2015年4月1日水曜日
おはようさん 2015.4.1.
昨日は、中谷彰宏さんと「末期癌の患者さんへの向き合い方」をテーマにお話してきました。
まず、先日、書いたように、私なりの末期癌患者さんのステージ分けをお話しました。
あきらめた人→怒る人・自己卑下する人→何かに閉じこもる人→いい子に逃避する人
これはそれぞれ、暗・止→暗・動→暗・動→明・止 と表現できます。
それぞれをどこに持って行きたいのか? については、ゴールは(癌を忘れてしまうくらい)笑と「一生けんめい&てきとうに」だと思います。
笑=楽しい・うれしい(ありがとう)・おかしい・きれい・おいしい・きもちいい・・・五感の完成をアップしていきましょう。
=マッサージ・鍼灸・温泉・音楽・アロマなどが効くわけです。
もうひとつの「一生けんめい&てきとうに」は、できることを一緒に考えて、提案していきましょう。
ここからが中谷さんのコンサルティングです。
癌治療の目的:ゴールは、癌を治すことにあります。
癌患者さんへの向き合い方では、身体よりもこころに重心が置かれています。
「癌を治す」よりも「どうつきあうか?」であり、そのゴールは「幸せ」です。
癌患者さんのこころのステージ、それぞれに対して、「ハッピー」になるように、ケースバイケースでの対応が要ります。
「治す」という医療観から、「幸せ」という医療観へ軸足を置きましょう。
患者さんは何を求めているのか?
万が一の時の強引な延命処置を望んでいるのか?
苦しまないように逝かせてほしいとは、どこまで・何を望んでいるのか?
そう、「この先生に看取ってもらおう」というステップまで、しっかりと向き合わないとね。
不老不死とは、「いつ死んでも満足」と思ってもらうことです。
医療・福祉・ボランティアではなく、サービス業です。
患者さんではなく、お客さんです。
人はみんな、ガマンして生きています。
患者さんが求めているのは、自己承認・「どう生きたか」を認めて欲しいのです。
世界中の人を助けることはできません。
自分を好きといってくれる人を助けましょう。
そのためには、勉強が必要です。
人間力が大切になります。
そこまで行くと、医療というよりも、教育です。
癌治療医療は、数多くの患者さんにデータに基づき対処していきます。
癌患者さんへの向き合い方は、ひとりと徹底的に向き合う学びなのです。
中谷さんからいただいた走り書きから要点を書き出しました。
響いた言葉は「治すから幸せへ」「医療から教育へ」
癌患者さんだけでなく、これはどんな患者さんにも当てはまっていますよね。
「治すから幸せへ」
のどが乾いて仕方ない人は、自動販売機で何かを買う・蛇口をひねって水を飲むでいいのです。それはそれで幸せでしょう。
それに比べたら、茶道はとってもめんど臭いですよね。
お茶を飲むのに、ものすごい準備と勉強と気遣いが要ります。
でも、あの一服の幸せ感は、たまりません。
「治そう」から「幸せになってもらおう」に軸足を置き換えただけで、いろいろなものが見えてきます。
前回のコンサルティングで言われた、「自分の医療の軸をぶれないように絞る」がますます明確に見えてきました。
そして「医療から教育へ」
中谷さん自身も、若い塾生たちの教育者だと自覚しておられます。
作家・俳優・プランナーではなく、教育者だと。
医療の足かせがあると、患者さんや家族の中にどうしても不介入のフォースが働きます。
教育に軸を置けば、患者さんのこころにも、家族のこころにも声を投げかけ、入っていくことができます。
癌患者さんの場合、生と死に向き合っているわけですから、教育=お坊さんのようなものですね。
なるほど・・・それで前から坊主頭になっていたんだね。
最後に色紙を書いていただきました。
「治すよりも もっと 幸せにしよう」