2013年5月21日火曜日

おはようさん 2013.5.22.

うつ病の患者さんを診ていると、大きく二つのタイプに分けられます。 原因不明で、ともかく落ち込んでいる人。愛する人が亡くなって落ち込んでいる人。 食事も食べられず、一日中寝ています(←起きられない)。 思考も落ちていて、ボッとしてたら一日が終わっています。 焦る気持ち、自虐心、劣等感に一日中さいなまれています。 こういう人たちは、抗うつ剤を飲んでいると効いてきます。 SSRIなどの新薬が出た頃は、このタイプの患者さんが多かったので、よく効きました。 ふたつ目は、対人関係や職種や環境変化への適応障害で鬱々としている人たちです。 原因は本人もよく分かっています。 あの人が・・・、営業職が・・・、リーダーになったから・・・。 解雇された・・・、事業に失敗した・・・、離婚された・・・。 このタイプのうつ病は、さまざまな心身症症状をどんどん訴えてくれます。 頭痛、吐き気、下痢、めまい、動悸、過呼吸、喉のつまり、不眠・・・そして&だから、やる気がしない・イライラする・・・「私はうつ病です」と自ら診断名を語ってくれる or 上司・家族に「お前はうつ病じゃないか?」と言われたから受診しました・・・が多いです。 このタイプは、どの抗うつ薬もあまり効きません。 なぜ? ふたつ目のタイプは、人生の節目で壁にぶつかっているからです。 生まれ変わるチャンス到来!な人たちです。 お蚕さんが繭の中に居る状態です。 お蚕さんは繭の中で生まれ変わっていきます。肉体があれほど変容するのですから、身体に気を取られていると、さまざまな違和感&苦しみを味わうでしょう。 でも、お蚕さんは繭の中で苦しんでいないと思いますよ。 だって、大空を飛べるようになるんですから。 大空を飛べても、苦労は尽きません。食べ物を探す・パートナーを探す・天敵に気をつける・・・ お蚕さんのままの方が楽ちんかもしれません。 でも、大空へ羽ばたいていきます。 だって、その方が楽しいから&ステキだから。 お蚕さんは大空を羽ばたいて舞うモスラ兄ぃを見上げながら・・・「かっけぇぇ(←あまちゃん風に)」って叫ぶでしょうね。 ふたつ目の人生の節目なうつ病の人たちが来れば、まず背中を押してあげます。 前向きに「休業」して、人生の節目の意味を噛みしめ、どっちの道を歩むのか? 決めていただきます。 「休業」期間は、そのための大切な時間です。 でもね・・・・新しい道を歩む決心をしました! 歩み始めました! な人はわずかしかいません。 なぜか・・・・繭のまま お蚕さんのまま で居座りたい人ばかりです。 そりゃぁ 楽ちんですものね。 気持ちはわかります。 でも、それは天命でも天職でもありませんよ。人生が終わっちゃいますよ。魂が泣いちゃいますよ。・・・叫んでも、せんかたないけれど。 これが悲しい人間の性でしょうか・・・きっと何千年、何万年と同じことを繰り返しているのかなぁ。 神さま・大いなる光さんは人間を信じてくれています。 信じること=愛すること=許すこと です。 ずっとずっと信じて愛して許してくれてるけど、相変わらずの人間たち。 この人たちがここに来た意味は?・・・私がどこまで「信じて愛して許す」ことができるか?のトレーニングでしょう・・・って思うけど、やっぱり&なかなか長くは持ちません。 それはまるで海中で息を止めているような感じです。 だんだん苦しくなってきて、もうダメ、限界!って海上に浮かび上がります。 あまちゃんと一緒ですね。 本当は息をこらえて、患者さんのこころの奥に潜むウニをつかみ取ってこなくちゃいけないのでしょうね。 だけど、苦しいもん・・・そやけど、がんばりな・・・天からの声が聞こえてきそうですね。 あまちゃんを観ながら、フッとこんなことを思いました。