2016年7月21日木曜日

ごきげんさん 2016.7.21.

腰痛持ちの女性には、冷えと水毒と悪血が多くみられます。 更年期以降には腎虚といって、木に例えるなら根っこの部分が年老いて弱ってきます。 氣血水の流れが滞ってくるので、それまで低血圧だった人が高血圧になったり、 急に糖尿になったり、膝が変形してきたりします。 腎虚が冷えと水毒と悪血をもたらすとも言えますし、水毒や冷えが腎虚を悪化させるとも言えます。 水毒に焦点を当てて腰痛と冷え症を治す時には、苓姜朮甘湯を用います。 苓姜朮甘湯:茯苓4−6;乾姜3−4;白朮2−3(蒼朮も可);甘草2 生薬4種類のとってもシンプルな構成です。 漢方薬は生薬構成がシンプルなほど、効き味が鋭くなります。 難治性腰痛をスパッと一刀両断にしてくれる力強い漢方薬です。 効能は・・・ 体をあたため、足腰の痛みをやわらげます。 とくに腰を中心に下半身の冷えが強く、痛みをともなうときに適します。 体力のあまりない人で、尿量や排尿回数が多いことも使用目安です。 苓姜朮甘湯の構成生薬は下記の4種類です。 茯苓と白朮は、水分循環をよくして足腰の冷えによる痛みをやわらげます。 温性の乾姜も、冷痛に効果的です。これに、緩和作用をもつ甘草が加わります。 これらがいっしょに働くことで、よりよい効果を発揮します。 4種の生薬の一字ずつをとって、苓姜朮甘湯と名付けられました。 漢時代の「金匱要略」という古典書で紹介されている処方です。 適応証(体質)は、虚証(虚弱)、寒証(冷え)、湿証(水分停滞)となります。 水毒による腰痛は、若い人にもみられます。 生理痛や生理不順、不妊症では、まずは悪血に対して駆悪血剤を用いることが多いですが、 薬効がいまひとつの場合は、水毒から治していくのも一手です。 ロキソニンなどの消炎鎮痛剤をいくら飲んでも効かない時、 (水毒の腰痛の場合は、余計に「冷えて」痛みが悪化することもあります) この苓姜朮甘湯を服用してみるのもいいですよ。