2016年7月26日火曜日
ごきげんさん 2016.7.26.
「漢方でアトピーを治せますか?」とよく聞かれます。
はい、治せますよ。
漢方医の弁証:アトピーの病理のとらえ方 によって、アプローチの仕方はいろいろあります。
漢方の治し方は「タマネギの皮むき」に例えられます。
外から一枚 一枚と皮をむくように病気を治していきます。
そして最後に、病気の根源へと至ります。
ですから、アトピーの漢方治療は時間がかかります。
その分、身体に優しいのです。
アトピーの皮膚は、カサカサだったり、膿んでジトジトだったり、熱を持っていたり、黒ずんでガチガチだったり・・・
皮膚表面はさまざまな証を呈していますが、脈診や腹診で身体の深部を診ると、どの患者さまも冷えと水毒と悪血の三悪があります。
特に、冷えは元凶と言えます。
アトピーは肌に熱感があったり、カサカサに乾いてひび割れしていたりしていて、いかにも「熱」の病気のように思えます。
しかし、身体も宇宙も陰陽のバランスで成り立っている、と漢方は考えます。
皮膚表面が「熱」ならば、深いところは冷えているのが宇宙の理です。
この冷えを治していくのに、水毒をさばいていくのか、悪血を通していくのか・・・
そのためには腎を元気づけるのか、食事養生で脾虚を正すのか、瞑想やヨガで肝をいたわるのか、早寝早起きして心を浄化するのか、ウォーキングなどで肺を活性化するのか・・・
このように同じアトピーでも、患者さまごとに最適な漢方薬と生活指導の内容は異なってきます。
これが漢方はオーダーメイド治療だと言われるゆえんです。
富士山を登る時、いくつもの登山ルートがあります。
どの登山ルートも最後は山頂へと続いています。
正反対の入り口から登りはじめても、
途中の登山道が通行止めで迂回路を進まなくてはいけなくなっても、
同じ景色が延々と続いていても、
一歩一歩進んでいれば、ちゃんと頂上へと近づいていることを、経験ある漢方医は知っています。
漢方でアトピーは治らない・・・
患者さまは毎日毎晩、痒い&痛い&眠れない&イライラするので、焦る気持ちはとてもよく分かります。
よくわかるけど、富士山の一合目から走りだすと、なかなか頂上までは行けません。
統合医療の医者は、患者さまと共に病気を乗り越えて「元気&ごきげんさん」にお連れするガイドです。
せっかく神さまがくださった病気なのですから、神さまの意図(学び)を一緒に感じ取りながら、
人生の景色をながめながら
五感で幸せを感じ取りながら
笑い合って、時には手を繋いで支え合って、
病気を乗り越え、神さまのご褒美を受け取っていただきたいと願っています。
その思いを神さまはよく知ってくださっているので、
ご縁が繋がって受診してくださる患者さまには、
どんな病気であろうと自信を持って
「治ります」と言わせていただいております。