2013年10月3日木曜日

おはようさん 2013.10.4.

木曜日の午後、医院はお休みです(土曜午前診してるので、スタッフの週休二日を確保するため)。 夕方から奈良 学園前の藤本漢祥院へ鍼治療&研修に行っています。 氣が見えてくると、蓮風先生の診察&施術の一瞬の氣の動きがとても面白い! 癌の患者さんへ金の鍉針で補法される時、爆発するように溢れ出してくる邪気(生気を入れると邪気が患者さんの体表からぶわわぁぁと放出されます)をいつも被っていましたが、今日はとっさに患者さんの生気と自分の衛気をシンクロさせて、事なきを得ました。 カメレオンのように瞬時に相手の氣色になる。 すると相手から放出された邪気は、私をすり抜けて亜空間へと消えてしまいました。 またひとつ、小技をGETしました。 実はこれには伏線があって、今日、労宮に毫鍼する機会を続きました。 今日まで、労宮や湧泉への毫鍼は自分の中では禁じ手だったのですが(まだ早い!)、ふっと許されたように感じたので、施術しました。 労宮に刺入すると、ものすごい量&流れの邪気が噴出してきます。 蓮風先生が労宮に毫鍼された時、部屋の外から扉を閉めて見ていたのに、まともに邪気を被ってしまったくらいですから、相当なものです。 今日は、まず患者さんの労宮と自分の氣をゆっくり&しっかりシンクロさせました。 馴染んだところで、労宮へシュッと刺入。 もちろん邪気が爆発的に噴出してきますが・・・被りませんでした。 臨床とは、こうやって一歩一歩 トライしながら自分のものにしていくのですね。 今日の初診の患者さん。エゴグラム&問診で・・・今までなら「心療内科の範疇ではなし。精神科へ」だったけど、精神科に通院したって改善する見込みなしなのもわかっている。 (なぜか私は医者生活の30年間で、まともな精神科医に出会ったことがないのです。私の「まともな」感がすでに精神科領域な異常なのか・・・ほんまにまともな精神科医などこの世にいないのか・・・永遠のなぞですねぇ) ここで見放したら、この人の人生は終わる。 脳外科ニューフェース時代の松村教授が脳外科なのに「ここで見放してしまうと、この患者はまたたらい回しになってしまう」と心療内科や漢方治療をしていたビジョンが脳裏に浮かんできました。 幸い、今は鍼灸で氣を動かすことができます。 背候診で肝虚を見つけ・・・これだ! ちゃんと週2回通院してくれれば、きっと奇跡は起こるでしょう。 鍼の道。 大いなる流れにしっかりと&強く導かれて、日々、光の世界にむかって歩いています。 大丈夫&大丈夫(*^^)v 今日は「前世物語」からひとつ、症例をご紹介しましょう。   人を信じること 昔々、播磨の国に、ひこざという男がいました。 彼はいつも木刀を持って町を闊歩していました。 二十五歳の時、武士になるためのテストが城で開かれました。 ひこざは自信にあふれています。 城の中には若者が大勢集まりました。 侍大将が、お前たちの部隊を作る、と言っています。 ひこざは高揚した気分です。彼はとても強いのです。 ひこざが部隊長に任命されました。 みんな白い鉢巻きをしています。 侍大将がひこざに命令しました。 「敵の殿様を松林で待ち伏せしろ。必ず斬ってこい」 ひこざが先頭に立って月夜の中を松林へ向かいます。 彼は部隊を二手に分けて、草むらに隠れさせました。 しかし、いくら待っても誰もやって来ません。 若者たちはイライラし始めました。 「ひこざ、お前、間違えたんじゃないのか」 「いや、オレは間違えていない。確かにこの時間に、ここに来るはずだ」 「この襲撃に失敗したら、オレたちはまずいことになるぞ。ひこざ、お前の責任だからな」 ひこざは答えました。 「いや、もう少し待ってみよう」 しかし、誰も来ません。 部隊の誰かがいきなり彼を突き飛ばしました。 「お前はウソつきだ」 それを合図に、若者たちは彼を袋だたきにしました。 意識がもうろうとしていきます。 「オレは確かに指示を聞いたんだ。オレが悪いんじゃない」 ひこざは近くの冷たい沼に捨てられました。 「ああ、冷たい・・・。みんな仲間だと思っていたのに・・・。オレが悪かったのか・・・。なぜなのか、わからない・・・」 ひこざは、とぼとぼと帰りました。 とてもムシャクシャしています。 貧しい藁ぶきの家に入りました。 若い女性が待っていました。なみと言います。 ひこざは何も言わず、あぐらを組んで座りました。 彼はずっと考えています。 「なんでこうなったのだろう。オレは裏切られたのか・・・」 なみがお粥を作りました。 ひこざは、流し込むように食べています。酒も飲んでいます。 「誰も信じられない・・・信じられない。信用してたのに・・・裏切った・・・誰も助けてくれない。自分でやるしかない・・・」 ひこざは立ち上がって出て行きました。裏切り者たちを斬りに行くのです。 城近くに若者たちの長屋があります。 ひこざが戸を開けました。 あいつがいます。一番ひこざの強さを憎んでいたヤツです。 ひこざは斬りました。 少し怖くなりました。 「ああ・・・みんな斬ろうと思ってたけど、もうやめた・・・」 ひこざはぼう然と、血だらけの刀を見つめます。 「オレは今まで人を斬ったことなどないんだ。戦ったけど、人を斬ったことはなかったんだ。こんなふうに斬れるなんて思わなかった。ヤツはまだ動いているぞ。怖い・・・」 ひこざは、長屋を飛び出しました。 「オレは、もうどこにも戻れない。なみのところにも戻れない。死ぬしかない。こんなことをしたら、もうここでは生きていけない。オレは死ぬ」 そして、ひこざは腹を刺しました。 「私」は、ひこざの魂に尋ねました。 「もう身体を離れましたか?」 「はい。上から見ています」 「死んだ時、何か決心したことはありますか?」 ひこざの魂は、泣きながら答えました。 「私は、自分の力を過信していました。傲慢でした。自分の力を認めさせようとしていました・・・。悪いことをしました。悪かった。許して欲しい・・・」 「そして、次ぎはどうしようと思いましたか?」 「みんなに優しくしよう。みんなに優しくなかったから、今度は優しくしよう」 「優しくするためには、どうしようと思いましたか?」 「私には、人を押さえつけるところがあります。今度は、人を押さえつけないように気をつけます」 「私」はひこざの魂を高みへと導きます。 「そのまま上へあがります。高く高くあがります。その高いところから、ひこざさんの人生を見てください。そして、何か気がつくことはありますか?」 「真直ぐな人でした。折れることを知らないようでした。いつも私は思い通りに生きてきました。だけども、多くの人を傷つけてきました。なみも、仲間たちも、みんなを傷つけてきました。だから反省しなくてはいけません」 「私」は、さらに高みへと導きます。 「では、もっともっと高く高く、上にあがります。どんどんあがった高い高いところから下を見ると、ひこざさんの人生と、今のあなたの人生が、平行に並んで見えます。二つの人生を見て、何か気がつくことはありますか?」 「ひこざさんの道は一本道です。私の道はいっぱい、木の枝みたいに枝分かれしています」 「今、あなたはどの地点にいますか?」 「まん中です。もうそんなに枝分かれはないみたいです。後は、ちゃんと選んで行けばてっぺんに着きます」 「私」は上へと導きます。 「そこから上はどうなっていますか?」 「光が射し込んでいます」 「その光の中にスゥーと入ります。どんな感じがしますか?」 「あったかい・・・」 「その光の中に、誰かいますか?」 「おじいさんがいます」 「では、そのおじいさんに聞いて下さい。今回の人生の目的は何ですか?」 魂が泣きながら答えます。 「人を信じることです。・・・そうです・・・そうです。あなたは人を疑っています」 「どうしたら信じられるのですか?」 「人にゆだねることです。全てを人にゆだねてみることです」 「そうしたら、ひこざさんみたいに裏切られませんか?」 「あなたには、それが出来るはずです。裏切られても、人に優しくするのです」 「それは無理だと思うけどなぁ?」 「あなたには、わかってるはずです。あなたは恐がってるけれど・・・」 「私は何を恐がってるの?」 「裏切られることを恐れているけれども、実は、あなたがそうしているのです。私が原因を作ってるんだ・・・。あなたが自分を許さないから、人があなたを裏切るのです」 「自分を許したら、もう裏切られないのですか?」 「あなた自身を信じなければいけません。あなたは自分自身を疑っています。人を信じる前に、自分を信じなければいけません」 「それは、どうしたら出来ますか?」 「ひとつひとつ、自分らしく、優しく、誠実に行動していくことです。そうすれば、人はそれにちゃんと気づいてくれます」 「私の人生は、ここまで順調ですか?」 「順調です」 「ここまで、いろいろ辛いこともあったけど、これで順調なの?」 魂の涙がこぼれます。 「あなたはいろいろ悩んで、大変だったけれども、よくがんばりました・・・。やっとわかったから、それを忘れずにがんばってくださいね。応援してますよ」 「マリア(仮名)は、どうして病気になったのですか?」 「マリアは、強い人だけれど、人に頼ることが出来ないのです。人に頼れないので、そうやって病気になって、人の力を借りなければならない状態に身を置いているのです。私たちも、いつでもマリアを助けれる状態にあるのですが、マリアは何でも自分でやりたい、と思っています。でも、マリアは、人が助けてくれるありがたさや謙虚な気持を学ばなければなりません」     「私はどうしたら、自信を持てるのでしょうか?」 「人生を楽しむことです。今、一番興味のあることをしてみることです。とても大切なことです。あなたは、いつも後回しにします。でも、そういうことは、あなたの成長にとても大切なことなのです。あなたの好きなことをすれば、あなたは、いろんな自分の面を見ることが出来ます。あなたには、きっと出来ます」 「私をこれからも見守ってくれますか?」 「いつも見守ってくれているそうです」 「私は、これからやっていけますか?」 「やっていけるそうです」 「辛い時、また、ここに戻ってきても良いですか?」 「いつでもよいって」 「お腹を刺した、ひこざさんの面倒をみてくれますか?」 「ひこざさんが現れて、よろしくお願いねって言ったら、ありがとうって」 「これからの人生、がんばるからねって」 「笑って、うなずいています」 そして私たちは光のもとを離れて、今、この時へと戻ってきました。