2014年3月5日水曜日
おはようさん 2014.3.5.
鍼をするようになってから、それまでは診療をお断りしていた様々なパーソナリティ障害や神経症の患者さんたちもお薬と共に漢方&鍼治療をしています。
いろいろな自律神経失調症の症状や精神症状は根気よく鍼治療していくと、かなり良くなってきます。
もちろん鍼は「秘伝 湧泉」です。
最初はガチガチに抵抗してた湧泉も、心身症状が改善してくるに従って柔らかくなってきます。そして、まるで脈診してるかのように、古いトラウマや根源的な邪気を見せてくれます。
ちょっと油断してたのかな?
今日、典型的なパーソナリティ障害の患者さんの悪邪気が暴れ出して噛みつかれてしまいました。
痛たたっ(>_<)
そこで思いました。
「元の性格は直らない」
いくら湧泉ー百会でジャッーと邪気を一気に洗い流して、新しい生気に入れ替えても・・・
自律神経失調症や心身症状、睡眠障害などの表の症状は治っていくのだけど、根本の性格はどうしようもないんだなぁ・・・ひどい無力感に苛まれた一日でした。
「性格は自分でしか直せない」ことはわかっています。
よく「あの人の性格を何とかしたいんだけど」という相談を持ちかけられますが、ムリです。
他人に(例え親でも)性格は直せません。どうしてもというのなら、薬物や酷い恐怖を使って洗脳するしかないでしょう。
そんなことはわかっていながらも、もしや・・・湧泉で・・・と期待を持ちつつ、ちょっと手応えも感じていた矢先でしたので凹みました。
もちろん、湧泉はとてもよく効きます。
自律神経失調症や心身症、神経症を軽減してくれるだけもすばらしいことです。
ただね・・・火山に例えれば、それは活火山が休火山になっただけの話です。
地震や天変地異があれば、また大噴火してしまいます。
これから世界中が超高齢化社会になります。
高齢者になると、元の性格が誇張されていきます。
元々、疑い深い人は、ものとられ妄想や嫉妬妄想に陥りやすいし、
引っ込み思案な人は、老人性うつ病になりやすいし、
怒りっぽい人はご近所とのトラブルメーカーになりやすい・・・と思います。
向精神薬で行き過ぎた性格を抑え込んでしまうこともできますが、できれば薬ではなく、鍼で何とかできれば・・・と願っています。
「性格を直す」のは漢方弁証のさらに奥の領域なので、試行錯誤していくしかないのかもしれません。
なんか 万里の道も一歩から の心境ですが、神さまが導いてくれた鍼灸の道ですので、きっと善き鍼が見つかると信じています。
た・だ・し この鍼をしたら、あの人が心変わりしてくれて、私を好きになってくれる・・・なんちゅうのはダメですよん(;^^)ヘ..
前世物語
彼女の声が震えています。
「そんな時、女の子が生まれました。でも、かわいく感じないんです。私はつい虐待してしまいます。
まるで母が私にしたように、そう母と同じなのです。私はそんな自分が嫌なのです」
彼女の涙が止まりません。
「アル中の父が借金だけ残して病気で死んでしまいました。私のところにまで借金取りが押しかけて来ました。夫はさらに借金してしまいます。私のお酒の量が増え続けていきました。そして私もアル中状態になってしまいました。あの父と同じです。なぜですか?」
彼女は唾を吐くように言いました。
「禁断症状が出て、私はアルコール専門病院へ入院させられました。情けないですよね、全然記憶にないのですから。入院中に、弟が実家で自殺してしまいました。私は何もしてやれませんでした。でも、そんな弟が天使になって私を助けてくれました。あれ以来、私は断酒会に入って完全にお酒を断てています。もう四年になります。私だけの力ではありません。弟のお陰です」
先生はワークの主題を探しながら身の上話を聞いていましたが、ちょっと困った顔をして、ゆかりさんに尋ねました。
「あなたの過去生のテーマは、アルコール中毒ですか? お父さんですか? お母さんですか?」
「どれも知りたいのですが、ともかく人が怖くて困っています。仕事もうまくいきません。人が怖いのを治したいのです」
「では、人が怖い原因となった過去生へ戻りましょう、という誘導になりますが、いいですか?」
彼女は大きく頷きました。いつもより時間がかかっています。先生は催眠誘導に取りかかりました。
ゆかりさんは良好な催眠に乗って、人が怖い原因となった過去生へと降りて行きました。
「地面を見て、地面を感じて。どんな地面が見えますか、感じますか?」
「濡れてる石畳にいます。暗い石の道です」
「足下に意識を向けて。足は何か履いていますか、裸足ですか?」
彼女の目がゆっくりと動きます。
「革の黒いブーツです。中まで濡れていて気持ち悪いです」
「身体をゆっくりと感じていきます。下半身から感じて、上半身へあがります。どんなものを着ていますか?」
「黒いスカートです。フレアーになっています。上着は黒いフワッとした長袖のシャツみたいです。とても汚い格好です」
彼女がしかめっ面をしました。
「長袖の腕の先に右手、左手があります。その手に何か持っていますか?」
「木の杖を右手に持っています」
「では左手を見て。その手はどんな手ですか?」
「しわくちゃの年寄りの手です」
「その手を見て。肌の色は何色ですか?」
「汚れていて黒茶色をしています。垢だらけです」
「その手で頭を触って。頭に何かかぶっていますか?」
「魔女がかぶるようなグレーのとんがり帽子をかぶっています。破れていて、やっぱり汚いです」