2013年12月5日木曜日

おはようさん 2013.12.6.

私は特定秘密保護法に非常に強い危惧を抱いています。 2011年をピークにして、時代の逆行がどんどん進んできましたが、とうとうナチス時代の再来を見ている嫌悪感でいっぱいです。 今日はこの症例を再掲します。   魂のつながり  二十世紀の暗い時代のウィーンに、フリードリッヒという男がいました。彼は哲学を教えています。 町が平和な頃、彼はよくカフェで議論をしていました。  フリードリッヒの妻は地味で清楚ですが楽しい人です。マリアと言います。二人には子供が一人いま した。ルイーズという栗毛のかわいい女の子です。  ある日、ナチスが侵攻してきました。社会が混乱しています。講堂の中でも誰かが演説しています。 フリードリッヒはそれを聞きながら悲しみに沈んでいました。 「このままじゃダメだ」  群衆が騒然としています。彼は群衆にモミクチャにされながら外へと押し出されました。  フリードリッヒはドイツ人です。でもマリアはユダヤ人でした。町は騒乱状態です。彼の友人にもナ チスに狙われているユダヤ人がたくさんいました。彼は、なんとか助けたい、と思っていました。しか し実際に行動に移すと自分までもナチスに狙われてしまうので、そんな勇気は出ませんでした。  彼の目の前で妻が助けを求めています。マリアもナチスに連れていかれそうです。 「どうしたらいいんだ!」  彼は叫びました。ルイーズが、「お母さんがいない」と彼にすがりついて泣いています。彼は、「と もかくお前は逃げろ!」と娘に言いますが娘は手を放しません。  「ダメ!お母さんを探して!」  フリードリッヒは、もうどうしていいのかわからなくなりました。 「ともかく、ここを逃げ出そう!」  しかし娘は動きません。仕方なく、彼は騒乱の中へマリアを探しに行きました。  喧騒の中、フリードリッヒはナチスの司令官と言い争いをしています。軍人が彼を殴りつけます。彼 は首を絞められました。  「逃げ出さなくては・・・」  フリードリッヒは散々殴られ痛めつけられながら、娘のところへ戻りました。ルイーズは泣いていま す。マリアの行方はわかりません。娘が父を励ましています。でも父はもうクタクタでした。 「じゃぁ、私が自分でお母さんを探すわ!」  ルイーズが騒乱の中へ行こうとします。フリードリッヒは娘を呼び止めました。 「とにかく、この娘を逃がさなくては・・・」  父は娘に絶望的な約束をしました。  「お母さんは私がきっと探し出すから大丈夫だよ。お前はチェコのおじさんの所へ行きなさい」  彼はルイーズを汽車に乗せました。もう娘に会えないような気がしました。  フリードリッヒは、どうしていいのかわかりません。 「私は哲学をやってきたけれど、それが全然、役に立っていないじゃないか」・・・彼は絶望していま す。  彼は銃を手に入れました。そしてナチスの司令官の所へ交渉に行きました。  「妻を返してくれ!」  将校たちは全く取りあってくれません。フリードリッヒは銃で脅しました。  彼は逮捕されました。  「お前が反逆思想を持っていることは、前々から調べがついているぞ。反逆罪だ。お前は収容所で銃殺 だ」  妻に会えないまま、フリードリッヒは収容所に送られました。  彼は後ろ手に縛られたまま、壁の前に立たされます。 「どうしてこんな目に遭うんだ。助けてくれ!」  ナチスの司令官がガムを噛みながら三人の兵士に指示を出します。兵士たちが銃を構えます。 「決してこんなことは許されないぞ!」  彼は撃ち殺されました。その時、彼は決心しました。 「全体主義的なことには、どんなことがあっても反対だ!」  先生は彼の魂に尋ねました。 「身体を離れましたか? フリードリッヒさんはどうなりましたか?」 「下に見えます。口から血を流して、縛られたまま倒れています」 「死んだ瞬間に、何か決心したことはありますか?」 「さっきのことくらいです。家族にどうしても会いたいです」 「あなたを迎えにきてくれた存在を感じますか?」 「まだそこに残っています。妻と娘がどうなったのか、心配ですから」 「では、妻のところに行ってみましょう。行けますよ」 「凄く狭いところに押し込められています。男女ごちゃ混ぜです。あっ、貨車の中です」 「妻にあなたが死んだことを伝えましたか?」 「今、話しかけて、気がついてくれました」 「妻はどうしていますか?」 「ひざ小僧をかかえて、じっとしています。私のことは全然心配いらないから、って。ずーっと一緒だ から、って」 「それからマリアはどうなりましたか?」 「収容所の中で死ぬだけです。でも騒がずに、淡々と自分の死を受け入れようとしています。彼女は、 死んでからも魂が残る、と強く信じていたので、こうして私と話しが出来ます。マリアはまわりの人た ちを慰めています」 「それから、どうなりましたか?」 「・・・話をしています・・・。次ぎも会えるかなぁ、って私は駄々をこねています。でもマリアは、 あなたは私に頼り過ぎるからどうしようかなぁ、って笑っています。マリアはまだ生きてるんだけど・・・。私は必死で頼んでいます。・・・あんまり私が駄々をこねるものだから、仕方ないから、って頷いてくれました。でも今度会うのはすごく遅くなるから、それまで待っててね、って言っています」 「それからマリアはどうなりましたか?」 「ひとりだけで銃殺されます」 「なぜ?」 「どうやら収容所の中で他の人たちを助けようとして軍人に反抗したようです」 「どんな反抗をしましたか?」 「口汚く罵りました。いつもそんなふうだったので見せしめにされます」 「銃殺されるマリアに何と言ってあげますか?」 「偉かったね。いつもみんなを励ましていて。死を恐れていません。よく頑張ったね、って」 「マリアは何と言っていますか?」 「あなたも本当はこれだけの力があるのよ、って。・・・二人は幼なじみだったようです。二人のこと をザッーと思い返していて、自分はどうしたらいいのだろう、ってマリアに聞いています。・・・あな たを次ぎは助けてあげられるわ、どういう形かはわからないけど、って言っています」 「マリアの死の瞬間に、何を思っていますか?」 「横で見ているのは悲しいことではないですね。よく頑張ったね、っていう感じです」 「マリアは殺されましたか?」 「はい」 「彼女の魂はどうなりましたか?」 「頭の後ろから抜け出してきました」 「死んだマリアは何と言っていますか?」 「ほら、会えたでしょ、って」 「銃殺した兵士たちをどう思いますか?」 「別に何も。彼等も時代の犠牲者なのですから仕方ありません。マリアもそうです」 「では貨車の場面に戻って、娘のところに行ってみましょう。ルイーズはどこにいますか?」 「田舎にいました。泣いてます」 「そこで娘にコンタクトを取ってみて」 「話しかけたら死んだのが伝わって、わーっと泣き出しました」 「あなただとわかってますか?」 「はい」 「その後、話しましたか?」 「全然悲しむ必要はないんだよ、って」 「その後、娘はどうなりました?」 「・・・ずっと生き続けたようです」 「死んだマリアと一緒に娘の所へ行きましたか?」 「行きました」 「マリアが死んだ時、ルイーズは母の死をわかりましたか?」 「ルイーズは大丈夫でした。マリアが力強く話したので」  先生は二人の魂を高みへと導きます。 「そのまま上へ高く高くあがります。高くあがったところからフリードリッヒの人生を見てください。 そして何か気がつくことはありますか?」 「弱虫なんです。上へあがってきてもマリアのことを探しています。マリアはとても強い人です。私は 人生でのいろんな出来事を見れません」  先生は更に高みへと導きます。 「もっともっと高く高くあがります。そこでフリードリッヒの人生と、今のあなたの人生を平行に並べ ます。二つの人生を見比べます。そして何か気がつくことはありますか?」 「マリアが、しっかりと自分の人生を見なさい、って言っています。さっきよりは見えるようになりま した。・・・前の人生では、とってもマリアの力に頼っていて自立できなかったけれども、今度の人生 は出会いが遅いので、自分でしっかり歩かなくてはいけません」  先生は光へと導きます。 「光が近づいてきました」 「その光の中へ入ります。どんな感じですか?」 「すごく爽やかな感じです」 「そこに誰かいますか?」 「とても大いなる知性のような男の人がいます」 「その人に聞いてください。今回の私の人生の目的は何ですか?」 「十分に時間をかけて、ゆっくりと身につけることです」 「何を?」 「それは知恵だから、言葉で説明できるものではありません。知恵。勉強して身につけるものではあり ません」 「では、それをどうやって身につけるのですか?」 「いろんな人に出会って、いろんなものに心を開いて、あきらめないことです。すごく時間がかかるも のですが、あきらめなければ向こうからやってきます。今はまだダメです」 「ということは、私の人生はここまでダメなのですか?」 「まだまだダメですね、って」 「何がダメなの?」 「あなたは自分のことしか考えていません。しっかりと守られてるのだから、あなたのまわりの人たち をあなたの方から助けてあげることを学びなさい。あなたはこのまま落ち着いて学びなさい。きっと時 がきますから、って言っています」  この症例は過去生の部分がとても長くなったために時間切れとなり、光からのメッセージが少なくなってしまいましたが、内容はとても充実しているように思いました。(以下、略)