2014年8月23日土曜日

おはようさん 2014.8.22.

7月から続いた刺絡ブームもお盆をはさんで、ちょっと落ち着いてきました。 立秋に至って、真夏の陽気が弱まってきたせいもあるでしょう。 身体は植物と同じく生きものですから、東洋医学的な見地で診ている身体は、四季や月齢にとても敏感に反応していることが分かります。 そんな中で、刺絡リピーターの一番人気は・・・うなじ:亜門への刺絡です。 「痛いけど、後の爽快感がクセになる」との声が多数寄せられています。 私も毎週、蓮風先生にプチ刺絡していただいている、あの亜門刺絡です。 確かに・・・・痛いです。 うなじの幅は10cm以上ありますよね。 それを最低でも2列・・・10カ所以上は確実にプチプチと刺されます。 それにうなじの皮膚は厚い! ちょい刺しでは効果がありません。 ちょっと思い切って ブスッといかなければ・・・ あまりに痛そうだから、1列だけにしたこともありましたが、やはり効果が弱いようでした。 どうせ痛い思いをするのだったら、5も10も20も? 同じやし、一瞬の痛みだけやから、我慢できます!という声が多いのです。 刺絡の成書によれば・・・ うなじは脳の静脈(脳の静脈って、とてもユニークな走行をしているのですよ)と深い関係があるので、ここを刺絡することによって、脳のうっ血を緩めることができるそうです。 同様に尾骨から頸椎まで続く脊椎の中を走っている静脈とも深い関係があるので、この刺絡によって、尾骨から頸椎までの全ての脊椎・脊髄のうっ血を緩めることができます。つまり、原因不明・有効な治療法のない手足のしびれやマヒなどに効果が期待できます。 そして自律神経(交感神経も副交感神経も)も、このうなじの部分で帯を締めるようにキュッと束ねられていますので、自律神経のうっ血を緩めることもできます。 さらに、12脳神経のいくつかは、うなじよりも下までブラーンとUカーブして下がってきていますので、ここの刺絡は脳神経のうっ血やストレスを緩める効果も期待できます。 つまり・・・体中のあらゆる刺絡部位の中で、断トツに脳・上肢・下肢・躯幹の不調に効果が期待できるだけでなく、自律神経系の不調にも、脳神経系の不調(例えば、難聴とかメニエルとか嚥下障害とか・・・いろいろ)にも効果が期待できるのです。 もちろん、頭重感や肩こりにはバッチリ効きます。 そんなウンチクはともかく・・・ 患者さんたちは素直に効果を実感されているのですね。 論より証拠!  エビデンスより「治ればよいのだ!」 これから「うなじの刺絡」が大ブレークしそうな予感です(*^^)v 注:証によっては、刺絡できない方もおられます。 また、初回は補法の鍼と共に刺絡をいたします。 前世物語 第七章      愛  昨日の日曜日、先生は脳神経外科の総会にお出かけでしたので、私も久しぶりの休日を楽しみました。秋が深まってくると思い出します。夫と私は毎年の紅葉狩りを欠かしたことがありません。ふたりとも夏が大好きでした。夏の光をいっぱい受け止めてくれていた木々の緑葉がいつしか美しく錦色に輝いているのを見ながら、今年の夏に感謝して、夏を讚えながら二人で歩いたものです。  今年は何を思ったのか、娘が私を誘ってくれました。 「お母さん、明日ね、京都に紅葉狩りに行こうよ。キャンパスから見てると、東山がとても奇麗に紅葉してるの。私、思ったんだ。これはお母さんを連れてこなけりゃいけないわ、ってね」 「あら、珍しいわね。あなた、紅葉狩りなんて大嫌いだったんじゃないの? 学園祭の掛け持ちで超忙しいはずなのにねぇ」  そう言いながらも私は嬉しさで笑みがこぼれています。 「いいのよ、たまにはお父さんの代わりをしてあげなくちゃ、ね。だってお母さんこそ、ここのところお休みなしだったでしょう。いくら先生に惚れてるから、一緒にいたいからって言っても、やっぱり息抜きは必要だと思うの。それにね、お母さん、まだ先生とセックスしてないでしょう? 心理学的に言うとね、今のお母さんは精神的なエネルギーの方が勝っちゃってるわ。それってアンバランスなのよ。この頃、お母さんを見てると、そういうアンバランスが行動面に出始めているんだもの。だから明日は私と身体を動かして、肉体と精神のバランスを回復しなけりゃね。でも、ディナーは豪勢におごってよ ね。やっぱり栄養が肝腎だもの」  娘は私にそっくりな性格をしています。京都の大学で心理学を学んでいますが、いつの間にか、こうやって私の良きカウンセラーになってくれています。 「あなたの言う通りだわね。最近、何だか心がザワザワしてるもの。わかったわ、明日はしっかりと歩きましょうね。そして晩ご飯はドーンと張り込んじゃおうかな。ねえねえ、何にしようか・・・」  娘と二人して歩く東山の紅葉は、とても力強い大地のエネルギーを感じさせてくれました。眼下から立ち昇ってくる若者たちの熱気とスピリッツが、この東山の紅葉をより紅く染めているのかもしれません。