2013年5月20日月曜日
おはようさん 2013.5.21.
今年初めから能楽の謡いのお稽古に通っています。
なれそめは、去年の秋の京都、能楽大連吟に初めて参加したことでした。
能楽大連吟とは、12月に各地で開催されるベートーヴェンの第九合唱のPure JAPAN版です。
誰もがTVの時代劇の祝言の場面で一度は聞いたことのある「高砂」を謡いましょう、という会です。
「高砂」 謡えたらむちゃ「かっけぇぇ」(←あまちゃん風に)でしょう?
謡いは初めてだったけど、やってみると、とてもスッキリ&楽しかったので、そのまま大阪・豊中でのお稽古に通うことにしました。
まずは初心者用の「鶴亀」
お正月のおめでたい曲で、2月に出雲の温泉に独りつかりながらの独唱は最幸のひとときでした。
お気に入りのJ-POPとかだと、誰かがガラガラガラと入ってきたら、やっぱり恥ずかしいけど、謡曲なら水戸黄門さまの印籠のように胸はって謡っていられますよね。(上手いかどうかなんて、わかりっこないしぃ(;^^)ヘ..
次の曲は「橋弁慶」
そう、牛若丸と弁慶の京五条の橋での出会いの場面です。
これも祇園祭の「橋弁慶山」を何度も訪れていたので、すごく身近でワクワクしました。
能楽の謡いは、ミュージカルです。
ナレーションの部分やセリフの部分は同じテンポ・同じ音階で抑揚をつけずに謡います(=語ります)が、その間にいきなりミュージカルな謡いのパートが入ってきます。
これが難しいけど、楽しい!
能楽になると、バックコーラスに謡いに合わせて、主演男優&女優が踊り出します。
能楽を知らない頃は、能とはとてもゆっくりした動きと訳の分からない言葉の超眠たい演劇だと思っていましたが、いざ、能の世界に入ってみると、仕舞はとても激しいものも多く、スリリングで美しいことに驚かされ、何より完成された日本美意識の真骨頂そのものだと感じました。
日本人は阿吽の呼吸を好みます。
互いの呼吸を合わせる相撲のように、能楽は演者と観客の呼吸の合一を求めます。
昔々、あるところにおじいさんとおばあさんがいました・・・のように、場面や人物の設定も言葉を削ぎ落として、観客のイマジネーションに委ねています。
床に置いた繩の輪に入れば、それは船に乗ったことになるし、おじいさんが右へ数歩歩いて、ゆっくり左回りすれば、もう一山越えて里に着いたことになったり・・・完全に右脳の世界でしょう。
創造力と共感力がないと、能楽は楽しめません。
だからこそ、戦国武将や殿様・大商人などのトップリーダーたちに愛されてきたのです。
この敵将と戦うべきか・和睦すべきか?
我が家臣たちの中で重用すべきものは誰か?
この商売相手の将来に賭けるべきか?
そんな時、共に能楽を観ながら、相手の品定めをしていたのでしょう。
今は「土蜘蛛」をお稽古中です。
これは化け蜘蛛退治のお話です。
まるで稲川淳二さんですよね。
昔の私たちは、さまざまな能楽の曲に、感動したり、泣いたり、笑ったり、感傷にふけったり・・・それは、まるでスターウォーズの映画に歓喜する今の私たちと同じです。
いつかの昔の私も、どこかの町や村で、同じ能楽を観たり、謡ったりしていた記憶がずっと血の中に眠っていて、それが今、目覚めてきたように感じています。
そして、その目覚めは、昔の私の持っていた才能や運気や智恵にも及ぶことでしょう。
まだ何が目覚めてくるのか? 気づいていませんが、例えば、似顔絵が描けるようになったとか、すぐに詩歌が浮かんでくるようになったとか、相場がよめるようになったとか・・・
日本の古典文化に触れると、血の中に眠っていた昔の自分の善きものが目覚め、新しい未来の可能性をドーンと大風呂敷開いて見せてくれるようになります。
今までのちょっと困った性格や運気も、日本の古典文化を自分の中で蘇らせることで、新しく&もっと善き性格や運気にグレードアップされます。
運気を上げたい方・性格を善くしたい方・創造力&共感力をもっと高めたい方は、能楽をはじめとする日本の古典芸能に触れてみてはいかがですか?