2014年2月4日火曜日

おはようさん 2014.2.4.

医院で鍼を始めて8ヶ月が過ぎました。 当初は上半身とお腹への鍼が多かったのですが、秋が深まり寒くなってきた頃からは下半身への鍼が主になりました。 鍼の効果も夏に比べると、目に見える効果は減ってきています。 何となく冷えがましになった、ふらつきがましになった、血圧が安定した・・・等々。 神経症や自律神経失調症、パーソナリティ障害などの方々の中には「もう半年もしてるのに治らない」と言われる方もおられます。 でもね、明らかに良くなってきてますよ、あなた! 「春になったら良くなるよ」と元気づけてはいますが・・・これは本当のことです。 冬の鍼、特に下半身の鍼は、冬の畑を耕すようなものです。 固く乾いた土に寒肥を鋤き込んで、藁を敷いていく作業によく似ています。 どれだけやっても、実りは得られません。 でも、春になったら、その努力は必ず報われます。 何もしなかった畑と寒肥を鋤き込んだ畑では、春の芽吹きの勢いも、夏の緑の濃さ、実りの豊かさもどれだけ違うことでしょう・・・これが天地自然の理です。 冬の鍼を気長に続けていると、春の軽快さ、夏の充実感、秋のこころの豊穣さは数倍、数十倍になります。 冬の鍼は腎を補い養ってくれます。 腎は生命エネルギーの源です。 生きる力が弱いと、神経症も自律神経失調症も治すことはできません。 腎が頼りないと肝がイライラ怒り出します。神経症が暴れ出し、交感神経が燃え上がります。 野球の選手が冬に走り込むのは腎を養い鍛えているのです。 シーズン中にケガをしないように、真夏に息切れしてスランプに陥らないように・・・養腎が大切なのです。 この冬の時期の鍼は表だった症状の改善はみられないかもしれません(本当は鍼をしていなかったら、もっとひどいことになっていたのですが・・・) でも、春が来て、夏に入るときっと去年までの自分とは違う、別次元の新しい自分に気づけるはずです。 なぜなら、冬の間、ずっと鍼を続けてきたということは、それだけの感性を持っているという証だからです。 氣の感性に欠ける人たちは鍼が長続きしないことは、この8ヶ月間でよくわかりました。 氣の感性は、身体の中で、こころの中で、治ろう&治ろうとしています。 氣の感性のある人たちは、スピリチュアルな善のエネルギーに守られています。 治る運命にある人たち と言っても過言ではありません。 そんな想いもあって「春にはよくなるよ」と自信を持って答えています。 前世物語 美子レポート     亡くなったお母さんへ  昔々、カリフォルニアに「カーツ」という男の人がいました。妻と二人で草原の小さな家に住んでいました。ブルーの目をした妻は「リル」と言います。彼女は「今の母」です。  カーツはヤギを飼っていました。 「いっぱい働いて、今にお金持ちになるからな」  彼は破れた麦わら帽子を押さえながら、いつもヤギに語りかけていました。  ある日、リルは病気になりました。高熱で寝込んでいます。カーツはリルの手を握りながら呟きました。 「ヤギの病気がうつったんだ。早く医者に見せなくては・・・」  カーツは草原を越えて、遠くの友人の家まで走りに走りました。息を切らせながら家のドアを叩きます。老人が出てきました。彼は「今の父」です。カーツはリルの病気のことを老人に伝えました。老人はあわてて馬に飛び乗り町へと駆け出しました。  カーツは家に戻りました。一晩中、リルの手を握っていました。高熱は下がりません。やっと医者が来てくれました。でも、リルはその日の明け方に亡くなりました。  カーツは泣きました。貧乏は嫌だと泣きました。  リルとの思い出の教会でお葬式をしました。 「俺も死にたい。俺が身代わりになればよかった。リルにはもっと楽をさせてあげたかった。あの老人がもう少し早く医者を連れて来てくれていたら、リルは助かったかもしれないのに・・・」  カーツは老人に感謝していました。でも、どこかで恨めしい気持ちも感じていました。  カーツはヤギを捨てて町に出ました。刃物研ぎを始めました。  ある時、お客のべルーダと再婚しました。彼は子供が欲しかったのです。でも子供は授かりませんでした。べルーダの灰色の目がいつも笑っています。彼女の賑やかなしゃべり声がいつも家中に溢れていました。  八十一歳のカーツは一人、森の中の大きな木の幹に座っていました。若い頃からのタバコが彼の肺を蝕んでいました。 「今日も胸が苦しいなぁ。寂しいなぁ・・・」  立ち上がった時に、ひどく咳き込みました。そのまま意識が遠のきます。 「ここでは人も呼べないなぁ。このまま死ぬのかなぁ」  そして、カーツの魂は身体を離れました。