2013年8月8日木曜日
おはようさん 2013.8.8.
高校生たちへ伝えたいこと(4)
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その4 大学へ入ったら哲学を学ぼう!
花の大学生活
コンパに サークルに バイトに あら忙しやぁ
百花繚乱な大学生活の対極に哲学の講義があります。
私は単科の医科大学だったので、6年間の授業は高校と同じく選択肢なし、全員同じ授業でした。
そのため1回生で哲学の講義を当たり前のように受けました。
これがよかった!
私の哲学の先生は、京大哲学科 田中美知太郎先生のお弟子さんの森進一教授でした。
授業の内容は当然、ギリシャ哲学! ソクラテス&プラトンです。
受験勉強から解放された脳ミソに、プラトン哲学やホメロスが心地よく流れ込んできました。
授業だけでは飽き足らず、週1回の教授宅での読書会にも参加させていただきました。
テキストは Werner Jaeger の Paideia
輪読が終わると、教授と奥様と参加者たちのアカデメイアが始まります。
ギリシャ喜劇と悲劇の話、日本の純文学の話、シェークスピア・・・18才のペーペーの頭上を会話が飛び交っていくのが楽しくて、うれしくて、ただ聞くだけでしたが、基礎医学の勉強が始まるまでの2年間、通い続けました。
「先生、幸せとは何ですか?」
「美しく生きることです」
今でもこころに残っている言葉です。
哲学とは、ものごとの本質を見極めようとすることだと思います。
自然科学系はもちろんのこと、経済学や地政学、法律も軍隊も、あらゆる芸術でも、その本質を見極めようとするパッションが創造力を沸き立たせ、真理 奥義を垣間見させてくれます。
どの哲学でもかまいません。
縁あって入れた大学に、たまたまあった哲学の授業で上等です。
専攻科目だけの勉強では知識しか増えません。
今は最先端でも50年後には懐メロです。
「昔はよかった」「今の若いモンはダメだ」と色褪せたプライドで威張り散らすしかない中高年になってしまいます。
哲学を学んだ上で専攻科目を勉強すると、知識はやがて智恵になります。
知識は古くなっても、智恵が熟成されています。若いモンには手も足も出ないようなクリエイティブ&柔軟な発想ができる大人になっています。
(ただし、適当にネ! やり過ぎると私のように孤独な仙人になってしまいますので。。。)
昭和の高校生は、社会の価値観が一定していたので、生き方・生きがい・自分らしさ なんて考えなくても、有名大学・有名企業・ステータスな職業を目指せばよかったけれど、今の高校生諸君は、この何でもありで何にもなしの世界の中で、自分の生き方も、生きがいも、自分らしさも創り出さなくてはならないから大変だと思います。
それが見つけられずに、40代、50代でうつ病になる人がとても多くなっています。
社会の統一した価値観がなければ生きていけない中高年たちが軍国主義を蘇らせようと暗躍しています。
智恵がなければ、情報に飲み込まれてYESもNOも言わない大衆になってしまいます。
智恵があれば、YES! NO! を言う「自分」になれます。
これからの世界の行く末を決めるのは、高校生諸君です。
今は特に大切な時代です。
だからこそ、大学に入ったら、ぜひ哲学に触れてください。
どんな事象にも本質があるんだということを知りましょう。
そして、過去の偉人たちがその本質をどのように見極めようとしてきたのか?に触れましょう。
すると、いつか壁にぶつかった時、人生の分かれ道に立った時、命がけで何かをしようとする時に、その本質が見えてきて、こころに感じてきて、より善き道、より美しき道を選ぶことができると思います。