2014年4月29日火曜日

おはようさん 2014.4.28.

朝8時 外来開始!で待合をのぞくと、 いつもの顔ぶれがニコニコ顔でおしゃべりしているのを見て、 ほんま のどかやなぁ ほのぼのやなぁ ええなぁ 幸せやなぁ と思いました。 もちろん病気を治す医院ですが、患者さんを笑顔にしたいとずっと思ってきて、 今朝、ふっと 願いが叶ってるんだ、と気づきました。 よろず診療の西洋医学をやってきて、 こころの治療もやってきて、 漢方治療もやってきて、 鍼灸治療も始めて、 やっとここまでたどりついたんだよなぁ。 なんだかすごくホッとした、満たされた良い気持ちになった朝でした。 まるで宮崎駿監督の世界やな。 このままトトロの世界にでも、コクリコ坂の世界にでも、ポニョの世界にでも入っていけそうな我が医院です。 日本人でジブリな世界が大好きな人ってどれくらいいるのかしら? ハリウッドな勧善懲悪 信賞必罰 ♪ 映画を盛り上げるために 簡単に命が捨てられていく ♪ な映画が大好きな人も多いよなぁ。 デジタルな世界は便利やし、それでお仕事や道楽がうんと楽になっているのはわかっているから、無下に否定はしないけれど。 でもね、あんまりデジタルに溺れると、なんだか感情も恋も幸せも、愛も魂までもがデジタル化されてしまいそう。 そんな怖さの鬱積を解消するために、時々無性にジブリな映画を観たくなるのかもしれないね。 医療の世界もどんどんデジタル化に飲み込まれています。 人間のアナログで直感的な診断&治療よりもコンピューター診断が尊ばれる近未来です。 ひとりひとりの患者さんの笑顔なんかよりも、効率化&採算性が優先されるデジタル・エコノミーな明日です。 デジタル写真がフィルム写真を蹂躙席巻していった昨日を振り返れば、デジタルな明日のなんたるものかが見えてきます。 それでもね、人はやっぱり、特に日本人はね、ジブリなアナログな世界もなくちゃぁ 笑顔になれないんだよって思います。 幸せはデジタルで作れるかもしれないけれど、デジタルな笑顔は・・・やっぱり嫌だな。 手塚治虫さんはロボットが人類の敵になるかも、と危惧してました。 キューブリックさんはコンピューターが人類の敵になるかも、と危惧してました。 そして今、デジタルが人類を支配してしまいました。 ジブリの世界はザイオンなのかも・・・しれませんね。 前世物語  大人の女は観音さまです。良い男を手のひらに載せて自由に遊ばせることが出来ます。男はどこまで行っても観音さまの手中にあります。いつも観音さまの慈悲の心に守られています。良い男はそれに心根の優しさで答えるのです。愛から性や親子関係などの世俗的な要因をどんどん剥ぎ取って、純化された愛の真理に触れることも必要です。でも、男女の性を持った愛の姿とは何か、を探求することも必要なのです。そうでなければ哲学はこの世から乖離してしまいます。  今の私にはこんな愚直な先生を心の中に受け入れるだけの余裕が十分あります。これは純粋な愛ではありません。先生の何気ない言葉に身体がほとぼることもあります。女と男であるからこそ味わえる愛の媚薬なのです。身体がなければ決して飲むことの出来ない怪しい艶酒えんしゅなのです。肉体を持って生きる意味とは、意外とこんなところにあるのかもしれません。 「これ、悪いけど洗濯にまわしといて」  先生が私の手からタオルケットを奪い取ると看護婦さんの方へ持っていきました。 「先生、またおしっこ、漏らしちゃったんでしょう」 「はい、ごめんなさい。年取るとどうも締まりが悪くなっちゃって」  先生と看護婦さんたちの楽しそうな会話が聞こえてきます。弾んだ声がいつも私を元気づけてくれます。私のデスクの上に、ちゃんとお茶が用意してありました。アールグレイの香りが私を誘います。私はイスの上で大きく背伸びをしました。背筋を伸ばして、足を組んで、ゆっくりとお茶をいただきました。先生がカップ片手に戻ってきました。まるでタイミングを計ったようです。私はわざと組んだ足を先生の方へ向けました。先生の視線が右往左往しています。これで形勢逆転です。 「鏡の神様、ありがとう。大正解だわ」  今朝、出がけに私はどのスカートにするか、鏡の前で迷っていました。ちょっとタイトで短めのスカートを合わせた時、鏡がキラッと光ったのです。 「美味しいお茶を入れてくださってありがとうござます、先生。一緒に飲みましょうよ、ここにお座りになって。そうだ、さっきのワークでいくつか質問があるのですが、教えていただけますか?」  大人の女は悪女です。私は先生をちょつぴり斜め前のスペシャルシートに座らせました。 「ほら、先生、恥ずかしがっちゃダメよ。大人の男はまず涼しげな目でジッと見つめてからエスプリの効いたセリフを返すものよ」  私の心の中でMデートリッヒが囁きました。 「そうだね、今日のワークは面白いところがたくさんあったね。でも、それがたくさんわかるということは美子さんも目が肥えてきたね。私もやりがいがあるというものだ」  先生はまだまだGクーパーにはなれません。私は悪魔の微笑みのまま質問しました。 「過去生での能力や才能を今に持って帰ることが出来るのですか?」 「具体的にそういう誘導をやった症例は少ないし、その結果もすぐにわかるとは限らないものだから、まだはっきりとコマーシャルは出来ないけど、かなり好い線をいくのじゃないか、と期待している分野なんだ。音楽や絵画等の芸術やスポーツでのスランプ脱出には即効的な効果が期待できると思うよ。一種のポジティブなイメージトレーニングだからね、かなり強力だけど」  先生はニコニコしながら話し続けました。時折、視線が私の腿にそっと触れていきます。私は足を組みかえながら尋ねました。