2014年10月26日日曜日
おはようさん 2014.10.26.
今日は東洋医学会関西支部例会に参加してきました。
漢方医ばかりが集まる学会ですが、今回は鍼灸&経絡治療が大きくクローズアップされていました。
漢方医のための「初めての鍼灸」実地講習とか、経穴診断をどのように漢方処方に役立てていくのかとか、腹診の仕方だとか・・・ほらね! 時代が私を追いかけてきたよ!ってちょっと鼻高々で(;^^)ヘ..
鍼灸を始める前までは、こういう漢方学会での症例報告を聞きながら、なるほどねぇ・・・で納得して終わってましたが、今日は「その処方をして効いたのは良いけど、全然、弁証できてへんやん! なんで効いたんやの?」とひとりツッコミしてました。
これが弁証グセの暗黒面なんだ、とメディカルユーコンさんとお話していて気づきました。
確かに弁証は大切です。
でも、弁証は左脳的な思考です。
弁証するための体表観察:望診・脈診・舌診・腹診・背候診などは手の力&目の力によります。そう、とても右脳的な感じ取りです。
この右脳的な感じ取りと左脳的な弁証のバランスがとれていないと、鍼灸の最高の力は発揮できません。
それは漢方処方でも同じです。
今日の発表を聞いていても、一流の漢方医の先生方、とても流行っている漢方クリニックでも、こんなレベルの体表観察&弁証なの?? と思ったところがいくつもありましたが、それはそれで左脳的弁証と右脳的感じ取りのバランスは取れているわけです。
だから、とりあえず治っちゃう。
左脳的弁証をどんどん積み上げていっても、右脳的感じ取りが弱ければ、結局、鍼灸も漢方もはずれて病気は治りません。
それじゃぁダメですよね。
鍼灸と漢方の統合治療・・・これは漢方医しかできない使命です。
これからの漢方医は鍼灸も刺絡も漢方も上手く使いこなさなくちゃいけないなぁ。
だって、それができるのは漢方医だけなんだから。
薬師如来さんに背中をグイッと推されているような気がします。
さぁ、明日から新たな意気込みを持って、がんばりましょう!
前世物語
先生はここで場面転換をしました。
「では、ラドーさんの人生で一番幸せな場面に移ってください」
「健康な十七才になったので名前をもらって喜んでいます。それは鷲の名前です。ここは・・・大きな村です。平和で安定した集落です」
「その場所はどこにありますか?」
「アリゾナです」
「あなたの部族の名前は?」
「平和と何とかの民と言います。ユニ何とか・・・」
「あなたのいる年代は?」
「1326年です」
「結婚していますか?」
「結婚していませんが彼女はいます」
「その平和な村の人の中に、今のあなたが知っている人はいませんか?」
「母が今の母です。じいさんが母の姉です。父はかわいい従姉妹になっています。私が好きな娘がヒロ君かな・・・」
「あなたが好きな娘はどんな娘ですか?」
ラドーは少し照れ臭そうに答えました。
「黒い髪をきれいに編んでいます。目は深い紫です。名前はアニューイと言います。彼女も私を好いてくれています。私も鷲の名前をもらって、とても自信に満ちています」
ヒロ君がその娘かどうか、まだ確証が持てません。先生はヒロ君を探しに行きました。
「ラドーさんの人生で、ヒロ君と初めて出会った場面に移ってください。あなたはいくつになって、何をしていますか?」
「二十一才です。普段の仕事以外に、風と話をしたり大地と話をする役割をしています。私は誇りを持ってやっています。さっき慰めてくれていた友人は薬の担当をしています」
「ヒロ君とはどこで出会ったの?」
「十六才の弟分がヒロ君です。同じ仕事をしています。名前はピーと言います。茶色の髪に茶色の目をしています」
先生はこのワークの主題へと進めました。
「ラドーさんの人生で、ヒロ君との関係が最もよくわかる場面に移ってください」
「三十一才です。彼は若頭になっています。非常にうまくいっていました。だけど別の種族が来て、思いがけない展開となって・・・私はそれが読めませんでした。でも彼らは村を壊すとか、殺すような目的で来たのではありませんでした。私たちのような能力を持っている者を連れ去っただけなのです」
「誰が行きましたか?」
「あいつが行くと言って、自分から行ってしまいました。私は何も出来ませんでした」
「なぜ彼が行ったのですか?」
「村を守るために、私の身替わりになったのです」
「彼は別れ際に何か言いましたか?」
「何も言わなかったけど、じっと私を見つめました。私は深いつながりを感じたまま彼を見送りました」
「その後、あなたはどんな気持ちでしたか?」
「守ってやれなかった。どうしてもやれなかった。そんな無力感で・・・。幸せになってくれ」
彼女の涙が止まりません。先生は場面を進めました。
「ラドーさんの人生で、次ぎに大切な場面に移ってください」
「五十才位になっています。肝臓が悪くて体調が良くないけれど、若い子たちに同じ様なことを教えています。とてもしんどい・・・。もう長くはないと思っています」
彼女も苦しそうにしています。先生が尋ねました。
「何が起こったの?」
「血を吐きました。変な色の血をいっぱい吐いています。でも薬は要らない、と言いました。教え子たちが枕もとにいてくれています。その中に甥も見えます。・・・となりの明子ちゃん、小学校の頃の友人も見えます」
「その子たちに何か言い残していますか?」
ラドーのどっしりと落ち着いた声が彼女の口から聞こえてきました。
「大地の声を聞け。風は歌うから、共に口ずさめば、それが知恵の調べになるだ・・・」
同時に彼女の左脳が答えました。
「自分の技術を最後まで一生懸命教えています。・・・ここには女が全然出てきません」
先生は左脳を静めながら場面を進めました。