2014年7月13日日曜日

おはようさん 2014.7.12.

今日は怒濤の土曜外来を終えてから、奈良 学園前の松柏美術館へバイクのまほちゃんに乗って行ってきました。 思っていたより展示されている作品が少なかったのですが、ともかく静か・・・土曜の午後なのに展示室をひとりじめ・・・まるですべてが自分の絵のように思えてきます。 ただいま「上村淳之展」ということで、淳之さんの花鳥図がメインでした。 なかでも気に入ったのが・・・ 展示室の向こうとこっちに向き合うように展示してあった鶴の絵でした。 こっちは、雄雌の鶴が求愛のダンスを踊っているシーン。 あっちは、番の鶴がヒナに餌をやろうとしているシーン。 展示室の真ん中、二枚の絵の中央で見比べてみると・・・何かが違っていました。 なんやろう? 誰も来ない展示室のソファーに座って何度も見比べていました・・・!! 求愛のダンスを襲っている二羽の鶴には、それぞれ違う色のオーラが見えます。 例えば、赤と青。 例えば、赤とオレンジ。 正反対の色なら、自分にないものに惹かれるように、予想外の化学反応を期待するように、互いに激しく求め合います。進化したい、より善くなりたい、変化したい。これは生物の本能であり、天地自然の理のひとつです。 同じような色は、安心・平安・おだやか・無風・・・似たもの同士で分かり合えます。未来のことも含めて全てが予想内です。自然界のひとつの理に、この安定を求めるというものがあります。だから、同じような色同士も天地自然の理のひとつです。 求愛のダンスを踊っている鶴たちは、各々のオーラをぶつけ合っていたのです。 それが情熱として、求める愛として、絵から溢れ出してきていたのです。 ヒナに餌をやっている番の鶴の方は・・・番の鶴もヒナたちも同じオーラの中にいました。 ひとつの色のオーラの中に、親子が安心して、穏やかに、慈しみ&信じるこころに支えられながら、生きていました。 それぞれの親の肉体の表層には、自分の色のオーラの薄層が見えますが、親子の鶴たちをあたたかく包み込んでいる大きなオーラは単色ひとつのオーラでした。 あれだけ情熱的に求愛のダンスをして、自分をアピールしていたカップルが、親になり、子ができて・・・家庭を持つと、すっかり大人の、とても落ち着いた親鶴になっていたのです。 そこには、平和な親子の情景 安心と愛のオーラがあふれ出るわけではなく、ただそこにあって、親子を見守っていたわけです。 求愛のダンスの鶴たちは若者に見えました。 家族の鶴たちは、大人に見えました。 そんな想いで、となりの「白孔雀」の絵を見ると・・・二羽の白孔雀もやっぱり「大人オーラ」でした。ヒナは描かれていなかったけれど、落ち着いた、愛し合って、信じ合っている番の親鳥に見えました。 恋愛と結婚。 鶴や白孔雀たちのように、大人オーラでふたりを、家族をひと色に染め上げることができたら、幸せですね。 前世物語  私と先生の格好よすぎる初夜のきっかけを作ってくれたのは、四十才代の女性でした。彼女からはナイーブな感じの地味な印象を受けましたが、少しお話をしていると彼女の内面には強い心棒があるのがわかりました。口数はとても少ないのですが、先生のワークの要点はとてもしっかりとつかんでいて、先生の問いに的確な答えを返していました。  彼女はこのワークで「生まれてきた意味」に触れてみたい、と言いました。興味本位ではなく、何かとても深い考えがあるように察しられました。私は始まる前から、ただではすまないワークになりそうだと胸騒ぎがしていました。でも先生はいつも通り、何事もないかのように誘導を進めて行きました。 「地面を見て、地面を感じて。どんな地面が見えますか、感じますか?」 「濡れた茶色い砂が見えます。道の両脇に緑の草がたくさん生えています」 「足を見て、何か履いていますか?」 「いいえ、裸足です」 「下半身は何を着ていますか?」 「黒いズボンです」 「上半身は何を着ていますか?」 「長袖のゆったりした服です。模様が入っています」 「手に何か持っていますか?」 「持っているような気がします・・・右手に棒を、左手に三つの指輪を持っています」 「手を見て、どんな手ですか?」 「関節の太い男の手です」 「頭に何かかぶっていますか?」 「インディアンの髪飾りのようなものが見えます」 「肌の色は何色ですか?」 「ちょっと浅黒い感じです」 「どんな髪をしていますか?」 「黒くて長いおさげです」 「目の色は何色ですか?」 「青です」 「他に荷物はありませんか?」 「右の腰に革の袋のようなものをさげています」  先生は彼女の意識をその男の中にしっかりと入れてから尋ねました。 「まわりはどんな風景ですか?」 「前に小高い山があります。それ以外は平原です」 「今そこは朝、昼、夕、夜で言うと、どの時間帯ですか?」 「昼間です」 「天気はどうですか?」 「晴れです」 「そこの気候はどうですか?」 「少し暑いです」  彼女は暑そうに身体を動かしました。先生は少し間を置いてから尋ねました。 「それからどうしていますか?」 「そこに立って山を見ています」 「どんな気持ちでいますか? 心に触れてみてください」 「寂しい。とても物悲しい気持ちです」  「では場面を続けます。時間が動き始めます。時間が流れ始めると、その男の人は何をしていますか?」 「場面が止まってるようです。動きません」  先生は慌てずに時間が動き出すのを待ちました。 「あなたの年齢はいくつですか? 頭に数字が浮かんできますよ」 「四十才です」 「名前は何と言いますか?」 「・・・ジェロニモです」 「そこで何をしているのですか?」 「見張っています・・・何かを待っています」 「あなたが今、いる場所はどこですか?」 「アメリカの中央の辺りです」 「待っていたら、誰か来ましたか?」