2014年10月18日土曜日

おはようさん 2014.10.17.

昨日の藤本漢祥院での鍼研修&鍼治療で、久しぶりに大八木先生とご一緒できました。 大八木先生は打鍼のあんなこと&こんなことをいろいろ教えて下さる、私の打鍼の先生でもあります。 昨日は打鍼の最新情報をたくさんご伝授下さいました。 その中で・・・風邪のノドのイガイガ感、ノドの詰まり感も打鍼で治る! 大八木先生の打鍼理論は、経絡経筋はもちろんのこと、解剖学、特に筋学に見事に合致しています。 多分、大八木先生が医学部の解剖学講義をやれば、学生達は居眠りせずに目を輝かせて聞くことでしょう。 もちろん、整形外科のドクターたちも気づいていないこと、知らないことばかりです。 さて・・・風邪のノドのイガイガ虫がとれるのかぁ・・・でもなぁ、風邪の初診の患者さんに、いきなり さぁ、ベッドに寝て! のどの筋肉を緩めますからね! と言ったら・・・ムリや! ムリ! これは使えないわぁ・・・と断念してしまった私でしたが。。。 今日の外来で・・・いつもの患者さんが「風邪ひいて、ノドがイガイガします」と! OH! MY GOD! 早速、神さまが連れてきてくれはりましたやん! もちろん、毎日、打鍼をしている患者さん(癌の多発転移・・・やったけど、今では癌はどこにあるの? に回復してしまいました)ですから、ノドへの打鍼もOKです。 昨日、大八木先生の教わった通りに触診してみると・・・あるある! なるほど舌筋群に湿痰悪血がありまんがな! それを軽~~くトントン トントンしてあげると・・・見事にノドのイガイガは消えてしまいました。 この患者さんがあまりに良くなったので、待合で知り合いの患者さんたちに「ノドのイガイガがなくなった!」と口コミしてくれて・・・それから数人の患者さんたちにもノドの打鍼を施術させていただきました。 神さまはホンマに厳しいけど、優しいですね。感謝&感謝です。 最後の仕上げは夕診で、1ヶ月前から診ている原因不明の動揺感と唾液過多の患者さんでした。 刺絡・鍼&漢方薬で少しずつ良くはなってきていますが、まだまだ日常生活に支障があります。 頸部の筋肉群を詳細に診ていくと、至る所に強い悪血がありました。 なるほど・・・下顎骨内面から頸部、鎖骨胸骨上縁に至るまで悪血&冷えが強かったのかぁ。 その小さな悪血をひとつひとつ打鍼して緩めていくと・・・次第に頸部全体が温かくなってきました。 血行改善 とくに静脈系の滞りが改善したのです。 漢方処方も上半身の駆悪血と祛湿の方剤へ変法しました。 とりえず合格かな?(;^^)ヘ.. 他にも肩が上がらない、腕が動かない、首が回らない・・・の患者さんへの打鍼の最新知見を教えていただきました。 これらはすでに当院の 打鍼でもやっていることでしたので、新しい工夫と解剖学的理論は現場の臨場感を持って受け答えすることができました。 いやぁ こういうディスカッションは楽しいですよ。 P.S. 夕診の患者さんのノドを打鍼しながら・・・舌癒着症の諸症状もこの打鍼で治るんじゃないのかしら? と思いました。 切らずに治れば、その方が良いに決まってますからね。 舌癒着症も悪血が悪さをしているんだから・・・うん、かなり期待できそうやん! これは今日がんばったことへの神さまからのプレゼントかしら?  前世物語 美子レポート     結婚  昔々、ある砂漠の国に、黒い目をした女の人がいました。夕方になると、いつも夕日のきれいなここへやって来ました。そしてラクダに乗ったまま、一人で泣いていました。アーリーと言います。思い出の涙が黒いチャドルを濡らしました。  アーリーは楽しかった頃を思い出しました。それは二十五歳の時でした。焦げ茶色の髪に茶色の目が美しい恋人と静かに夕日を見ています。スラノと言います。嬉しくて、楽しいひと時です。 「一緒に暮らそうね」  彼は言いました。 「早く一緒に暮らしたいね」  アーリーは答えました。 「一日も早く、一緒に暮らせるようにがんばろうね」  二人は約束しました。  三十四歳の結婚式の前日です。アーリーは二人が暮らす家の片づけをしています。スラノは「明日、一緒に行くからね」と言って、仕事に行きました。彼女は嬉しくてウキウキしています。  翌日、町のイスラム教会での結婚式です。アーリーは自宅で待っています。彼と待ち合わせして、一緒に教会へ行くのです。でも、スラノはなかなかやって来ません。母の黒い目が心配そうです。父は言いました。 「あいつは行動に移さないから信用出来ないヤツだ」  アーリーは、「何か事件にでも巻き込まれたのではないかなぁ・・・」と気がきではありません。結婚式に集まってくれた友人たちが二つ離れた町のスラノの家まで見に行ってくれました。でも、誰もいませんでした。  結婚式は中止になりました。アーリーは悲しみながらも思いました。 「あぁ、やっぱりだわ・・・」  彼女は心の奥では、「何だか信用出来ないなぁ・・・」と思っていたのでした。  悲しみがアーリーを包み込みます。彼女は二十八歳に戻っていました。お腹にはスラノの赤ちゃんが宿っています。 「おろしてくれ。子供は結婚してから作ろう」  彼は言いました。 「私のことを愛してないんだわ」  彼女は思いました。  アーリーは彼と一緒に遠い医者の所へ行きました。 「もう、子供はいらないわ」  彼女は決心しました。 「また、子供を作ろうね」  スラノは言いました。 「本当にそんなこと、思っているのかしら」  彼女は思いました。  時が過ぎて、アーリーは六十五歳になっていました。死を間近に感じています。彼女は自宅でイスに揺られながら人生を振り返りました。 「でもあの後、私は人を助ける仕事をバリバリやってきたもの・・・」  彼女は寂しさを慰めました。あれから結婚しませんでした。彼女は思いました。 「どうして結婚式の当日、彼は来てくれなかったかなぁ・・・。真相が知りたいなぁ」  そしてアーリーは穏やかに死にました。