2014年11月14日金曜日

おはようさん 2014.11.13.

ほとんど毎朝、夢分流打鍼と古代鍼を受け続けてくれている腎臓癌の全身転移の患者さんがおられます。 大学病院でダメ出しされたのは、もう2年前。 ずっとお元気なので、いつしか癌だったことも忘れちゃってました。 久しぶりに肺のレントゲンを撮ると、元々肺にあったいくつかの転移巣が何となく大きくなっていました。でも、どの転移巣もまん丸で、癌特有の周囲に伸びた触手のような浸潤像はまったくありませんでした。どの病巣もまるで嚢胞化されちゃったみたいで・・・これは内部壊死していく善きパターンだねって自信を持ってお話できました。 普通にお仕事されて、日々の生活をされていて、どこにも痛みなし。QOL100点満点です。 この方の良き点は、とっても素直なところです。 素直過ぎて、すぐに落ち込んだり凹んだりしますが、それは日々の言葉がけで上手にやり過ごせています。 素直&素直 光さんもよく「素直になりなさい」と諭されますが、やっぱり健康と笑顔には素直が大切です。 素直な人には鍼が良く効きます。 酷い肝鬱気滞や悪血でも、素直な人は鍼で氣が「素直に」動いてくれます。 素直の反対はな~んだ? 頑固ですね。 私の診た癌患者さんたちを想い出してみると・・・頑固な人ばかり・・・かも。 はい 中には「なんでこの人が・・・素直でとってもいい人なのに」な方もおられました。 こういう仏さまのような方の癌は突然、見つかり、急速に悪化して、苦しまずに天に還られるような気がしています。 そう、ごくろうさま!で天に召された方が、何かを残すために・誰かの役に立つために最後に癌を選んだような気がするのです。 反面、頑固な癌患者さんは癌との闘いが続きます。 一進一退 良くなって、しばらくして再発して、また治療で良くなっての繰り返し・・・ 頑固な癌患者さんへ光さんはきっと「もっと素直になりなさい!」と叫ぶでしょう。 頑固だから癌になる 癌になったからもっと頑固になる この悪循環に陥ると、癌にゆっくりと絞め殺されてしまいます。 でも、脳卒中や心筋梗塞の突然死じゃなくって、癌になったということは、神さまはまだ「素直になる」ことができるぞって思っている証拠です。 どんなに頑固でも、癌になったら生き方も考え方もガラリ!と変えてしまって、自分のこころの「やりたいこと」の声と身体が悦ぶ「楽しいこと」を素直にやり始めれば、癌は消えないにしても、ほとんど悪化せず、新しい人生を思いっきりエンジョイできるんだよって思っています。 そんな思いを頑固な癌患者さんたちにお話をしていますが・・・やっぱり・・・頑固で馬耳東風なわけです。 頑固って難しいですねぇ。 前世物語 美子レポート    父を許せない!  昔々、北京の町外れに、ヨンという貧しい少年がいました。ヨンは肥え汲みをしています。  彼の妹は病気です。妹は土を固めた土間に丸まって寝ていました。母が看病しています。 「妹を助けたい」  ヨンは重い天秤棒を担ぎながら祈りました。藁わらの帯が体にくい込みます。  美しい石畳の町に、綴織りの長い豪華な着物を着た父がいます。「今の父」です。父は役人です。父はヨンたち家族を嫌っていました。  ヨンは心の中で叫びます。 「妹を助けてください・・・」  でも父は助けてはくれません。  ヨンは子供の頃を思いだしました。家族みんな、奇麗な着物を着ています。みんな幸せそうに笑っています。しかしヨンは知っていました。これからどうなるのかを・・・。父にもわかっていました。自分だけ良い地位について、家族はみんな不幸になることを。  六歳のヨンは、父が自分たちを捨てようとしていることは間違いだ、と思っていました。そしてある時、父に言いました。 「家族を捨てないでください」  父は冷たい目でヨンを見ました。そして幸せな家族を町外れへと追いやりました。父は家族を捨てて自分の地位を守りました。 「お父さんと一緒じゃなくってもいいよ。お母さんも妹もいるから。愛情のあるほうが幸せだから・・・」  ヨンはそう思いました。  妹が病気になるまで、三人は幸せでした。  ある時、肥えまみれになったヨンは、きれいな町にいる父を遠くに見つけました。彼は叫びました。 「何も恨んではいません。あなたは町にいるけれども、私たちは町へ行きたいとは思いません」  ヨンが十三歳の時、妹が死にました。彼は泣き続けました。 「お前に何もしてやれなかった・・・」  そして決心します。 「父に復讐してやる! 妹は助かったのに・・・。これからは一人で生きていくけれど、いつか父にこの気持ちをわからせてやるんだ。お金よりも妹が大切だということを・・・」  十五歳のヨンは森にいました。ただ生き延びるだけの毎日です。 「妹はちゃんと天国に行ったかなぁ・・・」  彼は木の根っこにしゃがみこんで呟きました。  ある日、槍を持った蛮族がヨンを追ってきました。彼は逃げません。 「もういい、もういい、もういいんだ」  槍がヨンの胸と腹を突き抜けます。  ヨンに苦しみはありません。彼の魂が身体を離れました。「今の死んだ母」が迎えに来てくれました。