2016年7月29日金曜日

ごきげんさん 2016.7.29.

「これだけ遺伝子医学や抗加齢医学が発達したのだから、もう不老不死も可能じゃないのですか?」と診察後の雑談の話題になりました。 熊野の徐福伝説を思い出しますね。 抗加齢医学会総会で聴いた話では、人間の寿命遺伝子的には最長180歳だけど、10年、20年後には遺伝子医学などによって300歳へ、最終的には500歳まで延びるだろう(800歳という説も)、とのことです。 200歳・・・身体の元気さも大切ですが、それ以上に教養とマナー&気配り、チャレンジ精神、こころの柔らかさと広さがなければ、歳を持て余してしまうでしょう。 不老不死。 漢方的には、老化は腎虚に出ます。 加齢が自然と腎虚となることもあるし、過労心労が巡り巡って腎虚にたどり着くこともあります。 過食、冷え、悪血、水毒が老化を早め悪化させることは、すでに明らかにされています。 小食療法にすると、サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)がオンになります。 適切な漢方薬で老化物質を排泄し、定期的な鍼灸で老化エネルギーを除去すると、氣血水が美しく流れ続けます。 アーユルヴェーダ的な早寝早起きの規則正しい生活や瞑想(マインドフルネス)も取り入れましょう。 西洋医学的には・・・成長ホルモン療法があります。 1990年代のアメリカでの治験レポートによれば、70代80代の老人が20歳ほど、見た目も血液検査の結果も若返えりました。 半年間の成長ホルモン治療が終わる時、治験者の皆さんは涙ながらに治療の続行を懇願されたそうですから、効いてる!実感がとても強かったと推察されます。 成長ホルモン治療は、アメリカではすでに抗加齢医学や美容医学の世界では普通に行われており、その効果だけでなく、注意点や危険性も明らかになっています。 今の成長ホルモンは遺伝子工学で作られています。 そのパテント:特許はすべてアメリカの製薬会社が持っているため、日本の成長ホルモン製剤はアメリカの3倍の値段になっています。 注意点・危険性としては「若返る=癌があれば癌も若返る=超進行性の癌に変身する」が最も懸念されます。 抗加齢医学は自己責任の世界です。 未来の恩恵も責任も自分がすべて負える人にだけ、門戸が開かれています。 自己責任を負うには、それなりのメンタル力と常識力が要ります。 癌があるかどうか? はあくまでも自己責任です。 年に2〜3回も全身の癌検診を受けられる心配性の方もおられますし、2〜3年に1回の癌検診で大丈夫、という楽観的な方もおられます。 どちらでもOK なぜなら自己責任だから な自立した大人の医療世界です。 ・ほうれい線などの顔のシワがうすくなります。 ・白髪が減ります。 ・骨密度が増えます。少しだけ身長が伸びるという話もあります(椎間板の若返り) ・筋肉が増えます(皮下脂肪が減るという話もあります)。 ・動脈硬化が改善します。 ・もの忘れが改善します。 ・やる気やチャレンジ精神が回復してきます。 ・男性は・・ムフフとなり、女性も・・・ムフフとなるそうです。 まとめて言えば、「若返る」ということです。 ちなみに舌下する成長ホルモン様サプリが販売されていますが・・・お薦めは致しません。 というわけで・・・今、考えられる不老不死の治療は、 1)漢方&鍼灸 2)小食療法&アーユルヴェーダ的生活の導入 3)成長ホルモン療法 そう、人間の業による最大の副作用は・・・ずっと続けたくなることです。 老いの恐怖。 老いを醜い、不幸、汚らわしいと目を背け、避けている限り、老いの恐怖は追いかけてきます。 老いから逃げ続けるために、不老不死療法を続けます。 老いを受け入れることは敗北ではありません。 天地自然を受け入れ、宇宙の理に身を任せる・・・自由になることです。 老いを受け入れることができなければ、やがて死を呼び寄せることになるでしょう。 死を迎えることは、またしても輪廻転生の渦に飲み込まれることです。 老いを受け入れると自由を得ます。解脱です。 人生200歳となった時に、私たちは老いの神意に気づくのかもしれませんね。