2014年1月13日月曜日

おはようさん 2014.1.12.

今日は初めて生の能楽「神曲 翁」を観てきました。 いやぁぁあぁぁ よかったですよ。 翁面を着けるまでは「人」ですが、翁面を着けると「神」の化身に変わりました。 これほどはっきりと「神」が具現化したことに、とても驚きました。 だからといって、シテさんが超能力を持ったり、会場が異次元ワールドになったりは・・・しませんけどね。 日本の、世界のスピリチュアルな能力を自画自賛している先生方が「翁」に気づかないなんて・・・やっぱニセモンばっかりやねぇ。 翁は後戸の神さまです。後戸の神と猿楽とは深い関係にあります。 後戸の神とは、文字通り、本殿の後ろに居ます神さまのこと。 ご神体としての山や川、巨岩や森が後戸の神さまに当たることも多いですが、出雲大社の素鷲社(そがのやしろ)の素戔嗚尊のように、後世の何らかの勢力によって出雲大社本殿から追いやられたケースもあります。 元々は出雲大社のご神体は八雲山で(素戔嗚尊でも大国主命でもなかったのです)、その鬼門方向にあたる村に摩陀羅神社がありました。 摩陀羅神社=摩陀羅神=後戸の神=翁 ということになります。 素戔嗚尊=縄文文化圏  大国主命=弥生ヤマト文化圏 です。 去年、出雲大社も式遷宮でとても賑わいましたが、伊勢神宮が好きな弥生ヤマト系の方々も出雲大社に普通にお参りするのは全然OKです。 出雲大社はある意味、縄文出雲文化圏をヤマトが支配するための重しだったのですから。 ただ、安っぽいスピリチュアル本を見て、伊勢神宮LOVE♡な方々は素鷲社とその後ろの八雲山に触れるのはやめておきましょうね。まちがいなく祟りがありますから。(縄文の祟りは単純です。単純だから怖い。いきなり「死」が来ちゃいますよ) 出雲大社をゆっくりと歩いてみると、支配された縄文文化圏の人たちのヤマトへの精神的抵抗、祈りの抵抗の跡が見つかります。 今日の神曲 翁で。翁を終えると、今度は黒色面を着けた狂言方三番曳が謡い舞います。 翁面は金色に輝いているように見えていたので、この黒色面との対比にこころ揺さぶられました。 黒色面は闇であり陰の総代でしょう。 でもここ神曲では闇も陰も悪ではありません。 闇と光、陰と陽が和しているのが縄文文化圏の特徴でもあります。 もう何千年も、特にこの100年は闇を光で追い詰めてきました。 闇を光で支配しよう。それが世界の平和であり、人類の幸せなんだと。 でも追い詰めれば追い詰めるほど、人のこころも魂も光を失ってきました。 悪が光を飲み込んでしまいます。 でも・・・ 今日の、今年の始めに翁の神さまを見れたのだから、きっと大丈夫でしょう。 光輝く翁が笑っていましたからね。 <妄想日記は明日へ順延です:上で翁を熱く語ったので> 前世物語 小さな喜び  紀元前七百年頃のエジプトに、マーラーという女の人がいました。毎日、夫と砂漠の向こうの山の湖 に水を汲みに行きました。時々、市場で買い物もしました。夫は白いマントを着て、とても優しい目を していました。ダニエルといいます。ダニエルは「今の夫」です。  夕食は村の焚き火のまわりで食べました。ダニエル夫婦と三人の子供たちとダニエルのお父さんがい る家庭でした。子供たちがふざけあっています。マーラーは嬉しくて笑い出しました。心の中が暖かく て熱があるみたいでした。彼女はみんなで食事ができる幸せを感謝しました。  七十歳の頃、マーラーは老衰で死の床にいました。子供たちが手を握ってくれています。一人は「今 の娘」です。彼女は言いました。 「ありがとう」  彼女はダニエルを思い出しました。夫は少し前に病気で亡くなっていました。彼は最後に言いました。 「ありがとう。また会おうね」  そしてダニエルは目を閉じました。マーラーは感謝の気持ちでいっぱいでした。  彼女は人生を振り返りました。毎日の水汲みが楽しい思い出でした。大きな嵐が来て、村も、お父さ んも、長男も、奪い去られたこともありました。  マーラーはダニエルと死んだ息子が迎えに来てくれたのに気づきました。夫は何も言わず、ただ笑っ て手をつないでくれました。穏やかな死に顔を残して彼女の魂は身体を離れました。彼女は家族への感 謝の気持ちに包まれて、逝きました。  先生はマーラーの魂を高みへと導きました。そしてその高みから彼女の人生をもう一度振り返っても らいました。彼女の魂が答えました。 「私にはいつも家族がいました。その家族がいつも笑っていて、みんなが今日の出来事とかを話してく れたのを一緒に笑って聞いている役目でした」  先生は更に高みへと導きます。そこには「光る星」がありました。星の中は白いクリームがかったよ うな光に包まれていました。光の中心に、白いドレスを着て、白い顔に長い金髪の女性が笑って迎えて くれました。先生はその白い女性に尋ねました。 「夫との関係は何ですか?」  光の人が答えました。 「夫婦でした」 「今回の人生で、私は夫から何を学ぶのですか?」 「ひとつひとつの小さな喜びを感じることが出来る幸せです。着飾ったり見栄をはったりしなくても、 そのままで十分に幸せなのだ、ということを彼と一緒に感じなさい」 「今回の私の人生の目的は何ですか?」 「今ある悲しみを悲しみとしないで学ぶことです。ないものを嘆いたりしないで、他に持っているもの を喜びなさい」  先生は白い女性に聞きました。 「夫の両親からは何を学ぶのですか?」 「あなたが今まで気づかなかったことを気づかせてくれる人たちだから、大切にしなさい」 「今の娘からは何を学ぶのですか?」 「毎日の小さな歓びを気づかせてくれるから大切にしなさい」 「娘はなぜ私をお母さんとして選んだのですか?」 「私が気づかないことが多いから、気づかせたくって」 「私が頼んだのですか? それとも娘が選んだのですか?」 「娘がずっと見ていて決めたのです」 「自分はこれでいいのですか?」 「何も恐がらなくていいから、前に進みなさい」 「今回の私の人生はここまで順調ですか?」  白い女性が答えました。 「これからは順調ですよ」 「今回、なぜ私は夫とペアーを組んだのですか?」 「そうなることになっていました」 「今回の人生を計画した時に、何か打ち合わせをしたのですか?」 「一緒にまた会おうね、って約束だけしました。それで今回ここで一緒になったのです」 「今回のこの人生は私が決めたのですか?」 「はい」  先生は白い光の人にお願いしました。 「今の私に何かアドバイスをください」 「何も心配してませんよ。毎日、家族に感謝していればいいのだよ。ありがとう、って言ってればいい のだよ」  先生は光の人に頼みました。 「今回の人生の問題をクリアーできた、未来の私の姿をちょっと見せてください」  白い光の中にヴィジョンが浮かんできました。 「五十歳くらいで、夫と一緒に私の実家に帰っています。今、駅にいますが二人とも笑っています。実 家でも私の両親と兄夫婦とお茶を飲みながらニコニコしています。とっても幸せです」 「その彼女にアドバイスを貰ってください」  未来の彼女が答えました。 「ちゃんと克服できているから大丈夫だよ」 「どうやったら克服できるの?」 「愛情とか、感謝の気持ちにたくさん気づいて、ありがとう、って思うことです」  未来の彼女は暖かくて力強い握手をしながら言いました。 「大丈夫、必ずこうなるから」  未来の夫も実家の家族もみんなが言いました。 「大丈夫、必ずこうなるから」  光の人も言いました。 「必ず出来るから大丈夫です」