2014年2月13日木曜日
おはようさん 2014.2.13.
夏の終わり頃から毎日、鍼を受けに通院されているおじさんがおられます。
初診の症状は、自律神経失調症と軽い高次脳機能障害でした。
むつかしい症例なので蓮風先生の漢祥院を紹介したけど、うちに通い続けていただいてます。
鍼は最初からずっと湧泉&百会、星風の伝家の宝刀鍼です。
症状はもうほとんどなくなっていて、氣のアンバランスも消えてしまいました。
鍼灸に興味があるご様子で、時々、質問をくださってました(あまり上手には答えられなかったけど)。
今日、鍼をしながらのお話で「4月から森ノ宮の鍼灸学校に通うことになりました」と。
なんだかとってもうれしくなりました。
鍼で治っていただけたこともうれしいけど、鍼の素晴らしさをわかっていただけたことがうれしくて&うれしくて。
さまざまな人生経験を乗り越えられてきた方ですので、きっと良き鍼灸師になられると思います。
今日の漢祥院での研修で、初めて刺絡のアシストをさせていただきました。
刺絡を間近に見るのも初めてで。
実際にアシストさせていただくと、よくわかりました。
「やってみて、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」
やらせていただきと、とってもよくわかります。感謝&感謝です。
今日はいろいろなプチシンクロが重なって、この刺絡に結びついていたので、きっとこの体験を生かす機会がすぐにやってくるんだなって褌締め直しておきましょう。
今日の蓮風先生の鍼は「至陽」へ。
督脈の鍼はものすごく良く効きます。
肝が大いに疲れてるのがバレバレでした(アルコールじゃないよ)。
こうやって時々、肝の深いストレスを取っていただくことは肝癌の予防になるなって思いました。
週1回でも鍼をしてもらうことは、未病を治す、特に癌を予防することに大いに役立ちます。
人間ドック、PET検査は癌を見つけるのが目的です。
そうじゃなくて、癌になる素因、臓器に溜まったストレスや邪気を掃除してしまえるのが鍼の力です。
歳を取るにしたがって、日々、体中に蒔き散らかされる癌の種は増えていきます。
西洋医学の検査は、種が発芽して芽吹いた芽を摘み取っていく作業です。
鍼は、発芽の要因を取り去ってしまいます。
いくら種を蒔いても、水も光もなければ全く発芽できないのと同じですね。
ストレス&邪気を取り去ることが健康に生きるために如何に大切かということがよくわかった鍼でした。
前世物語
美子レポート
自殺
昔々、とある貧しい農村に仲の良い兄弟がいました。竜たつと良太です。
竜が十二歳の時、両親は兄弟を捨てて村を逃げ出しました。二人はおむすび一つを持って両親を探しに出かけました。夕方になりました。良太がいなくなりました。竜は慌てました。
「ずっと手をつないでいたのに、チビはチョロチョロするからこんなことになるんだ。どこへ行ったんだろう」
竜は山の中を走り回りました。息が切れます。兄は途方に暮れました。
「早くみつけなきゃ・・・」
ふと目をやると、大きな松の木の下でチビがおしっこをしていました。兄はホッと溜息をつきました。
二人はまた、手をつないで山を下りていきました。麓のお地蔵さんと並んで座って、おむすびを半分ずつ食べました。そして三人は身を寄せ合って眠りました。竜は江戸へ出ようと決めました。
数年後、竜は大工になっていました。江戸の町は賑やかです。彼は喧嘩とバクチに飲み込まれました。
大工で稼いだ金はすべて酒とバクチに注ぎ込みました。飲めば喧嘩です。毎日、同じことの繰り返しでした。弟の良太は酒に溺れた兄とケンカして出て行ってしまいました。
時が過ぎました。竜はボロボロでした。ひどい肝臓病で血を吐きます。長屋で寝込んで、もう動けませんでした。
時々、良太が見舞いに来てくれました。弟は結婚してまじめに暮らしていました。そんな弟を見ることだけが竜の喜びでした。でも、兄は口には出しませんでした。
五十二歳の時、竜は死の床にいました。
「俺はダメな人間だったなぁ。全然、弟に兄らしいことをしてやれなかった。弟は自分独りでよくがんばったなぁ」
良太がそばに来てくれています。
「兄ちゃん、死なないでくれ」
兄は答えました。
「俺はもうダメだ。ごめんな、何もしてやれなくて・・・」
「いいんだよ、二人でがんばって来たじゃないか」
良太が手を握って泣いてくれています。
竜の心が落ち着き、安らかに身体を離れました。