2013年8月9日金曜日

おはようさん 2013.8.9.

鍼をしてもらった翌朝は、とてもスッキリと起きられました! ぐっすり眠れて、身体が楽になりました! 鍼をしてる患者さんたちの声って、すごい励みになりますね。 「手当て」の医療は、患者さんとの氣のキャッチボールでもあるのです。 どっちがピッチャー、キャッチャーというわけではなく、氣の玉が行ったり来たりしてるキャッチボールです。 面白いのは、どんどん氣の玉が大きく美しくなっていくことですね。 おかげで私の掌 労宮のジンジン感も強くなってきています。まるで小宇宙の珠のようです。 蓮風先生のようにパッパッパッとはいきませんが、労宮で原穴診して鍼する穴を最終決定して、その穴を指先の氣で精妙にサーチすると、「ここに鍼してちょうだい!」なワンスポットが見えてくるようになりました。 蓮風先生は同じ百会に鍼すると言っても、百会に集まる経絡の中の今一番必要な経絡に自由自在に鍼することができます。どうするんやろう? と思いながら、日々の外来で鍼をしていて、ふと気づきました。 百会の氣の偏在を感じ取って、指先に触れるワンスポットの中に拡がる小宇宙 陰陽の躍動のアンバランスを感じ取れれば、鍼を近づけていくだけで、まるで吸い込まれるように鍼が刺さっていきます。 この感覚! 問診・体表観察の結果を弁証論治して得られた結果は、あくまで左脳的答えです。 鍼する穴はその左脳的答えに従いますが、いざ鍼を近づけていくコンマ何秒かに深い瞑想状態のような、忘我に至れば、鍼は患者さんの生きる力、美しき氣に引き寄せられるように穴に吸い込まれていくのでしょう。 邪気を取るのではなく、より美しく氣が流れるように、陰陽・気血のバランスを取ることが大切なんだなっとこころして鍼をしています。 今日は「前世物語」からひとつ、症例をご紹介しましょう。   人生の目的 昔々、ナイル川のはずれに、茶色の肌をした女の人がいました。 彼女には、明るい茶色の髪と目をした双子の男の子と女の子がいました。 彼女は毎日が平和な気持ちでした。座って縫い物をしているのが好きでした。 夫は兵士でした。がっしりとした体に槍を持っていました。 彼女は優しい夫が大好きでした。 家では子供たちとよく遊んでくれました。 平和な家庭でした。 でも、彼女はいつも思っていました。 「人殺しは嫌です。夫が殺されるかもしれないし、戦って欲しくないのです」 戦いが近くなると、夫は張り切って帰ってきました。 彼女の心配が大きく膨らんでいきました。 時が過ぎました。彼女は、砂漠の町を見下ろす丘の上にいました。 夫が戦いで殺されたのでした。 彼女の心も悲しみを通り越して、死んでいました。 深い脱力感と無気力が彼女の心を癒しました。 彼女は、今度の戦いで夫がもう帰ってこないことを知っていたのです。 彼女は思いました。 「娘が病気で死んでから、すべてがおかしくなったんだわ」   娘の突然の死が、彼女と夫の心を悲しみで閉ざしてしまったのです。 それからはエジプトの砂のような生活が続きました。 息子は、そんな家庭が嫌になり、どこかへ出て行ってしまいました。 夫の寂しさが堪え切れなくなっていきました。 ますます二人は、お互いの心を閉ざしてしまいました。   二人は別れるでもなく、淡々とした時が過ぎていきました。 そして夫はとうとう、帰るあてのない戦いに出ていったのでした。   その後、彼女は病に倒れました。 薄暗い部屋に一人で寝ています。 無気力が身体を蝕みます。 食事もせず、彼女は死を心待ちにしていました。 死の床で彼女は思いました。 「幸せな家庭が作れるはずだったのに、自分から心を閉ざしてしまったんだ」   そして彼女の魂は、痩せ衰えた身体を離れました。 「私」は彼女の魂に尋ねました。 「身体を離れた時に、何か決心したことはありますか?」 「今度は、良いお母さんになります」   「私」は、彼女の魂を高みへと導きました。 そして、そのエジプトでの人生を振り返るように促しました。 「夫が戦うことをすごく嫌がっていたはずの自分自身が、一番、命を無駄にしてしまいました。子供の死は仕方のないことでした。自分や人を攻める必要などなかったのです。なぜかあの時、自分ばかりを責めて、心を閉ざしてしまいました。それを後悔しています」   「私」は、もっと高みへと導きました。そして、エジプトでの人生と、今、生きている人生を見比べてもらいました。 「自分を責め過ぎています。仕方のないことは、仕方のないことなのです。自分が思ってるほど、まわりは責めていないし、共に悲しんだりすればいいだけのことであって、自分ひとりが苦しむ必要はありません」   「私」は、さらに高みへと導きます。 穏やかな、明るい光の中へと入っていきました。 そして、その光の中心へ向かって尋ねました。 「今回の人生の目的は何ですか?」 光が答えました。 「平和を祈りなさい。あなたに出来ることが、そのうちみつかります。今は、今の仕事をしなさい。それには意味があります。離れる時が来れば、離れるのです。今は間違ってないですよ」 「私の人生は、ここまで順調ですか?」 「頑張ってますね」 「人間は何のために生きているのでしょうか?」 「お互いを思いやるためです。思いやりは、いつかは広がって行くのです」 「まず何から始めたら良いのでしょうか?」 「自分が幸せになりなさい。幸せな家庭を築きなさい」 「そのためには、どうしたら良いのでしょうか?」 「大丈夫です。心配し過ぎないことです。自分を責めないことです。仕方がないこともたくさんあるのです。些細な争いごとにも、宗教的な複雑な争いごとにも、仕方がないことがあるのです。そこから学びなさい」 「なぜ私は、何度も生まれ変わっているのですか?」 「平和の本当の意味を知るためです」 「それは何ですか?」 「平和は幸せです。まず自分が幸せになりなさい。その上で、成すべきことが見つかりますから。まず今の自分を責めるのをやめなさい」 「私」は光に聞きました。 「弟のうつ病の意味は何ですか?」 「何よりも弟本人の試練ですが、私たち家族の試練でもあり、弟の家族の試練でもあります。そこから得たものが、たくさんあるでしょう。家族の繋がり等をいっぱい知ったでしょう」 「素晴らしい人生を送るためには、どうしたらいいのですか?」 「人を信じなさい。自分を信じなさい。祈りなさい。想うことも大切で、想いはパワーを持っていますから、あきらめないで祈りなさい」   「私」は光さんに、今回の人生の目的をクリアー出来た、未来の姿をちょっと見せてくれるよう、頼みました。 「二十代後半になって、男の赤ちゃんを抱いています。穏やかな表情です」 「未来のあなたに頼みます。今の私に何かアドバイスを下さい」 「あまり気にしなくて大丈夫ですよ。大切なことは、心配することでも、人を恨むことでもありません。自分を信じなさい。まわりを信じなさい。家族にもっと感謝をしなさい」 「赤ちゃんはどんな表情ですか?」 「笑ってます」 「その赤ちゃんを抱かせてもらいましょう。どんな感じですか?」 「抱いたら、あたたかい・・・」 「なぜ私をお母さんに選んだの?」 「幸せになれると思ったから」 「赤ちゃんを返して、未来のあなたとしっかりと握手しましょう。どんな感じですか?」 「あたたかくて強いです」 「あなたのその強さを分けて下さいませんか?」 「あなたも持ってるけど、活かし方を知らないだけなのです。あなたは十分パワーを持ってるし、何も心配することはありませんよ」 「私」は光さんに聞きました。 「最後にもう一つ、アドバイスを下さい」 「自分を活かしなさい。自分の力をムダに使わずに、大切に使いなさい。信じなさい」 「私を見守ってくれますか?」 光さんが答えました。 「これまでもそうだったし、これからもそうだし、心配しないで良いですよ」 「これから辛い時、いつでもあなたのもとに、戻って来ても良いですか?」 「あきれて、いつもいるじゃない、って言っています」 そして私たちは、光さんのもとから、今、この時へと戻ってきました。  後日、お手紙をいただきました。この療法の後、ゆっくりと「軽いうつ状態」が治っていったそうです。 「今は良い意味で、「自分が好き」で、過去にとらわれるでもなし、必要以上に未来を心配するでもなく、今を大切に生きているように感じています」 「疲れた時には、素直に休むようになりました。以前はかなり体を酷使してしまっていました。心も体も、自分を大切にするようになりました。甘やかすのとは違って、とても良い状態になったのだと思います」