2014年8月15日金曜日

おはようさん 2014.8.14.

僕の夏休み 第3日目 やっぱり今日も小雨&曇り空・・・週間予報は月曜まで雨&曇りやん(>_<) いつものように起きて もう秋風も感じられるからね、仕方なしに曇天の下、梅干しの土用干しを敢行しました。 そよそよと甘酸っぱい梅干しの香りが漂ってきて・・・そうそう、この感じやねん と自画自賛して。 午後は松柏美術館へ。 ウッドワン美術館とのコラボ展示をやっていて、心惹かれる絵画にたくさん出会えました。 奥村土牛「仔犬」 小野竹喬「夕空」 もちろんお目当ての松園さんも・・・ 「虫の音」 「人形つかい」 松篁さんはやっぱりすごい・・・ 「月明」 「雁金」 「兎」 今回は松園さんの下書きがたくさん出展されていました。 下書きって、見ているとゾクゾクしてきますね。 作家の生原稿のそうですが、画家・作家の息づかい・煩悩と迷い・閃きと挫折 さまざまなエネルギーが染み込んでいます。 松柏美術館は、上村三代の日本画が好きな人しか訪れない かなりコアな つまりオタクな美術館です。 その分、ゆったりと&静かに作品とお話できます。 大好きな絵をひとりじめ! 最幸の贅沢を味わわせてくれる美術館です。 私の秘密の善き隠れ家・・・です。 そのまま藤本漢祥院へ研修&鍼治療へ。 お盆ですから、さすがに今日はゆっくりとしていました。 蓮風先生の鍼はおなじみの筋縮(GV8)へ そして、アモンへのプチ刺絡を。 だいぶ 熱が取れてきたそうです。 また1週間 寿命が延びました。 鍼後の休憩を終えて外に出ると・・・もう黄昏時になっていました。 季節が秋へと駆けていくようで、松柏美術館で見てきた「晩秋」 野焼きの煙が秋の侘びしさをとってもよく表現していました を思い出しながら、帰って来ました。 夜、録画してあった映画「サウンド オブ ミュージック」を観ました。 ナチスドイツに飲み込まれようとしている古き良きオーストリア・・・ 映画に描かれているナチス派の人たちと祖国愛の人たちに、今の日本がピッタリと重なって見えてきました。 ナチスを信奉する人たち・どうしようもないと流されるままの人たち・抵抗する人たち 特に、最近、私のまわりでも増えてきて、正直、驚くばかりの「ナチスを信奉する人たち」のような人たちのことが、とても気がかりで、心配でなりません。 情報洗脳の恐ろしさ、教育の怖さを・・・あの頃と同じだなっと哀しくなりました。 そんな中でも、歌うことが勇気と愛を与えてくれることをあの映画は教えてくれていると思います。 映画の中のことが、現実社会でも起こり始めているという恐怖と哀しみを・・・明後日の京都五大送り火で空高く捨て去りたいと思っています。 前世物語 美子レポート     愛を育むもの  昔々、南の島に、コンガという男の人がいました。日焼けした肌が逞たくましく、いつもたくさんの魚を捕ってきました。  ある日、彼は激しい嵐に襲われました。一緒に漁へ出た船は海に飲み込まれてしまいました。コンガだけが知らない島へ流れ着きました。ヤシの木の向こうから踊りの音楽が聞こえてきました。彼はフラフラと歩きながら考えました。 「仲良くなれるかなぁ」  小さな村の広場が見えました。焚き火を囲んで、お面をつけた人々が踊っています。祭壇の前で赤ん坊に乳をふくませている女もいます。コンガは子供たちに見つかってしまいました。手を引かれて踊りの輪の中へ連れ出されました。腰ミノが大きく揺れています。彼は安心しました。  踊りが激しいスコールを呼びました。村人たちは一斉に小屋へ逃げ込みました。ブタもニワトリも入って来ました。みんな、とてもお喋しゃべりです。 「お前、どこから来た?」 「流れ着いたんだ」  みんな、優しくしてくれました。 「船を貸してくれるかどうか、わからないなぁ。しばらくここにいることにしよう」  スコールが彼の涙も濡らしました。  時が過ぎました。コンガは六十五歳になっていました。もう村の長老です。小屋で車座になっては若者たちに魚の知恵や漁の心得を教えていました。彼はいつも言いました。 「あまり沖には行くなよ。無理するなよ。必ず帰ってこいよ。漁は気をつけろよ」  船のいない白い砂浜で、コンガは夕日が沈むのを見つめていました。 「私の島へとあの夕日は帰っていく。私は帰りたいけど帰れない。長老としてこの島を守っていかなくてはならないから。みんなから信頼されているから・・・」  彼は子供の頃を思い出しました。ヤシの木のブランコに、お母さんが弟に乳をやりながら座っていました。コンガが後ろから押してやりました。お母さんが嬉しそうに笑いました。お父さんが森から獲物を持って帰ってきました。それは大きな鳥でした。お父さんは強くて狩の名人でした。  お父さんはレイキといいます。  お母さんはハルといいます。  弟はジークといいます。  みんなとても仲良しでした。  コンガは十八歳で結婚しました。妻はシュールといいます。同じ村の幼なじみでした。村のみんなが祝ってくれました。彼は決心しました。 「これからは一人前の男だ。怖いものなしだ。恐れちゃダメだ。守るために戦うのだ」  やがて二人にかわいい男の子が生まれました。ルーといいます。彼はもっとたくさんの魚を捕ってくるようになりました。  七十八歳になって、コンガは死の床にいました。老衰です。島のみんなが来てくれています。小屋に入りきれず広場でじっと座っています。 「島のみんな、ありがとう」  コンガの魂は感謝しながら、頭から抜けました。