2016年7月31日日曜日

ごきげんさん 2016.7.31.

「もう歳ですなぁ。毛は薄くなるし、男の元気が弱くなってしまって・・・。「妙手回春」で何とかなりませんか?」とコソッとご相談いただきました。 妙手回春をググると・・・ 患部に手を触れるとそこが春になったように感じるほどの、医師の凄い腕前のこと。また、その名医のお陰で忽(たちま)ち完治すること。  出典:李宝嘉「官場現形記」「什麼扁鵲複生、什麼妙手回春、什麼是乃仁術」 脱毛・禿げを中医学的に診ると・・・ 髪は「血の余り」であり、血が十分にあって体内をスムーズに巡っていれば、髪を健康に保つことができます。また、髪は「腎の華」であり、生命エネルギーの源である腎の「精」が充実していれば、髪は元気に育ちます。 加齢による腎虚は、自然な脱毛と白髪をもたらします。 心身一如。 素晴らしい人生に見合った美しい白髪の方や布袋さんのような福々しい禿げ頭の方もおられます。 ただ腎虚と同時に、血の臓である肝が長年にわたる過労やストレスで血虚に陥ってしまうと、 幸薄い白髪や苦労不運な禿げになってしまいます。 ストレスは誰の人生にもあります。 ストレスを如何に生きるエネルギーに昇華させて、人生を豊かにしてきたか? 美しい白髪さんや布袋頭さんは、どなたからも愛される人気者で、運気が高いわけはここにあります。 頭は「清陽の府」であり、体内の陽気が集まります。 慢性的な病気や冷え・悪血で虚弱体質に陥いると、頭に集まる陽気が足りなくなり氣血が不足します。 定年退職や子供の巣立ちで、一気に白髪や脱毛が起こるのは、気虚によるものです。 暴飲暴食、運動不足、便秘冷え症、肥満、糖尿病などは、身体に悪血や水毒をもたらします。 やがて悪血や水毒の滞りが熱を持ち「湿熱」になると、頭は脂っぽくなり、脱毛や禿げの原因となります。 このように加齢の脱毛・白髪に効く漢方治療にもさまざまな種類があり、「診ればわかる」(診なけりゃわからない)オーダーメイド治療となります。 「男の元気」の方も、脱毛・白髪と同じです。 よく薬局の前に「八味地黄丸」の幟が立っていますが、あれは腎虚をターゲットに絞っています。 腎虚を補うことは大切ですが、高齢男性の中には肝火上炎で高血圧や脳卒中を患っている方も多いので、匙加減が大切です。 高齢男性で血虚や気虚を併発している方には、それなりの漢方処方が必要になってきます。 怪しげな漢方薬局に鎮座ましまするオットセイの○○とかスッポンの○○とかは、その場では効いた気がするかもしれませんが、大切な腎精に火をつけて浪費しているだけですので、ご用心のほどを。 当院での「加齢による脱毛・白髪・男性の元気の回復」の治療は・・・ ・氣は定期的な鍼灸治療で、 ・血と腎は漢方治療で、回春しましょう。 ・本気でやるなら、成長ホルモン治療もお薦めです。 (注:当院の成長ホルモン療法は、月3回以上・3ヶ月以上定期的に漢方鍼灸治療に通院されている患者さまだけを治療対象にさせていただいております)