2015年4月14日火曜日

おはようさん 2015.4.14.

三日間の脳外科外来代診も無事に終わりました。 感じたことは・・・全然、変わってないなぁ。 もちろん使う薬剤や検査機器は進歩しています。 でも、その進歩が病気を治すことにおいては、さほど「進歩」していないことに、ちょっとビックリしました。 外来に来られた患者さんたちも、門真の医院に来られていた患者さんたちと全く同じでした。 脳外科の症状に内科疾患+整形外科疾患+心療内科疾患が、まるで合い挽きハンバーグのように、ごちゃ混ぜに練り込まれた患者さんばかりです。 だから、特定科目の専門医ではトータルケアーは無理な話。 今回は三日間だけの代診でしたから、決して手出しはしませんでしたが、「この患者さん、もっともっと楽になれるのになぁ」と思うところが多々ありました。 「これまでやってきた診療って、世間と比べて、こんなにもレベルが高かったんやな」と自画自賛で自信が沸いてきたりもして。 まだまだ痛いし、手足が動かないし、調子悪いし・・・それでもこの外来に通われるのはなぜかな? と思った時、それは「安心」であり「納得」するためだと気づきました。 門真の医院の近くにも、レベルの低い外来がたくさんありましたが、なぜか? 流行っていたりするわけです。 全然治ってない・薬漬け・見落とし・・・それでも患者さんたちが通うのは、コミュニケーションしたいから。 ドクターの言葉で「納得」して、ナースの笑顔に「安心」して、同じような患者さんたちと辛さを「共有」したいから。 究極、「治る」のは嫌なの。だって「納得」も「安心」も「共有」も失うから・・・自分が生きていること、私はここにいるよ、みんな 気にかけてね、のために、雨が降っても、足が悪くても、今日も外来へ通うのです。 その姿は、赤ちゃんが泣くのと一緒ですね。人間の弱いけど、かわいらしい本能です。 これまでは、まじめに、一途に「治す」ことに全力を傾けてきました。 今、大きな節目の中で思うのは、「治す」ことにとんがってきたけれど、それは「幸せ」へと患者さんたちの背中を推せていたんだろうか?・・・う~ん、ごめんなさいです。 中谷彰宏さんにいただいた、これからの医院のモットー 「治すよりも もっと幸せにしよう」の意味が、この三日間の外来代診でより明確に見えてきたのでした。