2015年3月1日日曜日

おはようさん 2015.3.1.

今日は北辰会のお勉強会でした。 テーマは精神疾患。 その中で、統合失調症の東洋医学的病因病理がありましたが、これはすべての精神疾患にも当てはまると思いました。 その1:痰気鬱結 憂鬱や思慮過敏により肝脾の気機が失調し、湿痰が生じ、痰と気が結びついて清竅を上蒙する。 肝鬱脾結+痰迷心竅 精神抑鬱、表情が淡白、外出や人と接することを嫌がる、ひきこもりたがる、独り言を言ったり、意味不明な事を言ったり、悲しんだり喜んだり不安定。不衛生を気にしなくなる。不眠が続く。 その2:陽衰湿盛 陽気の不足から湿痰が停聚し、清竅を蒙閉し、心神不安定に。 表情が乏しく呆然としている。しゃべらず寡黙、問いかけても答えず、答えたとしてもトンチンカン。飲食しようとしない、トイレに行っても突っ立ったままであったり、なかなか出てこない。 その3:心脾両虚 心血不足によって心神が不安定になる。陰不足によって熱に傾くこともある。 恍惚として覇気がない。夢うつつ状態。幻覚幻聴。動機しやすく驚きやすい。悲しむことが多く、よく泣く。肢体が怠い。食欲なくあまり食べられない。 陰不足から熱に偏り、肝陽上擾すると、急躁易怒となる。 その4:臓躁火旺 臓の陰不足(血虚)で虚熱が発生し、化火も加わり、火邪が心を上擾し心神不安定になる。 幻覚幻聴、得度期悲しくなって泣きまくる。あくびが頻繁に出る。心煩、よくしゃべる。奇妙な発想をしたり、幻想妄想がひどい。不眠。甚だしいと精神興奮状態が続く。 その5:熱入血室 七情不和による火と血が結びつき、虚に乗じて血室を瘀阻する。 喜んだり怒ったり、抑鬱になったり狂ったり一定しない、時に狂う。羞恥心がなくなり、不衛生を気にしなくなる。家族の認識もできなくなり、叩いたり罵ったりする。高いところに登って狂ったように歌を歌ったり、叫んだりする。ひどい場合には裸になって走り回ることもある。これらは月経期に最もひどくなる。 その6:肝逆化火 怒りや肝鬱化火によって痰火が上擾して心神不安定になる。 狂乱して罵詈雑言を叫んだり、人にケガをさせたり物を破壊したりする(健常時よりも力が強くなる)。食べず眠らず。 その7:陽明熱結 五志化火が陽明に伝入したり、陽明腑実証になって心を上迫して心神不安定に。 精神興奮状態。顔面紅潮。言語錯乱。煩躁不安。立ったり座ったり落ち着かない。ひどい場合は人を殴ったり罵倒する。物を破壊する。 その8:気陰両傷 火邪が気陰を損耗させ、心神が不安定になる。 狂ったり妄想するのが長期間にわたり、徐々にその程度も衰えてきて、呼びかけると我に帰ることができる。ただ疲労度合いが強くなってきており、ぶつぶつよくしゃべるがびくびくしやすい。時に煩躁する。 これらのひとつひとつに、実際にこれまで診てきた患者さんたちの顔が思い浮かんできて、とても複雑な気持ちになりました。 その中には、今は縁が切れてしまった娘も入っています。 あの時、蓮風先生に出会っていたら、きっと今頃は・・・とても残念に思います。 それでも、光さんがいつも言うように 「これまでの人生はこれで順調ですか?」 「順調だよ」 と思います。 なぜなら、たった一日の差で、(精神科入院にならずに)蓮風先生に救われた患者さんもいるからです。 精神疾患を患った時、普通の精神科ドクターの治療を受ける方々がほとんどでしょう。 でも、なにかの縁で、東洋医学的な病理分析もできて、西洋医学と東洋医学の良いとこ取りした治療を受けられる方もおられます。 それは運不運なんかじゃありません。 どちらもその方にとって「順調」であり、ベスト ベター とは言えないかもしれないけど、GOODな道を歩んでいるのだと思います。 願わくば、精神科のドクターたちにも、アーユルヴェーダの脈診や東洋医学的な考え方を学んでいただきたいと思っています。 そんなことしたって全く儲けにも出世にもなりませんが、世のため人のためには大いになると思うからです。 そして、それこそが天地自然の理であり、宇宙の法則だからです。