2013年12月17日火曜日

おはようさん 2013.12.18.

昨日の癌患者さんのお話の続きから。 ワークの前の問診で、主治医が薦めた抗がん剤治療に踏み切れない理由を話されました。 「この治療をすれば大丈夫だ、と言ってくれないから・・・」 癌患者さんの気持ちもよくわかります。主治医の気持ちも同業ですからわかります。 だから、ちょっと困ってしまいました。 30年前までは、多くの主治医さんたちは、へんこな自信を持っていたので「私の言う通りにしていれば、大丈夫だ」と言い切っていました。 明治から続いてきた「医者が絶対」だった時代でした。 患者→患者さん→患者様→患者様様になってしまった現代です。 患者さんとその家族しか知らない主治医は、例えその患者さんと家族が良い人たちで、気心も通じてきて、信頼関係もうまく構築されたとしても、やっぱり「大丈夫だ」とは言い切れないのが現状です。 うまくいけばいいけど、経験を積めば積むほど、想定外の出来事が起こることを知ってしまうし、どんなに万全に治療を進めていても、患者さんの運命としか言いようのない天のバイアスがかかって、どうしようもないことが起こることも知っています。 どこからともなく訳の分からないクレーマー親戚が登場することだってあるしねぇ。 いくら信頼関係が出来ていても、やっぱりちょっと引いて、守勢でコメントするのも仕方ないと思います。 本心では「大丈夫!」と自信があっても、やっぱり・・・言えませんよね。 治療方法のエビデンス云々は、そんな相互不信感を糧にどんどん育っていったのです。 (今はどこの病院でも、この治療法は**%の成功率で、5年生存率を**%に保つことができます・・・みたいな説明でしょう。確かに、そんな説明話のどこにも「愛」はありませんよね) 私は今でも「患者さん」と呼んでいます。対等の関係でいたいからです。 患者様と言うと、何だかこころのカーテンを閉じているような感じがして、嫌です。 患者さんとはいつもオープンマインドでいたいから、やっぱり「患者さん」ですね。 そんな患者さんに「大丈夫」というフレーズはよく使っています。 まるで口癖のように「大丈夫」と言っています。 自信がある・なしの次元ではなく、大丈夫だと思うから大丈夫だよって言ってます。 (私が診て、大丈夫って言わなかった時は・・・ちょいとヤバいかも・・ね) 患者さんが主治医に「大丈夫」と言ってもらうには・・・ まず患者さんが主治医を信じなきゃね。 信じるとは、素直に認めること、許せること、感謝できること です。 主治医さんが大丈夫だと言ってくれたのにダメだった時・・・一生懸命やってくれたのだからって、許せますか? 感謝できますか? 30年前までの患者さんたちは、これが出来ました。 ありがとう が主治医と患者さんの間を何度も行き交っていました。 今のご時世ではどうでしょうか? そんなありがとうは絶滅種かな? 30年前までは、主治医は精一杯の治療ができました。創意工夫して、天の運気にあらがうことも出来ました。患者さんが信じてくれているから、伸び伸びと思う存分の力を発揮して病気と戦うことが出来ました。 今は・・・エビデンスという安全エリアの中で、決まったことを決まったようにやるだけです。 精一杯も創意工夫も・・・出来ません。マニュアル通りです。 そのうち、ロボットと医療コンピューターに治療は取って代わられるでしょう。 ありがとう なんてコマンドは無用な医療世界。果たして・・・どうなんでしょうか? 先生、この病気は治りますか? 大丈夫、治るよ。 じゃぁ がんばります。 うん、大丈夫だから、がんばりぃな。 そして・・・ 先生、治りました! ありがとうございます! よかった、よかった。ありがとう! 先生のおかげです、ありがとうございます! よくがんばってくれたね、すごいよ、ありがとう! 先生があの時、大丈夫だと言ってくれはったおかげです、ありがとうございます! あなたのがんばりが治したんだよ、よくがんばったよね、ありがとうね! そんなホスピスを創りたいなぁと念じております。がんばるんばっ☆ <コンタクトの続きです> 「今から家族でしっかりと楽しみなさい、って言われました」  彼女はおばあちゃんに諭されたようです。でも、私はあきらめません。私は未来のアキを亡くしたおばあちゃんを手放して、彼女を神さまのところへと導きました。 「未来のおばあちゃんはスゥーと後ろへと退いていきます。おばあちゃんはそのまま後ろの方で待っていてくれます。あなたは神さまのところへと戻っていきます。あなたは神さまに近づきます。そして、神さまをしっかりと抱きしめます・・・もっとギューと抱きしめます」 「神さまが痛がっていますけど・・・」  彼女は心配して言いました。本物の神さまは怒りません。怒らすようなことを私たちはさせてもらえないのです。私たちが思いつくようなことは、神さまは元々お見通しなのです。私はそのまま彼女に指示しました。 「神さまをもっとギューと抱きしめて、お願いします。神さま、未来のこの人生を直してよ。神さま、この未来を書き直させてください」  彼女は小さな声で言いました。 「神さま・・・とても困った顔をしています・・・」 「神さまの足下を感じて・・・神さまの足を踏んづけて、言いましょう。神さま、私はこの未来を書き直すわ」  彼女はべそをかきながら言いました。 「神さまは困った顔のままです・・・いいと言ってくれません・・・」  私は自信を込めて指示しました。 「大丈夫ですよ。そこにいるタカシさんも一緒に頼んでもらいましょう。タカシさん、私と一緒に神さまに頼んでください」 「タカシさんがうなづいてくれました」 「タカシさんと一緒にお願いします。神さま、神さま、この未来を書き直させてください」  彼女がうれしそうに答えました。 「あっ、神さまがうなづいてくれてます・・・」  その瞬間、壁の掛け時計の秒針が止まっているのが見えました。神さまがこの人生の未来を書き直している間、それはわずか数秒の間だけど、まわりの時が止まることを何度も体験してきました。こちらの世界を数秒間止めなければならないほどの多くの人生を神さまは書き直すのです。これからの彼女と子供たちに関わってくるすべての人々の人生が同時に書き直されるのです。  そして、時計が動き出しました。私は神さまに尋ねました。 「神さま、どうしたら私はアキコちゃんを守ることが出来ますか?」 「神さまが目を閉じて考えています・・・」 「神さま、アキコちゃんがいくつの時に、何をしたらいいのでしょうか?」 「神さまが小声で何かを言ってますけど、分かりません・・・」 「神さま、私に分かる言葉で、私に分かるように教えてください。私はアキコちゃんに何が出来るのでしょうか? 神さまは教えてくれますよ。神さまは何と言っていますか?」  彼女は涙を啜りながら言いました。 <明日に続く>