2014年6月1日日曜日

おはようさん 2014.6.1.

天晴れな日曜日  暑かったですねぇ。 朝、お寝坊さんだったら、プチ・ツーリングへ行こうと決めていたのに、 なぜか朝、ちゃんと目が覚めて(昨夜、2時過ぎまで近くの公園で若者、否 馬鹿者たちが大声でサッカーしていて寝付けなかったのにねぇ(~_~;) う~ん、北辰会の基礎コースのお勉強会に行こうか? それともツーリングを兼ねて、謡曲「養老」の主人公、養老の滝の写真を撮りに行こうか? 朝ご飯を食べながらも迷い続けて・・・結局、お勉強の方を選びました。 一年前は基礎コースの体表観察の実習も「知らぬことばかり」で、とても充実していました。 蓮風先生も実習に顔を出して、ドクターコースを直接、指導していただいてましたからね。 それがとても楽しみでした。 蓮風先生の労宮を私の掌にコピペしたのも一年前の実習の最中でした。 今年は・・・蓮風先生も基礎コースの実習にはお越しになられず、内容も穴の取り方ABCなので・・・復習も大切だし、まだまだちゃんと穴を取れてはいないけれど、物足りなさを感じています。 えいや! 今日はお勉強会に行くぞ! と決めた時、同時に、「今日はわからないこと、疑問点を遠慮なくどんどん尋ねるぞ!」と自分に宣言しました。 いつもは(自分では)かなり控えめにしている(つもりなんです) 今日の実習は背候診。 前回、腹診でみなさんの手でお腹を触られて、かなり体調不良になりました。 これで督脈をいろんな手でグリグリされたら・・・死んじゃう・・・な訳で、「今日はモデルは勘弁してください」も皆さんにお伝えしました。 知りたいことは尋ねる・嫌なことはしない。 とっても身勝手なのですが、おかげさまで今日一日、お勉強会を選んで良かったと満足しています。 剣術に例えるなら、蓮風先生は宮本武蔵や鐘捲自斎のやうな己が剣の奥義を極めた剣士です。 北辰会はその道場に当たります。 当主が居て、師範が居て、師範代が居て・・・学ぶべきものがステップ バイ ステップに決められていて・・・ある程度の技量のそろった門弟を増やしていこうとすると、どうしてもシステマティックな道場形態が必要になります。 これは華道の世界でも、茶道の世界でも同じですね。 剣を学んでいく。自らの剣の腕を磨いていく。 そこは同じ気持ちでも・・・ステップ バイ ステップに奮闘努力していきます! ・・・になりきれないものが自分の中にいて、次第に唸り声をあげているのに気づきました。 それは野獣の唸り声です。 剣を握ったら、忽ちにして野獣と化してしまう・・・煩悩も正気も如何なる恐怖も凌駕してしまった狂人となってしまう。 病を倒すことだけに集中できた無心無我の野獣です。 そこは真剣勝負だけの世界です。 蓮風先生が自ら鍼狂人と号する気持ちがよくわかります。 そして、ややもすれば鍼灸師たちの志を卑下し、唯一のわずかな希望をドクターに抱いておられる気持ちが痛いほど伝わってきます。 上泉信綱が無刀取りの完成を柳生宗厳に託したように、築き上げてきた鍼道の極意中の極意を伝授神託しようとされているようにも見えることがあります。 ただ今は、そのような暗雲魍魎たる闇を見ることはせず、蓮風先生と共に「癌を治す」ことに鍼道を磨き上げていきたいと思っています。 P.S. ちなみに私の祖先は、奥山休賀斎(公重)です。 前世物語  第五章     肝炎の意味 「美子さん、次のワークの方はどうやらご夫婦で来られているようだから、前説、よろしくね」  先生はそう言い残すとトイレに駆け込みました。  ご夫婦の場合、ワークを受けられる方と一緒の部屋に入ってパートナーの過去生の話を直に聞いてみたい、と希望される方がおられます。先生はワークを受けられる方が了承されていれば、どなたが一緒に入っても構わないことにされています。ただ、過去生に戻っている方はそばでパートナーが聞いていることをしっかりと認識して話しますので、もしもパートナーに聞かれたくない内容が出てきた場合には、せっかく降りた過去生から飛び出してしまうこともあります。ですから、なるべくならパートナーは外で待っていることを先生はお奨めしています。それを事前に説明するのも私の大切な仕事のひとつなのです。  今日の三時のワークは奥さんが一人で受けられることになりました。先生はもうじき戻ってきます。 私は患者さんを部屋へ案内しました。 「私、身体が弱いんです。冷房はちょっと苦手なんです」  患者さんはチェアーにもたれながら訴えました。 「弱冷房にして温度も上げておきましょうね。外はこの暑さですから、さすがに冷房がないと、この部屋はサウナになっちゃいますからね」  私は患者さんにタオルケットを掛けながら意識して優しい口調で言いました。そして先生用のミニ扇風機のスイッチをそっと入れておくのも忘れません。これは先日、汗を拭き拭きワークをしていた先生への私からのプレゼントなのです。先生は気に入ったモノにはすぐにあだ名をつけてくれます。「美子のハナイキ、助かるよ」いつもニコッとしながら両目ウインクしてくれます。私はわざと鼻息で答えます。青春時代の二人に戻るひとときです。先生が「カバ目」のまま、ワークを始めました。 「木村雅子さんですね。こんにちは、奥山です。こちらはアシスタントの美子さんです。よろしくお願いします。さて、今日のワークの主題からお聞きするのですが、今日は何の問題を解決しようと思って来ましたか? どんな過去生を見ようと思って来ましたか?」 「私、病気なのです。C型肝炎なのです」  雅子さんは先生に訴えかけるように言いました。 「私は肝炎で、いつも身体が怠くて重くて何も出来ません。いろいろしたいことはあるのですが、ちょっと身体を動かすとすぐに肝炎の検査数値が飛び上がってしまいます。寝込んじゃうこともしばしばで、そんな自分が嫌なのです」  彼女は大きく肩を落としました。 「インターフェロンもがんばって受けました。いろんな漢方や民間薬も試しました。ヨガと気功をしたこともあります。でも、どれも効きませんでした。お医者様は、ガンにはなっていないからこのまま様子をみましょう、としか言ってくれません。もう私は治らないのです。みんなから見捨てられたのです」  彼女は寝返りをうって壁に向かったまま言いました。 「私が落ち込んでいた時に主人が図書館からワイス博士の前世療法を借りてきてくれました。私はそれまで生まれ変わりだとか、過去生なんかには興味がなかった、いえ、避けていたのですが、あの本は私の心をなんだか軽くしてくれました。そして私のこの肝炎も私の過去生に原因があるんじゃないのかなぁ、と思うようになりました。私も是非この前世療法を受けたくて主人にかなり無理を言いました。でも主人は嫌な顔をせずに探し続けてくれました。そして・・・とうとう先生を見つけ出してくれたんです」  彼女の目が潤んできました。 「では、肝炎の原因が最もよくわかる過去生へ戻りましょう、という誘導になりますが、いいですか?」