2014年3月24日月曜日

おはようさん 2014.3.24.

♪ 光和らぐ西の海の 春も長閑に ♪ (高砂) 春近しですね。 患者さんたちの腹診&打鍼をしていると、病状はいろいろですが、みなさん、冬から夏へと身体も衣替えを始めているのがわかります。 3月に入って、冬の虚証・寒証と夏の実証・熱証がおへそとみぞおちの間でせめぎ合いっこしています。 まるで梅雨の暴れん坊前線みたい・・・ 雷を放って心を衝き上げて動悸や胸苦を引き起こし、 ゲリラ豪雨がメニエル病や消化不良に陥れます。 二酸化炭素の地球温暖化のように頭に血が上って、頭痛や突発性の高血圧になってる患者さんもいます。 真冬よりもこの時期の方が足先が冷えてしまっている患者さんも、膝の痛みが強くなってしまった患者さんもいます。 一見、何ともない腹診でも、夢分流打鍼でサッと表層の靄を払ってあげると、この時期は邪気がてんでばらばらに動いているのがわかります。(特に自律神経失調症や神経症の患者さんたちはネ) 春はアーユルヴェーダで言えはヴァータ:風です。 日々、同じ患者さんのお腹を診ていると、春風邪のように邪気がめまぐるしく動くこともあれば、春一番のようにビューンと同じ方法へ邪気が並ぶこともあります。おもしろいですね。 この春の風に乗って、帯脈も上下に蛇行している患者さんもたくさんいます。 帯脈は肝相火・章門と深い関係がありますので、帯脈が春風にフラフラしていると、やっぱりこころも免疫も落ち着きません。 春の花粉症や精神疾患の悪化要因のひとつは、こんなところにあるのかもしれませんね。 着物の帯がゆるゆるだと、しゃきっとした気持ちになれず、なんだかダラダラしちゃいそう・・・春眠暁を覚えず も帯脈の乱れが原因かな? そう思いながら、今日もたくさんの患者さんたちの帯脈の邪気を払っておきました。 そんな小さな邪気をひとつひとつ払って何になる?  いえいえ、大腸ポリープも見つければ可及的に切除しちゃうでしょう。だって、放っておけば、癌になるかもしれないから。 邪気だって同じです。 小さな邪気のほとんどは放っておいても自然に消えてしまうでしょう。 でも、千分の一、万分の一の邪気が身体の中へ沈み込んで、癌の誘因になるかもしれません。 これは鍼や灸ではできないことだけど、幸いにして夢分流打鍼があります。 お腹はこころも身体も、全身を投影する小宇宙だから、できるだけ邪気を払って上天気な身体にしておくことが健康&元気ケアーに繋がると思っています。 さぁ 明日も「お腹をトントン」しまっせぇ。 注釈 帯脈:難経二十八難に曰く、帯脈は季脇より起こり、身を廻ること一周す。 帯脈は季脇の足の厥陰の章門の穴に起こり、足の少陽と同じく帯脈の穴を循り、身を囲むこと一周して束帯の如く然り。足の少陽と五枢、維道で会す。凡て八穴。 前世物語  先生は私を診察ベッドにそっと横たえてくれました。先生の声が夢の中で聞こえました。 「美子さん、バッカスの神に乗り移られたんだね。大丈夫かな?」  私は夢の中で頷きました。 「先生、私、どうしちゃったのかしら? 何がなんだか、わからなくなっちゃいました。自分でもどうしようもなかったんです。ごめんなさい」  先生は神様のような微笑みで言いました。 「いいんだよ。それよりも、おめでとう! だよ。あれは美子さんが魂のステップをかなり登ってきた証だからね。これからも時々、あるかもしれないけど大丈夫だからね。僕がついているから、ちゃんと乗り切れるよ」  私はキョトンとした目で先生を見つめました。 「人の心の奥底には神と悪魔がいるんだよ。魂にとってはどちらも必要なんだ。普通の魂は神の部分と悪魔の部分でバランスをとっているだよ。身体と心が生きていくためには悪魔の部分はとても大切なんだ。食欲がなければ生きていけないし料理という文化も発達しないだろう。性欲がなければ子孫が残らないし服飾文化や美術もきっとこんなに発達しなかっただろうね。金銭欲が経済を活性化させ、物欲が工業を発展させてきたんだ。魂にとっても、そんな煩悩に陥って苦悩するから悟れるのであって、神の部分ばかりではなかなか十分に悟れないと思うよ。  魂のステップアップの山登りを始めると、最初に出くわすスランプは『こんなにやってきたのに、私、全然進歩してないわ』という気づきなんだ。いくつか気づきを得て、自分でも登ってきた来たつもりでいたら、ある時、振り出しに戻ったような気がするんだよ。今まで何やってきたんだろう、で自信喪失しちゃうんだ。山登りに例えるなら、けっこうな登り道を息を切らして登ってきたのに、目の前に出発地点と同じ景色がまた広がってきちゃった、そんな感じだね。  これは『グルグル山登り』つまり、ら旋状に山を登っているんだよ。同じ景色が見えた時、落胆しないでちょっと下を見てみると、前よりも高いところにいるはずなんだ。ただ、それに気づかないだけなんだね。ちゃんと登っているんだけど、初めてだからビックリしちゃうんだ。でもグルグル回っていることに気づいたら、あとは大丈夫なんだ。何度同じ景色が見えてきても、その景色を余裕で楽しめるようになるんだ。そうやってどんどん登っていくんだよ。  そして、次にやって来るのが『悪魔の誘い』だね。今日の美子さんみたいな葛藤が心の中で起こるんだよ。魂のステップアップの山登りをしていると、次第に魂の中の神と悪魔が統合されていくことになるんだ。この時、悪魔にとっては神が悪魔を吸収合併してしまうように感じるんだ。だから山登りを邪魔するんだよ。悪魔のやり方はただひとつ、『欲の世界で楽しく生きよう』 欲があるから生きられる、欲がなければ生きられない、欲は善きもの、楽しいもの、だから山登りなんかやめて、一緒に楽しもう、と言って来るんだよ。あらゆる手段を使って誘惑してくるよ。イエス様も砂漠で悪魔に散々やられたものね。これは難関なんだ。ここでリタイアしてしまう人も多いからね。リタイアしたからって別に恥じゃないし、神さまから責められることもないから安心してもいいんだ。神と悪魔の統合なんて、そう簡単に出来ることではないのだから。