2014年12月15日月曜日

おはようさん 2014.12.15.

今日はこの秋に見つかった癌と闘病中の患者さんが大学病院から帰宅していると聞いて、お見舞いしてきました。 ずっと滅私奉公な人生を歩んでこられた方で、前々から「このままだと倒れるよ」と言い続けていたけど、やっぱりずっとがんばり続けておられました。 かなりしんどいはずなのに、6年間、がんばってきたお稽古の最終試験があるからと、外泊許可を得て、車イスに乗って東京まで出かけてきたそうです。 さぞかし疲弊してるだろうと思ってましたが、とてもお元気なお顔を見て、思わず泣けてきました。 試験で東京まで行く それをやり遂げた安堵感もさることながら、それができた自信と、家族みんなが支えてくれた安心感と感謝が癌の進行を止めているように思いました。 病は気から 病気にも負けないという勇気・安心感・感謝 そして大丈夫だ、守られているという自信が得られるとこんなにも変わるものなのですね。 滅私奉公な人生から、自分のために生きる人生へと大きく舵取りできたので、本当にもう大丈夫だと思います。 蓮風先生の鍼治療にも通っていただいていて、「今日は鍼の帰りに学園前のお洒落なスパゲッティ屋さんで美味しいスパゲッティをいただいてきたのよ」と笑顔で話されていました。 その目の輝きはまるで女学生のようにキラキラしていて・・・はい、そんな人は癌なんかになりませんからね。 あきらかにこれは神さまのミスマッチだから、大丈夫なのです。 大学病院から退院してきたら、ぜひ在宅で診て欲しいと懇願されて・・・合法的なCOOLな手を思いつきました。 関西医大脳外科時代の同級生が守口駅前で開業していて、今回の火事騒動で、うちの患者さんも何人かそのクリニックで診てもらっています。 そこの非常勤にしていただければ、在宅往診もできますよね。 これに気づいて、私もホッと一息です。 御免天下の素浪人もなかなか気を遣うものなんですよ(;^^)ヘ.. レセコン代替機も今日、引き上げていただきました。 火災保険申請のため、レセコンの修理不能証明をいただかなくてならないのですが、見ただけで濡れ濡れなのだから即決!でわかるものなのに、レセコン屋さんは富士通などのメーカーに点検を出してしまって、その点検代10万円を請求されました。 「火災保険から(点検代)出るからいいでしょう」だって・・・ あのねぇ、総額から差し引かれるんだから、結局、私が損するんだよ! ただ、レセコン代替機も借りたし、レセのデーターも残っていたので、その分と思えば仕方ないか・・・と弱気な私。 でも「この若いの! 大阪商売でけへんのか! そういうのは東京商売って言うんだぜ! 二度とあんたのところのレセコンは使わへんわ!」とも思ってました。 その後、私が歯医者さんへ行って留守中に、その若いのがまたやってきたそうで、スタッフたちから散々に説教されたそうです。 で、10万円はチャラに\(^o^)/ 恐るべし 否 偉大なる大阪のおばちゃんパワー!! 善きスタッフたちをもって最幸ですわ(*⌒▽⌒*) それにしても最近は「損して得取れ」な大阪商売できる人が減りましたねぇ。 きっと そのへんの「気」が通じるお客も少なくなってしまったからでしょうね。 大阪人は値切ってナンボなもんやけど、 今日もわかいのを見て、一瞬で「こりゃぁ通じへんわぁ」と見抜いてしまった投げやりな弱気だったのでしょう。 30年前の日本橋電器屋筋での値切り歩きを懐かしく思い出している静かな夜です。 前世物語  しかし聞こえてきたのはソウタの苦しげな声でした。 「胸が・・・身体が痛い・・・死にたかった・・・けど死ねなかった」  彼は身体をよじりながら答えました。 「なぜそんなに死にたかったのですか?」 「罪の意識です」 「助かってから、あなたはどうしましたか?」 「歩いています・・・放浪の旅です。巡礼の旅です。行くあてのない旅の途中で小さな祠に祈り続けています。大きな罪を背負しょってしまった私には路傍のお地蔵さんしか微笑んでくれません。私は人目を避けるようにして祈り続けました。ミチのことを思い続けながら、ミチの幸せを祈りながら、全国を歩きまわりました。自分には祈ることしか出来ないと・・・」 「ソウタさんの人生で死ぬ場面に移ってください。いくつになって、何をしていますか?」  彼は暗く隠こもった声で答えました。 「五十三歳です。暗く湿った小屋の中に独りで寝ています。内臓のどこかが悪いようです。痩せ衰えているのに腹だけが異常に飛び出しています。息が生臭い・・・」 「今、何を考えていますか?」 「せっかく仏さまに生かされた命でしたが、人々にあまり奉仕しませんでした。もっと別のやり方があったような気がして後悔しています。ただ歩きまわればいい、祈ればいい、というものではなかったのです。心から何か人々のために行動しなくてはいけなかったのです。動けなくなって、やっと気づきました。でも、もう遅すぎます。もうやり直せません。私は地獄へ落ちていきます。それが報いです」  彼は自分を吐き捨てるように言いました。 「あれからミチさんと会いましたか?」 「もう会ってません。死にかけてから一度だけ、お別れを告げに会いに行きました。でも辛いだけでした。会わなきゃよかった・・・。ミチは元気でした。今もどこかで生きています。私は本当にダメな兄でした。生まれて来なければよかったんです。ミチに悪いことばかりしました。もう早く死んでしまいたいんです」 「ミチさんに言い残すことはありますか?」 「お互いに苦労ばかりの人生だったけど、ミチは本当に良い人だったなぁ」 「ミチさんはあなたを許してくれたと思いますか?」 「たぶん・・・でも、わかりません」  彼の声がかすれて消えました。 「ソウタさんの死ぬ場面を通り越しましょう。魂が身体を離れて宙に浮いたら教えてください」  彼女が微かに頷きました。先生は続けました。 「下にソウタさんの死体が見えますか? 自分の死体を見て、どう思いますか?」 「身体中ボロボロです。ここまでよく頑張ったなぁ・・・」 「宙に浮いた時、何か決心したことはありますか?」 「これで仏の道に進めるんだ、本当に行けるんだ」  ソウタは嬉しそうに答えました。 「あなたを迎えに来た存在をまわりに感じませんか?」 「何かいます」 彼は右上を見つめました。 「何が見えますか?」 「丸い光です」 「その光はあなたに何と言っていますか?」 「おかえりなさい。よく頑張りましたね」  彼は安堵の溜息をつきました。先生は彼の魂を高みへと導きました。