2014年6月11日水曜日
おはようさん 2014.6.10.
時々、ここに登場する乳癌+全身骨転移のおばあちゃん。
今日、抗ガン剤癌癌 ちゃう ガンガン入れまくる○○な外科医から突然、お手紙が来ました。
最近の諸検査でも(その病院は検査が大大大好き!)原発巣の再発も骨転移の増大も全く認められないとのことで・・・
う~ん 意図がわからぬ・・・
どうだ! 俺様の治療の素晴らしさを思い知ったかぁ 東洋医学などクソくらえだ! 西洋医学の威力 思い知ったかぁぁ ハッハッハッ! なのかな?
まさか・・・
先生の鍼灸治療がここまで癌治療に効果があるとは思いませんでした。今後もよろしくお願い致します・・・まさかねぇ(;^^)ヘ..
癌が縮小するとか、消えてなくなる・・・が目的ではなく(勿論、それは最幸やけど)、痛みがなくなり、QOL 日々の生活が元通りできて、美味しく食べられて、笑えて、眠れて・・・でええやんか、が東洋医学の目指すところだと思います。
だったら、ホスピスと同じじゃん?
いえいえ、ホスピスは医者もスタッフも家族も「根底にあきらめ」があります。患者さんもあきらめようとしています。
西洋医学と繋がっている限り、ホスピスは「もうダメ」がそれぞれのこころの根っこにあります。
もうダメだから、今を楽しもう。今を大切にしよう。悔いのない余生を送ろう。
それはそれで、なんだかとっても平均的日本人向けでいいのですが・・・私は嫌です。もっとジタバタしたい。そんなんで死ぬのは嫌や!が自分の素直な気持ちです。
東洋医学は、QOLの面ではホスピスと同じベクトルです。
でも、癌の治療をあきらめていません。
癌と同棲 ちゃう 同生。
癌が大きくなったり、悪さをしなけりゃいいじゃない。
ルームシェアーみたいなものですね。身体の一部を癌にシェアーしてあげる。まっ 仲良く、楽しくやっていきましょう・・・みたいな感じで。
癌さん、ルームシェアーのルールはね・・・自分の部屋を大切に使いましょう・共用の部屋はお互いに気持ちよく使いましょう・家主さんのお部屋には入ったらダメよ・お友だちを泊めないでね・大きな音楽やきつい香りは控えましょうね・・・そんな感じかしら。
天地自然の理のひとつに、どんだけ極悪非道な病原菌でも時が経つにつれて次第に弱毒化して日和見感染になってしまう、というのがあります。
私が脳外科医になったばかりの頃の緑膿菌もそうでしたね。
高齢者の癌なんて、何もしないで放って置いた方がQOLが断然良いのは周知の事実です。
(もう5年近く診ている肺癌のおばあちゃんもまだまだ元気です:肺癌はゆっくりゆっくり増大中ですが)
それを手術や抗ガン剤で猛攻すると、俗に言う「癌が怒る」に陥って、あれよあれよという間に苦しんで亡くなっていきます。
だから、癌だって天地自然の流れを汲み取って「生かさず&殺さず」つきあっていけば、天寿を全うできるはずだと思います。
それができる治療法は東洋医学です。
超高齢化時代に入って、癌はますます増えてきます。
そして、医学の進歩という錦の御旗の下、超高齢癌患者さんたちに手術&化学療法&放射線療法&免疫療法といった「儲かる医療」が行われています。
やり尽くしてボロボロになったら、ホスピスへ・・・そこでも終末期医療の名の下に「儲かる医療」が続きます。
東洋医学を取り入れれば、医療費削減になることはわかっているのです。
でも・・・国民総幸福度よりも「1%の富裕層の100%の富」が絶対&優先される世界ではムリな話です。
ディズニーランドの夢の国でも・・・やっぱりムリだなぁ。。。
さてさて どうしたものか?? 光さんもこればかりはなかなか教えてくれません。
それでも、いつか 前向きな&うれしい答えが降ってくるのを期待しながら、明日もやるべきことをがんばるのです。
前世物語
先生は大きな光の存在のところから雅子さんを、今この時へと戻しました。彼女は催眠から覚めた途端に泣き出しました。先生は黙って見つめています。カバ目に先程の光の存在の優しいエネルギーが溢れています。私は温かいおしぼりとお茶を用意しました。彼女はようやく落ち着きました。
「ありがとうございました。なんだか、まだ納得できないこともありますが、聞こえてきたというよりも私の心の奥深くから自然に湧き出でてきた感じのメッセージだったので、私にとっては本当に光というか、神様の言葉でした。帰ったらもっとしっかりと噛みしめてみます」
「しばらくの間、突然感情が乱れることがあります。泣きたくなったらドンドン泣いてくださいね。泣くことで今まで溜まっていたエネルギーが出ていきますからね」
彼女は微笑みながら頷きました。待合のソファーで大きなアクビをしている夫が見えました。彼女は嬉しそうに言いました。
「いつもああなんですよ。ノンビリしているというのか、鈍感というのか・・・。私の気持ちなんか、わかっちゃくれないんだわ、って思ったことが何度もありました。でも今は違います。夫はああやって私を温かく、しっかりと包み込んでくれていたのです。わかっていたつもりでしたが、光の存在に諭されて、今は本当に夫の愛を感じられるようになりました。これが第一歩なんですね。これからゆっくりと本当の愛を育んでいけそうな気がします。病気にばかり目が向いていて、いつの間にか病気の中でしか生きていませんでしたが、振り向けば光に満ちた世界が、愛の世界がすぐ隣にあったのです。もうこれからは光を見失いません。もう大丈夫です。やっていけそうです。ありがとうございました」
雅子さんは夫と楽しそうにしゃべりながら医院を後にしました。彼女の足取りがとても軽やかに見えました。私は二人が夕日の中に消えるまで静かに見送りました。
「光の天使たちが雅子さんを守ってくれているんだわ」
私はそう呟きながら目を閉じました。二人が光の天使たちに導かれて、夕日の中を歩いていくのが見えました。
「良かった、本当に良かったわ。先生、ありがとう・・・」
不意に夕日からオレンジ色の風が吹いてきて、私の右頬にキスしていきました。私は思わず振り向きました。一瞬、何かがいたように感じました。でも、そこには誰もいませんでした。こそばゆい何かが心の中でコソッと動きました。
「おーい美子さん、そろそろ夜診を始めるよ」
先生がそう言いながら出てきました。
「きれいな夕日だねぇ。美子さんの顔が黄疸色、いやいやオレンジ色に染まっているよ。うーん、カリフォルニアのルビーレッドかなぁ」
先生はいつものように茶化しながら私の顔を覗き込みました。
「もう、そんなことばっかり言って! さぁ、お仕事、お仕事」
私はわざとそっぽを向いて診察室に走りました。私の耳たぶに残っていた夕日のピアスが揺れてキラキラ輝いていました。おしゃれなキッスをありがとう、先生・・・。