2016年9月20日火曜日

ごきげんさん 2016.9.20.

「夏が過ぎて秋の爽やかさを楽しみたいのですが、気持ちがめいってしまって溜息ばかりです。うつ病でしょうか?」と診察中にご相談されました。 うつ病ではありませんよ。 夏の陽から冬の陰へと季節も身体も変化しています。 夏の陽が喜ぶ辛いモノ、冷たいモノ、水気の多いモノを摂り過ぎていると、 季節は秋なのに、身体は過剰な夏の冷え&水毒を排泄できないままでいます。 まだ夏のクセで冷たいモノを飲食し続けていませんか? 身体は芯からどんどん冷えていきますよ。 木枯らしが吹く頃・・・冷えた氣血水が悪血の症状となって、やっと気づきます。 食欲の秋。 冬ごもりの動物的本能が元気になります。 身体も脳も色々な秋の味覚を欲していますが、 ストレスや煩悩を抱えたこころは食欲のリミッターをはずしてしまいます。 冷えた水毒がブクブクと膨らんだ悪血となり、氣血の流れを阻害します。 氣血の巡らない気持ちは、枯葉のように色褪せてしまいます。 顔色も言葉も頭の回転もオーラも・・・夏とのギャップが大きいほど、何もかもがダメになってしまったような気持ちになってしまいます。 汚れた火は上へ上へと燃え上がり、内心のイライラや焦りを煽ります。 悪血となった水毒は下半身を、冷えと重怠さ、慢性痛、かゆみ、便秘、生理痛、腰痛、静脈瘤などで悪化させます。 まさしく易経の火水未済・・・この世の終わりに墜ちていく感覚です。 そんな季節の変わり目の気持ちの変調は、漢方&鍼灸治療で比較的簡単に治せます。 秋のウツウツ気分は、既病と未病の間ですからね。大丈夫、治りますよ。 放っておくと・・・冬眠中に小熊が生まれるように、既病になってしまいますからご用心を。 季節の変わり目、特に秋は氣血水のアンバランスを診療する大切な時期なのです。 夏にお世話になった衣類をクリーニングに出すように、 夏を楽しんだ身体を東洋医学のメンテナンスに出すのが健康運アップの秘訣です。