみんなに認められ、寄付も集まるようになりました。若い女の人たちも大勢手伝ってくれました。孤児院は大きくなっていきました。  九十歳の頃、エリックはお腹の病気になりました。若い頃の自分にうりふたつに娘さんが献身的に看病してくれました。 「あぁ、良かった。一生懸命に生きたから悔いはないよ。これで良かった」  彼女は安らかに死を迎えました。