2014年10月29日水曜日

おはようさん 2014.10.28.

この前の日曜日に、ずっと肝臓癌をわずらっていた実母が静かに永眠しました。 享年83才。 夫(実父)が仕事をリタイアしてからの15年あまりの間、暴力こそなかったけど、毎日、凄まじい言葉のいじめを受け続けたことが肝臓癌の元凶だと思います。 晩年の5年ほどは、ほとんど自宅で寝たり起きたりの日々でした。 それでも夫からの言葉の暴力は続いていました。 ちょうど1年前、その夫が突然死し、お葬式の場でも涙を流さず、淡々と見送っていたのが印象的でした。 肝臓癌の元凶が消え去って、これで元気になるのか? それとも・・・? と在宅往診をしながら見守っていました。 これまでもたくさんの同じケースを診てきました。 そして、ものすごく元気になって、自分の余生を楽しむ人たちと、 あれよあれよという間に、あれだけ嫌いだった・憎んでいた・恐れていた伴侶のあとを追いかけるように亡くなってしまう人たちとがいること・・・ その違いは、 依存関係が消えるか、残るか、だということに気づきました。 病気の元凶がなくなったのに、なぜ依存関係が残るの? それは名だたる心理学者さんたちが難しく解説してくれているのでお任せしときましょう。 ただ、私が思うところは・・・こころの中に染みついた 憎しみ・恐怖・怒り・悲しみ は、笑顔にならない限り手放せないということです。 どうしたら笑顔になれるか? うずくまって、下を向いていた、目を閉じていた、耳を塞いでいた、息を殺していた・・・もうそんな必要はないんだと、自分のこころと身体に宣言して、立ち上がり、上を向いて、目も耳も開いて、大きく深呼吸しながら、自分の道を歩み始めれば、すぐに笑顔になれます。 亡き母のこの一年を振り返ってみて・・・笑顔が戻っていれば、きっと癌も悪さをしなかっただろうなぁと悔やまれます。 明日はお通夜、明後日が告別式。 私は感謝の笑顔で母を見送ってあげようと思っています。  合掌 前世物語 「高く高く上がった所からラドーさんの人生を見て、何か気がつくことはありませんか?」 「一生懸命尽くしてきたのはいいけれど、自分のプライベートをいつも切り捨ててきたことは果たしてどうだったのだろう、という虚しさがあります」 「もっともっと高く高く上がります。高く上がった所からラドーさんの人生と、今のあなたの人生を見比べてみて、何か気がつくことはありますか?」 「立場とか、責任とか、それらを最優先して一生懸命生きてるのは今も同じです」  先生は更に上へと導きました。 「そこから上はどうなっていますか?」 「ただ光っています。光がホワッと見えます」 「その光の中に入りましょう。光の中はどんな感じですか?」 「ホッとしたと言うか、ただいま、っという感じです」 「その中に誰かいませんか?」 「白っぽい人みたいな姿が大きくひとつと、その後ろには何人かいるようです」 「その大きい白い人に聞いてください、今回の私の人生の目的は何ですか?」 「にやっと笑って、Joy, Enjoy. と言ってます」 「それはどういう意味ですか? もっとわかりやすく教えてください」 「笑ってろ、って言うか、笑い飛ばしています。深刻にならないで、もっと自分の気持ちのままにエンジョイする勇気が大切なのです。そのためにはもっと自分を愛して信頼しなさい。そうすれば自分の楽しみのために一歩踏み出すことに罪悪感を持たなくて済みますから。すぐにお前はねじり鉢巻きになるから、後になって溜め息をつくことが多いんじゃないのかな。そんなに一生懸命にならなくても大丈夫だよ、と言われました」 「私の人生はここまで順調ですか?」 「爆笑しています。後ろの人たちもくすくす笑っています。私はそこまで笑わなくてもいいのに、ってちょっとひねくれた気分です。私のすねた態度が更にウケを増している状態です。最初はムカついていましたが、今は一緒になって笑っています。何だかすごい説得力です」  彼女も一緒になって笑っています。 「ヒロ君との関係は何ですか?」 「みんな笑いながら、答えは知ってるくせに、って言われました。お前が思っている通りなのに、わざわざ何でそんなことを聞くんだ、って聞き返されました」 「一往いちおう、聞きたいんですよ」 「そう頼んだら、それがお前の悪いところだ、って言われました。これでもか、これでもか、って誰かのハンコが欲しいのか、と言っています。そんなのだから大切な喜びとか楽しいことよりも違うことを選んで、死んでから又やっちゃった、って指をくわえてるんだ。いいじゃないか、お前が思っている通りなんだから。それで十分じゃないか」  先生も耳が痛そうにしています。私はすまし顔で先生にウインクしました。 「私は今まで何回生まれ変わりましたか?」 「百十六回です」 「その中、ヒロ君とは何回一緒の人生を歩みましたか?」 「八十二回です」