2014年10月2日木曜日

おはようさん 2014.10.1.

今夜は能楽大連吟「高砂」のお稽古初日に、夕診終えてから一路京都へバイクで駆けつけました。 私は今年で大連吟3年目。 講師の先生方の個性あふれるご指導に何度もハッとしながら、思いました。 1年目は、私の中では高嶺の花・・・興味はあるけど、あまりに敷居が高すぎて手も足も出ない・・・そんな感じだった能楽の謡いに参加できたことに(それもとってもお安く!!)、もううれしくて&うれしくてたまらなかったのを覚えています。 何百回も教材の高砂CDを聴いて、ともかく耳覚えしよう!と意気込んでいたのがとても懐かしいです。 2年目の去年は、謡いを月二回で深野師匠に習い始めていたので、ちょっと余裕の感・・・怖いもの知らずでした。 教材の高砂CDを聴いて、去年とはここが違うな・・・なんて、よくゴルフで中級者が 初心者に教えたがるでしょう? あんな感じのお子ちゃまな優越感に浸っていました。あな 恥ずかしやぁぁ(^^ゞ そして3年目の今年。 実はまだ今年の教材「高砂CD」を聴いていません。 もうすぐ深野師匠社中の秋の発表会があり、私は「経正」の謡いのシテ謡いをさせていただくので、練習はもっぱらそちらへ集中しているせいもありますが、大連吟の高砂パートは「経正」が終わってからでも十分だから・・・なんて、相変わらずのお子ちゃま余裕のせいでしょうね。 今夜、全体稽古初日に参加してみて、怖いもの知らずが怖いものを見てしまい、能楽の、伝統芸能の深遠さを思い知らされました。 私は去年のお稽古から正式な謡本「高砂」で地謡パートを謡っています。 今日、久しぶりにその「高砂」本を読みながら謡ってみると・・・この一年の稽古の成果が如実に感じ取れました。 そう、去年の数倍、謡い本が読めて謡えていたのです。 音楽をやる方ならわかると思いますが、楽譜がスッと苦も無く読める・・あの爽快感です。 だからこそ、怖いものが見えてきたのでした。 高砂はお稽古レベルではかなり高度な謡いです。 とても難しい節回しがいくつも重なり合いながら出てきます。 それを師匠たちは素人でも謡えるように、簡単に&わかりやすく表現しなおしてテキストにしてくださっています。 今夜のお稽古でも、そんな難所を肝心な要所ははずさずに、初めての方々でも(もちろん謡いの知識ゼロでも)何とか謡えるようにとても上手に指導されていました。 怖いものを見た・・・それは書の達人が幼い子供たちの手習いをしてあげているようでもあり・・・そう、その道のプロだから持てる余裕と優しさを見たのです。 大連吟「高砂」 毎年、同じ地謡パートですので、あきるかな? と思っていましたが、いえいえ! 毎年秋に同じ曲を練習し直すことの素晴らしさに気づいた今夜の練習初日でした。 いちにちのお仕事で疲れていたけど、がんばって行った甲斐がありましたよ(*^^)v 前世物語 「美子さん、今日ね、これからバイク屋さんに行くんだけど、一緒に行かない?」  今朝、私が顔を洗っていると私のニンフたちがやって来て、今日はジーンズをはいていけ、と勧めたのです。昨夜買ってきた黄色のバラたちもパウダールームの中で元気な声で笑っています。私はとっておきの日のために買っておいたトラサルディをはいてみました。鏡に映った私がとても生き生きしています。私は鏡の中の彼女に思わず話しかけてしまいました。 「何か良いこと、あったの?」  先生が予備のヘルメットを貸してくれました。さすがにブカブカです。 「まぁ、すぐそこまでだから辛抱してね。さぁ、乗った、乗った」  先生のバイクに乗せてもらうのはこれが初めてでした。いえ、私が初めてのはずです。お互い緊張で身体がガチガチになるはず・・・でしたが、二人とも意外とリラックスしています。私は先生を優しく抱きかかえるように大きな腰骨につかまっていました。 「息がピッタリだわ。この感じ・・・なんだか懐かしいけどなぁ、何だっけ?」  そんなことを考えているうちに、バイク屋さんに着いてしまいました。 「はい、これ、美子さんのヘルメット。サイズは大丈夫かな? タンデム用のヘルメットだからジェットタイプにしたんだ。何と言っても夏はこっちの方が快適だからね」  先生はそう言いながらブルー・ホワイトにペインティングされたヘルメットを差し出しました。ヤマハのマークが兜の紋章のように見えます。サイドにはネームまで入っています。 「Y O S H I K O . ___ A +」 「先生、ありがとう! 素敵なヘルメットだわ。ブルーがとってもきれい。ねぇ、先生も買ったんでしょう、見せて!」  先生は当然、色違いのお揃いにしているはずだわ、だって・・・あの先生だもん・・・ホラ、やっぱりね。  先生のヘルメットは黄色でした。車体が黄色だから・・・とは言っていますが、実はタンデムしたら私のブルーが一番引き立つように、と考えているんです、そういう先生なんですよ。そう、ネームは・・・ 「T E R U M I . O K . A + 」  やっぱり、です。先生と一緒だと、「この歳になって・・・」という口癖がはるか未来へと消え去っていきます。心も身体もどんどん若返っていくような気がします。いえ、実際に身体が若返ってきています。肌も爪も光沢が戻ってきました。髪だって黒くツヤツヤしてきました。