2016年9月9日金曜日

ごきげんさん 2016.9.9.

「80才の母が身体を痒がって困っています。漢方で何とかなりませんか?」と直々に医院にお越しになってお尋ねいただきました。 夜間に痒がって、朝になるとひっかき傷だらけだそうです。 人間は痛みには何とか耐えられますが、痒みは我慢できません。 お年寄りは枯れています。腎虚です。 皮膚もカサカサで潤いがなくなっています。 西洋医学では、ワセリン系の皮膜で誤魔化したり、抗ヒスタミン剤やステロイド剤で痒みの炎症を抑え込みます。 東洋医学的に診れば、 腎虚の上に腎陰と腎陽のアンバランスが顕著になるので、陰の夜間に激しい痒みに襲われることが多いです。 高齢者ほど、陰陽五行のバランスを整えてあげたいですね。 お年寄りは人生経験が長い分だけ、悪血・水毒・冷えの3悪が心身に染みついています。 生活習慣や食生活(腸内細菌フローラ)をなかなか変えれません。 運動量もモチベーションも少なくなっています。 自律神経系も弱まり、発汗や発熱機能も衰えています。 理想的には、成長ホルモン療法で心身も自律神経系・免疫力もメンタル力も蘇らせてしまうのが最幸です。 陰陽を整え、3悪を排泄して体質を改善していく漢方治療もよく効きます。 (時間はかかります・・・少なくとも半年以上) この際、手間ですが湯液(煎じ薬)にすると、煎じた後の薬草をお風呂に入れるという一石二鳥なケアもできます。 (煎じ薬のほとんどが保険適応です) 漢方治療に鍼灸治療を併用すると、治療効果はより早く強く出てきます。 特に認知症や閉じこもり傾向のお年寄りには、氣を動かす「漢方&鍼灸治療」がお薦めです。 陰陽太極鍼は、腎虚を主とする老化自体を遅らせる&和らげる効果が抜群です。 「痒みの漢方鍼灸治療を始めたら、身体も気持ちも元気になってきました」 そんな嬉しい声をこれまでもたくさんいただいてきました。 盛大なお葬式&立派な墓石よりも、 毎晩の痒みがとれて、ゆっくり眠れるようになりたい 食事が美味しくなって、気持ちも身体もちょっと若返って嬉しい お年寄りの言うに言えない本当の気持ちを察してあげられるのも「孝心」ですね。