2013年12月14日土曜日

おはようさん 2013.12.14.

肝癌と重度心不全と認知症で寝込んで入院している患者さんを先日から往診しています。 今日、往診したら心不全がとても良くなっていました。 主治医さんは「俺の治療はどうだ!」ってドヤ顔で自慢してましたけどね、 ほとんど薬は変わってないのを知ってるんだぁ へへへ。 まぁ わからん話をしてもしゃぁ〜ないから、ここは花を持たせてあげましょう。 ホントはね、鍼が効いているんだって私は思っているわけです。 どっちにしても、結果オーライなのが一番です。 今日は左の脈が全く触れず、腹診&顔望診で肝火上炎・心火上炎・腎虚は相変わらずでしたので、左太衝に金鍉針で翳す補法をしたら・・・パッと脈が出てきて、顔の肝火上炎が軽快したのがわかりました。 鍼の反応が良いので、きっとこれからどんどん良くなっていくでしょう。楽しみです。 重い自律神経失調症の患者さんたちには、ずっと湧泉を豪針で補法しています。 湧泉:足少陰腎経 効能:急性・慢性腎炎、心悸亢進、浮腫、下肢マヒ、運動障害 蓮風先生の藤本家秘伝だそうですが、漢祥院で研修中に湧泉を補法されるのを見ていて、そのものすごい氣の放散に感じ入っていましました・・・これは使える! 脳裏に浮かんだのは、精神薬でも漢方でも治療効果の芳しくない患者さんたちの顔です。 早速、湧泉をしてみると、予想通り! なかなかの良き反応でした。 湧泉は痛い。ともかく痛い。そりゃぁ靴の中に砂粒が入っても痛くて歩けないもの。 でも、良く効きます。 しっかりと湿らせておいて、ゆっくり&ゆっくりと刺入していくと、最近では無痛の人たちも増えました。 それでも、寒冷前線が通る日は、やっぱり痛がりはります。刺入している鍼にも湿邪がまとわりついているのがわかります。 患者さんのこころの邪気が重く、大きく、強いほど、痛がりはります。やっぱり邪気がネバネバと鍼にまとわりついてきます。ひどい時には鍼を押し出してきます。 そして、とても面白いのは、痛い・痛いと言いながらも続けていくと、邪気がどんどん柔らかく、小さくなっていくのがわかります。それと平行して、患者さんもどんどん素直になっていきはります。 これってすごいことですよね。素直にする治療法なんて、この世になかったんだから。 今は古い太陽が終わりを迎え、寒さがどんどん厳しくなっていく時期ですからしょうがありませんが、来年の春、湧泉をしている患者さんたちが果たしてどれくらい良くなっているのか、とても楽しみにしています。 <コンタクトの続きです> 「神さま、私は今回の人生でタカシさんから何を学んでいるのですか?」 「親の愛だそうです」 「私はこれまでタカシさんと一緒に生きた人生が何回ありますか?」 「五十六か三十六です」 「私はこれまで何回生まれ変わりましたか?」 「四百三十六・・・四百三十六?」  彼女は驚いた声をあげて言いました。私はそれを素通りして、四人の子供たちとの関係へと質問を進めました。まずは彼女の長女からです。 「神さま、ヨウコちゃんから私は今回、何を学んでいるのですか?」 「捨てないことです」 「ヨウコちゃんと一緒に生きた人生は何回ありますか?」 「八回です」 「今回ヨウコちゃんが私の子供になったのは、私がヨウコちゃんを呼んだのですか? ヨウコちゃんが私を選んだのですか? それとも神さまが決めたのですか?」 「私が呼びました・・・」 「私が今回、なぜヨウコちゃんを呼んだのでしょうか?」  彼女のハッとした心の動きが分かりました。 「育てたかったからです・・・」  よねさんの人生では、ヨウコちゃんは女の赤ん坊でした。よねさんが死ぬとき、その赤ちゃんはまだまだ小さかったはずです。幼子を残して突然この世を去らなければならなかったよねさんの心残りだったのでしょう。だから今回の彼女の人生では真っ先に自ら呼び寄せて、長女として育てていたのです。 「神さま、私はこれから先、ヨウコちゃんをどのように育てていけばいいのでしょうか?」  神さまはきっぱりと言い切りました。 「認めなさい」  認める・・・難しいことだなぁ、と私は思いました。  母親と子供の間には、どうしても依存関係が生じます。赤ちゃんにお乳をあげた時から共依存関係になり、それは子供が巣立つまで続きます。心療内科を訪れる心の病気の患者さんの多くは、この母子共依存に根本原因があります。お互いに手放せない、自立できないケースです。子離れ、親離れできないで身体と年齢だけが大人になってしまうのです。  切り離してしまえばいい、で事は収まりません。母親は子供に生きがいを背負わせて自立することを認めません。心のエネルギーを奪い続けることで、いつまでも離れられないようにしてしまいます。子供は成長するエネルギーを奪われているので反発はしますが、恐ろしい外界に出て苦労するよりも母親の懐にいた方が安心していられるので自立しようとしません。自分を独立した大人だと自ら認めようと努力しないし、母親に認めさせようとチャレンジしなくなります。 「私はこの子を大人だと認めていますし、子離れできています」  そんな母親の言葉を心を閉ざした病気の子供さんの前で何度も聞いてきました。  自分を認めることが出来てはじめて、他人を認めることが出来ます。  自分とは子供にとって、一体どんな存在なのだろうか?  自分と子供との関係は客観的に見たら、どんな関係なのだろうか?  この問いへの自分なりの答えを導き出すことが出来なければ、本当に子供を認めることは出来ないでしょう・・・これは、とても難しい問題なのです。 <明日に続く>