2013年8月17日土曜日

おはようさん 2013.8.17.

今夜は五山送り火。 またひとつ、症例を「前世物語」からご紹介しましょう。   伴侶の死 昔々、京の都に、やよいと言う若い女の人がいました。 今日もお寺の境内で、のぶさんとお話をしています。 石段にしゃがみ込んで楽しそうに話し続けています。 彼は「今の夫」です。 日暮れまでおしゃべりが続きました。 やよいは穏やかな気持ちで、のぶさんと別れました。 町家の木戸が見えます。 「おかえり」という、お母さんの声が聞こえます。 お母さんは座って針仕事をしていました。 お母さんは「今の母」です。 やよいは、お母さんと二人で暮らしていました。 今日あったことを、楽しそうにお母さんに話しました。 夕食のお魚が笑っています。 やがて、やよいはのぶさんと結婚しました。 彼女は機織りをしています。 やよいが手を休めました。 のぶさんはやよいの傍に座って話をしています。 「お茶がおいしいねぇ」 温かい幸せが二人を包みます。 車を引いている人が荷物を落としました。 夫が行って、それを拾ってあげました。 春日和の一日です。 のぶさんは海岸に座って魚釣りをしています。 彼は漁師です。 夫が帰ってきました。 やよいが食事の支度をしています。 時がのんびりと流れます。 食事の後、のぶさんは寝転がって話をしています。 やよいは傍でお茶を飲んでいます。 夫がたばこを吸っています。 夜の闇まで微笑んでいました。 時が過ぎ行き、のぶさんは五十七歳で死にました。 やよいは悲しみに沈みました。 「また、いつか会いたい・・・。また夫婦になって、一緒の仕事がしたい・・・」 やがて、やよいも六十七歳で死を迎えました。 孫が看取ってくれました。 とても安らかな気持ちです。 穏やかな人生でした。 「私」は、やよいの魂に尋ねました。 「死んだ時、何か決心したことがありますか?」 「夫を探しています」 「見つかりましたか?」 「はい」 「彼は何と言っていますか?」 「良く来たねぇって。若い頃と同じです」 「私」は、やよいの人生と、今、生きている人生を見比べてもらった。 「二つの道の形は同じですが、道がだんだん太くなっています」 「私」は、さらに高みへと導きます。 「雲の上に出て下さい。そこに誰かいますか?」 「まわりが全部黄色いです。雲の上には、白い服を着た、白いヒゲのおじいさんがいます」 「では、そのおじいさんに尋ねて下さい。今回の人生での夫との関係は何ですか?」 「今まで体験しなかったことをすべて、体験して学んでいきなさい」 「私の今回の人生の目的は何ですか?」 「良く生きることです」 「それは、どういうことですか?」 「自分のやりたいようにやっていけば良いのです」 「なぜ夫は死んじゃったのですか?」 妻の魂のすすり泣きが続きます。 「夫は早く死んじゃって、悲しんでいませんか?」 「悲しんでいません」 「あの年で死ぬって、決まっていたのですか?」 「決まっていました・・・。おばあちゃんが決めたそうです」 「それは、なぜですか?」 「寂しかったそうです。」 「今回、私と夫はなぜ結婚したのですか? 誰かが決めたのですか?」 「二人で決めました」 「その時、夫が先に死ぬことを知ってたのですか?」 「はい」 「二人が結婚した目的は何ですか?」 「私が強くなるためです」 「私」は彼女に代わってお願いしました。 「もう迷ったりしませんから、少しでいいですから、夫に会わせて下さい。お願いします」 白いヒゲのおじいさんが答えました。 「わかった」 「では、呼び出してもらって下さい」 「ただいまって言っています」 「では彼に近づいて、彼をしっかりと抱きしめて、そしてお話して下さい」 彼女は、長い間、静かにすすり泣いていました。 彼女が合図をしてくれたので、「私」は再び聞き始めました。 「あなた、どうしてほしいのって?」 「何もしてくれなくて良いよって言っています」 「私、これからどうしていったら良いのかなぁ?」 「そのままで良いよ。決めたようにやっていけば良いのだよ」 「先に死んで、苦しんでないの?」 「苦しんでないよ」 「死んだ後、私たちとどんなふうに接してくれているの?」 「いつもそばにいるよ」 「私はどうしたら、あなたに喜んでもらえるの?」 「無理をしないで、ゆっくりやっていけば良いよ」 「私はずっと独身の方が良いのかなぁ?」 「その必要はないよ」 「誰かと恋をして、結婚しても良いの?」 「良いよ」 「私が人生を全うするのを待っていてくれる?」 「はい」 「あなたに会いたくて、自殺したらどうなるのかなぁ?」 「来るな!」 「どうやったら、喜んで迎えてくれるのですか?」 「今のままで勉強を続けなさい」 「彼をしっかり抱きしめながら、おじいさんに聞いて下さい。私が今回の人生を全う出来たら、また、この人と一緒の人生を送れますか?」 「・・・はい」 「では、それが出来た未来の私たちの姿をちょっとだけ見せて下さい」 「婦人警官が見えます。髪は赤茶色で、目は灰色がかっています。仕事中だから真剣な顔をしています。夫は大学で建築を教えています。私たちは兄弟になっています」 「未来のあなたにアドバイスをもらって下さい」 「心配ないよって言っています」 彼女としっかりと握手して下さい。どんな感じですか?」 「すごく強い」 「そのエネルギーを分けてもらって下さい」 「いいわよって」 「彼とは仲良いのかしら?」 「時々ケンカするけど、とても可愛がってくれるよ」 「未来の夫にも、何かアドバイスをもらって下さい」 「よく来たねって。お茶を出してくれています」 「彼としっかりと握手して下さい。どんな感じですか?」 「力強いです」 「二人に聞いて下さい。今の私を応援してくれますか?」 「はい。もちろんだよ」 「では、白いおじいさんの所に戻って聞いて下さい。今度は夫婦じゃなくって、兄弟なの?」 「笑っています」 「夫は何て?」 「ふざけてます。残念だったねって」 「夫に尋ねて下さい。あなたを感じる合図を教えて下さい」 「彼・・・考えてる。・・・夢の中に出るからねって。頭をなでてくれてます」 「じゃぁこれから辛い時には、あなたを呼ぶから夢に出てきてね」 「わかったよって約束してくれました」 「白いおじいさんに聞いて下さい。私の人生は、ここまで順調ですか?」 「順調です」 「私は乗り越えて行けますか?」 「がんばりなさい」 「私を応援してくれますか?」 「もちろんだよって言っています」 そして私たちは、今、この時へと戻ってきました。 清書しながら、もしかして、この症例はすでにご紹介済み??かも。。。 まぁ、二度目でも、それはそれで意味があることですからね。 例えば、今日、たまたまこれを見て、こころがパッと明るくなったとか・・・ ということで、二度目でも読んでみてくださいね。