2013年8月15日木曜日

おはようさん 2013.8.16.

高校時代の新聞部朋友から依頼された「大先輩に聞く」のお原稿を書き上げました。 このブログにも載せましたけど、ちょいと手直しして再掲させていただきますね。 (実は、その後に送られてきた過去の「大先輩」たちのお話とは・・・まぁ、私らしいといいますか・・・ボツの可能性も大なので、まずは日の目に当てておこうという魂胆でございます(;^^)ヘ..) 茨木高校生諸君へ   医療法人 愛香会 奥山医院院長               奥山輝実 その1 「不運こそオンリーワンへの神の道」  人生に起こる失敗・挫折・脱落・仲間はずれ・・・不運の下でもがんばれた経験は、いつか必ず & 思いっきり役立つ時が来ます。  脳外科研修医になって3年目。同期はみんな忙しい救急病院が担当となり、週に何度も手術助手に呼ばれて腕を磨いていましたが、私の担当病院は何と精神科を専門とする総合病院!  実は、大学病院で主治医となった患者さんのことを想うあまり、要らぬことを言ってしまって助教授を激怒させてしまったのでした。⇩教訓:口は災いの元  ほとんど誰も来ない外来で一日ぼっっっとしてるだけでした。明らかに左遷でした。  その時はめげていたけど、生来の脳天気さ&おバカさでしょう。自分なりに立ち止まらずに、もがきながら何かを手探りしていました。  そこで発見したのは、精神科の長期入院患者さんたちの中に、かなりの数の正常圧水頭症の患者さんがいるということでした。  その左遷病院で、水頭症の手術もたくさんしました。数年後には、同期の中では断トツに水頭症に詳しくなっていました。  そして、その週一日の精神科体験が今、こうやって心療内科の患者さんも診察・治療できる形となって、とても役立っています。  あの時の精神科病院での経験がなかったなら・・・今頃は普通の脳外科医をしながら定年後を心配していたことでしょう。  同じく研修医時代。月20日以上の病棟当直をして、大学病院からのお手当は7万円くらいの時代でした。脳外科は夜間緊急手術があるので関連病院以外での当直バイトは禁止でしたが、私と同じように医者の家系でない貧乏後輩たちとチームを組んで当直バイトを廻していました。  ある時、講師の先生から言われました。 「貧乏人は医者になるな!」  ひどいいじめもありました。当直バイトに行ってるのを知っていて、わざと緊急呼び出しをされたり、三日三晩連続して夜間呼び出されたり・・・でも、生きるのに精一杯だったから、がんばれました。  あの当直バイト時代に学んだことは・・・  一般病院の救急夜間外来をこなしていて、子供から老人まで、さまざまな風邪や腹痛や骨折捻挫や心身症やHな病気や・・・なんでもかんでも治療できるようになりました。  指をつめたヤクザさんの処置なんか上手いもんですよ。  今は町のよろず診療所をしていますが、統合医療(西洋医学も東洋医学も精神医学もスピリチュアルケアも何でもアリ)の経験値は、あの時代に養われました。  そして、あれだけがんばれたのだから、少々のことではびくともしないぜ! な自信がつきました。  自分の限界を知るのは、やっぱり若いときに限ります。  18才の限界。30才の限界。40才の限界・・・18才の自分の限界を知った人は、30才の限界に登りつめた自分がより大きく・より強くなっていることに気づくでしょう。40才の限界に挑戦した時には、懐が深く寛容になっている自分自身に驚くでしょう。50才の限界が訪れた時、自分の生きがいが生死も喜怒哀楽も超越して無我無為に至っていることを悟るでしょう。身体の成長が終わると、こころの成長、精神性・魂の成長のスイッチをオンにしなくちゃいけません。そのためには、若いときに自分の限界を知っておきましょう。  大学院の研究室に入って、同期は腫瘍細胞をいじくる研究でしたが、私はなぜか、それまでうちの研究室では誰もやったことのない、担当教官もその分野はどうみても素人な「聴性脳幹反応」の動物実験でした。うわさ話では、例の助教授が聴性脳幹反応の機械を買ってしまったので、何か研究しなければいけないから、とりあえずテーマを出した・・・なんて不幸なんでしょう。。。  そもそも動物実験用の機材などありません。予算も当然ありません。仕方がないので、東急ハンズで木材を買ってきて・・・大工作業から始めました。動物実験に使う道具も全部、木工用やホビー用のものを代用して使いました。  でも、担当教官が素人なのをいいことに、2年間、好き勝手な研究が出来ました。今から思うと、「氣」の伝導速度を求めていましたね。もちろん、誰も見向きもしてくれなかったけど、青森での脳波学会で、ある教授が真剣に耳を傾けてくれて「おもしろい!」と言ってくれたのがうれしい思い出です。 もちろん&もちろん、担当教官に理解できるはずもなく、博士号は霧の中に消えてしまいました。(教訓:博士論文は当たり前のことを平々凡々に書きましょう)  機械がなくても、予算がなくても、やりたい! やろう! と思えば、何とかなるのです。そんなサバイバーな劣悪な環境下ほど、創造力&ユニークな発想力が鍛えられます。  常識に囚われてあきらめてしまう人たちがたくさんいます。一流大学・一流会社の人たちには特に多いように感じています。  道具があれば、何でも出来るのはロボットです。  道具がなければ、代わりとなる何かを創り出すことが出来るのは人間です。  あの研究室時代に得たものは、常識に囚われない進取の精神・何もなくても何とかできるという変な自信・おもしろさが創造力&ユニークな発想を育んでくれるということでした。  不運でも不幸でも、立ち止まらずに、うつむかずに、まわりを見渡してみましょう。必ず何かやるべきこと、ちょっと工夫すればできることが見つかります。  どうみてもムリだと思っても、最初の一歩を踏み出してみるのです。すると不思議なことが起こり始めます。まさかの縁が繋がることなんて、よく起こりますよ。何もなくてジタバタしてるから、藁でもつかんじゃうから、不思議な縁もたぐり寄せてしまいます。 世紀の大発見、会社の中興の祖なんて人たちはみんな、どん底でジタバタし続けて、縁をたぐり寄せた人たちなのです。だから、不幸不運はオンリーワンとなる道なのです。 「どん底でジタバタしよう」 その2 「チャレンジはオンリーワンへの天の道」  人生には10年周期で「人生の節目」がやって来ます。  人生の節目とは、それまで歩んできた一本道が二手に分かれるターニングポイントです。結婚、出産、転職、親の病気や死別・・・目に見える形の壁となって行く手を遮ってきます。  その壁の前で右往左往と立ち往生してしまったままの人もいます。  うずくまって動かなくなってしまう人もいます。  やがて壁に飲み込まれて、自律神経失調症やうつ病、働かない病になってしまいます。 そこで今生はゲームセット! 魂の光は消え失せてしまいます。  人生の節目の壁をよじ登ろうとする人がいます。  壁の下から仰ぎ見ると難攻不落な壁に見えますが、  自分に自信があれば、  自分を信じる力があれば、  こころが素直であれば、本当は・・・ 簡単に壁のてっぺんに立つことができます。  壁の向こうには、これまで歩いてきた道の続きが見えます。  そして、もう一本、これまでとは違った方向へ伸びる道も見えます。  どちらに進むかは自由です。  神さまも集合無意識の中心で輝く光さんも・・・誰もどっちへ行きなさい とは言ってくれません。  どちらも正解だからです。  世俗的な幸・不幸のレベルで言えば、2本の道を比べることは出来ます。  どっちがお金持ちになれるか? どっちの家庭の方が幸せか? どっちが長生きできるか?  そんなのは壁の下でウロウロしてる世界での虚しい価値観でしかありません。  壁のてっぺんから未来の人生を眺めていると、見えてくるのは魂の輝きと愛の光です。 どちらも同じ明るさなら、その輝き・光の色の好きな方を選べばいいのです。  自分に自信があり、自分を信じる力もあり、こころ素直な人は、人生の節目が近づくと、それまで安泰だった日々の暮らし・家庭・仕事・人間関係などに急にさざ波が立ち始めます。そして大変な問題が発現します、まるで人生に仕組まれていた地雷が爆発したかのように。  私は40才まで脳外科医をしていました。民間の救急病院で脳外科を立ち上げて、地域一番にまで育て上げました。順風満帆、同期の脳外科医仲間からも羨ましがられました。しかし、急に居心地が悪くなりました。院長との折り合いが悪くなったのです。挙げ句の果ては、またしても左遷です。とんでもない病院に無理矢理派遣されてしまいました。年収も三分の一に。どん底だけど仕方ありません。何とかなるわっと出来ることをがんばっていました。  そこは外科の先生も内科の先生もせっせと開業準備に勤しんでいる暇な病院でした。ずっと脳外科勤務医で行くのが当たり前で、開業なんて考えたこともなかった私にはいろいろ良い刺激をもらいました。  移籍半年して、元の病院の患者さんたちや近くの薬局から、戻ってきて開業してくれ、という話が来ました。そこで初めて開業というビジョンを真剣に描き始めました。幸いにして、まわりの医者はみんな、開業準備中でさまざまな情報に詳しかった。資金繰りのこと、流行の開業スタイル、スタッフ教育のこと・・・さまざまなことを教えてもらえました。そして一年後、内科・外科 なんでも診ますのよろず医院で開業できました。よいスタッフにも恵まれました。まさか(元の病院の給料額を知っていたので)なスタッフまで駆けつけてくれました。  開業準備中に、経営学も勉強しとかなければ・・・で名だたる社長たちの本を読みました。でも書いてあるのは精神世界の話ばかりでした。いかに気持ち、モチベーションが大切か、天職や人生の使命やソウルメイトみたいな話ばかりでした。  経営者は瞑想や座禅をすべし、なことをどの本にも書いてあったので、病院帰りに瞑想にも通いました。精神世界への第一歩でした。  開業して午後は暇なので、何かできることはないかな?(今なら即、在宅医療ですが、その頃はまだシステムがありませんでした)で、これも不思議な縁が続いて、前世療法をやることにしました。日本で最初に前世療法を公開でやった医師になりました。  怖れ・不安? 心配はなかったの?  瞑想に通いながら、結構、精神世界的なA-HA  覚醒状態を体験していたので、自分なりには至極当然のように怪しげな?ワークを始めていました。  すると前世療法を介して、新たなお医者さんたちとの輪が拡がりました。スピリチュアルな話をそれぞれの立場から希求しているお医者さんたちでした。  スピリチュアルで有名になった方とのコラボ出版に至って、土日返上で毎日、ワークしても3年待ち!な大フィーバーを経験しました。しかし、脳外科医の仲間たちはみんな、離れていってしまいました。聞く耳持たぬ!な嘲笑も受けました。  患者さんにも心療内科的な人が増えました。その中にはスピリチュアルケアが必要な人もいます。 「脳外科医として脳動脈瘤の手術でひとりを助けるのも、スピリチュアルケアでひとつの人生を助けるのも同じこと」  私は今もそう思って、己の道を歩んでいます。  こんなふうに人生の節目での大爆発はシンクロの連続です。  不思議なこと、ありえないことが連なって起こっていきます。それはまるで神さまに背中を押されているかのように、運命の大波を波乗りしているかのようにグイグイと押されていきます。  そこで人生の目的・天職・これからの使命をちゃんと自覚している人は、より善き道、より美しき道へ進むためのチャレンジに挑みます。  怖れや不安など感じません。己の魂がより輝かんとする氣力がチャレンジの背中を強く押してくれるからです。  特に日本人はみんなと同じが好きです。みんなと群れようとします。  しかし、みんなが人生の節目で各々のチャレンジの道を進めば、世界は第二のカンブリア大爆発を迎えることができるでしょう。だれもがオンリーワンな世界・・・。  もし人生の節目だなって感じたら、左脳がいろいろ言ってきますが(左脳のおどし! おどし! おどし!)、瞑想やヨガや座禅をしながら左脳の声をかき消して、より善き道はどっちか? (正しい じゃないですよ、「善」ですよ) より美しく生きられる道はどっちか? (自分がこころから美しいと、魂が美しいねって言ってくれる方の道)自分の直感で感じ取ってみましょう。  誰の人生でもない、自分の人生なのだから。 自分が歩んできて、これからも歩んでいく道なのだから。  誰のせいでもない、誰のせいにもできない 自分の人生なのだから。  オンリーワンな人生を楽しみたいのなら、チャレンジ精神を大切にしましょうね。 「チャレンジで道を開こう」 その3 「やってみて やってみて やってみて」  抗加齢医学の世界では、今の高校生たちの寿命は160才~200才 最高460才だと言われています。  高校生の諸君に60才定年なんて残ってるのかしら?  もう18才での長期人生計画なんて意味ありません。  老人になれるのが140才だろうと420才だろうと、全然平気な生き方があります。  それは、生きがい年齢で生きることです。  私の戸籍年齢は今年で56才です。  でも、私は今年から謡いのお稽古を始めました。謡いでは1才です。  私は今年、大きな流れに導かれるままに、藤本蓮風先生の鍼灸を学び始めました。1才の針灸家です。  これが生きがい年齢です。  何かを始めたら、その時が1才です。  何かを始めたら、その先の人生が変わり始めます。  鍼灸は未来の人生を大きく変えそうだけど、謡いくらいではあんまり変わらないんじゃないの?  いえいえ、人生に不必要なこと、役立たないことはひとつも起きません。例えそれがボツ企画、失敗チャレンジであっても、必ずいつかの何かに繋がっていきます。  謡いは楽しいし、声を出すのは健康に良いし(漢方でいう肺の氣も血も巡りますからね)、なんだかずっとずっと昔のどこかの自分も同じ曲を謡っていたように思えるデジャブな感覚が好きですが、お金儲けや人脈形成には確かに繋がりません。  でも、不思議だけど、いつかの未来に不意に役立つことがあるのです。  何が起こるのかな? 誰と出会うのかな? その日が来るのを楽しみにしながら、お稽古をしています。そういうワクワク&ドキドキ感があることが生きがい年齢には必要です。  鍼灸はずっと医学という世界の中をさまよってきて、ようやく自分がやりたかった医療はこれだ! に出会った感激の中にいます。  西洋医学全般を学んできて、脳外科の専門医となるための脳の解剖も脳科学も最先端の知識を詰め込んできました。入局した脳外科の教授が漢方と心療内科への道を用意してくれていました。アーユルヴェーダなどの東洋医学や精神世界のさまざまな療法にも詳しくなりました。前世療法や光(神)との対話を通じて、あらゆる宗教や教義の根源を見てきました。もうこの世に思い残すことはない、死んで神さまに「お前は何を学んできたのか?」と尋ねられたら「和・輪・笑です」と答えようと決めて、3年前に剃髪しました。いつ神さまに呼ばれてもいいですよ、という神さまへのリーチです。  幸いというか、不幸というのか、あの世に呼ばれることもなく、かといって幸せがやって来るわけでもなく、相変わらずの難行苦行な人生を日々黙々と歩んできましたが、藤本蓮風先生の鍼灸に出会った時には、もうひと仕事、承わったなぁというワクワク&ドキドキする快感を思い出しました。 「他の病院で治らないので来ました」 そう言って初診される患者さんが増えました。これはうれしいものです。ちっぽけなプライドだけど、「よくやっていますね。これからもがんばりなさい」という神さまの激励のように聞こえます。  感激と感謝も生きがい年齢には必要です。  今から40年、謡いと鍼治療を続けていけば、100才の頃にはそれなりの大家になっているでしょう。生きがい年齢40才の中堅ばりばりなベテランさんです。  今、何もしなければ、何もないタダの100才です。生きがい年齢は測定不能・・・退化喪失しちゃってるでしょうね。  何かをやり始める楽しさ・生きがいを知ってしまった人は、死ぬまで何かをやり始めていることでしょう。  やり始めるのをあきらめたら・めんどくさくなったら・バカバカしくなったら・・・よほどの覚悟がない限り、もう一度やり始めることはできません。無理矢理始めても、ワクワク&ドキドキ感も、感激&感謝も湧いてきません。ムリしてるだけで生きがいにはなりません。  若い人たちにはワクワク&ドキドキも感激&感謝もあります。その気持ち、パッションを忘れずに、30代、40代、50代、60代・・・になっても、絶えずやってみる人でいてください。  いつまでも生きがい年齢ティーンエイジャーでいてくださいね。 「いつまでも青春を楽しもう!」 その4 「大学へ入ったら哲学を学ぼう!」  花の大学生活。コンパに、サークルに、バイトに、あら忙しやぁ。  そんな百花繚乱な大学生活の対極に哲学の講義があります。  私は単科の医科大学だったので、6年間の授業は高校と同じく選択肢なし、全員同じ授業でした。そのため1回生で哲学の講義を当たり前のように受けました。  これがよかった!  私の哲学の先生は、京大哲学科 田中美知太郎先生のお弟子さんの森進一教授でした。 授業の内容は当然、ギリシャ哲学! ソクラテス&プラトンです。  受験勉強から解放された脳ミソに、プラトン哲学やホメロスが心地よく流れ込んできました。  授業だけでは飽き足らず、週1回の教授宅での読書会にも参加させていただきました。 テキストは Werner Jaeger の Paideia  輪読が終わると、教授と奥様と参加者たちのアカデメイアが始まります。ギリシャ喜劇と悲劇の話、日本の純文学の話、シェークスピア・・・18才のペーペーの頭上を会話が飛び交っていくのが楽しくて、うれしくて、ただ聞いているだけでしたが、基礎医学の勉強が始まるまでの2年間、通い続けました。  教授の奥様がとても美しかったのを覚えています。お歳は60前後だったでしょうが、お顔から才気と笑顔があふれ出ていました。 「最近、ギリシャ語を勉強し始めたのですよ」なんてニコニコ顔でおっしゃってました。 「ギリシャ旅行に行かれるのですか?」とトンマな質問の私。 「プラトンを原語で読もうと思って、古典ギリシャ語を始めました」と奥様。それを聞きながらニッコリされている教授。  そこで人の本当の美しさとは何かを知りました。 「先生、幸せとは何ですか?」 「美しく生きることです」 今でもこころに残っている言葉です。  女子高生も男子高生も、卒業後は見た目の美しさにしのぎを蹴ることでしょう。それはそれで綺麗だけど、真夏のバラにしか過ぎません。  いくらお化粧をしても、目の輝きはごまかせません。そこには知性と生き方とがんばり力が見て取れます。ブランド品で飾り立てても、相手にしてくれるのは知性も生き方も見失ったよい子ちゃん&よい子くんたちだけです。これまではそんな世界がステータスでした。世の中のほとんどの人たちが外見だけしか見えない盲目な世界でした。これからもそんな世界は続いていくでしょう。でも、超高齢化社会、何百才と生きなければならない世の中になった時、そんな世界は果たして意味があるのでしょうか。ちょっとイメージしてみてください。200才のブランド品ばりばりのあなたと、内なる知性があふれ出ているあなたと、どちらが美しいかを?  私はAKBのシノマリを見た時に、こいつはただ者ではないな!と思いました。ググタスを見ていると、案の定、ものすごい努力を続けていました。生命を削りながら前へ進んでいました。若いからできること。若いからこそ、しなければならない天命です。だから彼女は見た目も生き方も美しいと思います。  哲学とは、ものごとの本質を見極めようとすることだと思います。  自然科学系はもちろんのこと、経済学や地政学、法律も軍隊も、あらゆる芸術でも、その本質を見極めようとするパッションが創造力を沸き立たせ、真理・奥義を垣間見させてくれます。  どの哲学でもかまいません。  縁あって入れた大学に、たまたまあった哲学の授業で上等です。大学に入ったらぜひ哲学を学んでみてください。  専攻科目だけの勉強では知識しか増えません。今は最先端でも50年後には懐メロです。 「昔はよかった」「今の若いモンはダメだ」と色褪せたプライドで威張り散らすしかない中高年になってしまいます。  哲学を学んだ上で専攻科目を勉強すると、知識はやがて智恵になります。知識は古くなっても、智恵が熟成されています。若いモンには手も足も出ないようなクリエイティブ&柔軟な発想ができる大人になっています。 (ただし適当にネ! やり過ぎると私のように孤独な仙人になってしまいますので。。。)  昭和の高校生は社会の価値観が一定していたので、生き方・生きがい・自分らしさ なんて考えなくても、有名大学・有名企業・ステータスな職業を目指せばよかったけれど、今の高校生諸君は、この何でもありで何にもなしの世界の中で、自分の生き方も、生きがいも、自分らしさも創り出さなくてはならないから大変だと思います。  それが見つけられずに、40代、50代でうつ病になる人がとても多くなっています。  また、社会の統一した価値観がなければ生きていけない中高年たちが軍国主義を蘇らせようと暗躍しています。  智恵がなければ、情報に飲み込まれてYESもNOも言わない大衆になってしまいます。  智恵があれば、YES! NO! を言う「本当の自分」になれます。  これからの世界の行く末を決めるのは、高校生諸君です。  今は特に大切な時代です。  だからこそ、大学に入ったら、ぜひ哲学に触れてください。  どんな事象にも本質があるんだということを知りましょう。  そして、過去の偉人たちがその本質をどのように見極めようとしてきたのか? に触れましょう。  すると、いつか壁にぶつかった時、人生の分かれ道に立った時、命がけで何かをしようとする時に、その本質が見えてきて、こころに感じてきて、より善き道、より美しき道を選ぶことができると思います。 「美しく生きよう!」 その5 「損の道を行こう」  これは私が開業時より、こころの支えにしてきた格言です。 「世の中には損の道と得の道があるのですが、得の道を行こうと思ったら満員電車です。損の道を行ったらガラ空きなのです。  損の道とは、自己を大いなるものに没入させながら、他人のために努力する、そういう生き方を言います」  元ダスキン会長 駒井繁春さんの言葉です。  物欲、金銭欲、情報欲に飲み込まれ、自己中にしか自分というアイデンティティを見いだせない哀しくも怖ろしい世の中では、この格言も意味をなさなくなってしまいました。  それでも希望を持ちたい、幸せになりたいと頑張っている人たちがいれば、いつか必ずこの格言が再び輝く時が来ると信じています。 私は性善説です。人は誰もが光の子だと信じています。病気だって同じです。病気の意味=病気から学ぶべきことを悟れば、その病気の根本原因も今やるべきこと=治し方も分かってきます。神さまに「ごくろうさま。善い人生でしたね」と言われるまで、人は生き続けることができると思います。風邪を治したり、痛みを取ったりするのも医者の役目だけど、善く生きていけるように、どんどん美しくなっていけるように、損の道の上で無我となって、みなさんの背中を推していきたいと思っています。  未来を信じましょう。未来を信じている限り、前を向いていられます。みなさんより40才も年寄りな私だけど、未来を信じる勇気はきっと誰にも負けないでしょう。だからこそ、みなさんを信じています。みなさんには善と美がスタンダードな新しい世界を創り出す力があります。新しい光の世界の創造主です。やりたいことをやってください。何にでもチャレンジしてください。壁にぶつかったら乗り越えましょう。回り道も大いに結構です。未来を信じて歩んできた足跡は光輝いています。そして、いつか必ず今を支え、大ジャンプする踏切足になってくれます。未来を信じている自分を信じて、今を精一杯に生きましょう。 「自分を信じよう!」 謝辞  このように若者たちに語りかける機会を作ってくださった新聞部朋友 中野晶弘君に深く感謝いたします。 著者プロフィール 昭和51年茨高卒。関西医大脳外科を経て平成8年に奥山医院を開業。脳外科専門医。漢方専門医。抗加齢医学専門医。斑鳩流華道師範。前世療法、舌癒着症手術、蓮風鍼法など普通の医療機関では絶対に取り上げない療法を行っている。著書に「いきがいの催眠療法」「前世療法へようこそ」(PHP出版) 「前世物語」「前世療法ハンドブック」(牧歌社)がある。 HP http://www.okuyama.or.jp ブログ http://okuok.livedoor.biz Facebook https://www.facebook.com/Nadia.okuok