2013年10月20日日曜日

おはようさん 2013.10.21.

日曜の雨の中、北辰会のお勉強会に参加してきました。 腎陰虚&腎陽虚をテーマに、午前は講義を、午後はドクターコースで体表観察&鍼の実技をしっかりとお勉強しました。 鍼灸は氣を扱うので、腎虚のとらえ方もとてもダイナミックです。 なるほど&なるほど・・・と、これまでのモヤモヤ霧が晴れていく快感があります。 わからなかったこと、知らなかったことがわかる快感は、老化しかかった脳ミソをスカッと刺激してくれます。ええボケ予防ですわぁ。 講義を聞きながら、あの患者さんの顔、この患者さんの顔・・・が浮かんできて、ガッテン&ガッテン&ガッテンです。 台風の後、鼻水の出る患者さんが増えた理由も、みんな、足が冷えてる理由もダイナミックにわかりました。明日から臨床に活かせます。 北辰会の講師の先生方はみなさん、とても親身になって教えてくださいます。ありがたいことですね。 そのご恩に報いるのは、ひとりでも多くの患者さんを笑顔にすることだと思っています。 明日からもがんばっていきましょう! 今日は「前世物語」からひとつ、症例をご覧いただきますね。   失恋の意味  昔々、風車に囲まれた町に、アントニオという青年がいました。 彼には青い目の恋人がいました。 金髪の美しいアニーです。 二人はとても幸せでした。  ある時、金持ちの貴族がアニーを連れ去りました。 彼女を奪ったのは「今の父」です。 アントニオは、一人で貴族の館へと乗り込みました。 激しい口論が続きます。 アントニオは思い余って、貴族を石で殴りつけました。  アントニオは、冷たい石壁の牢の中で気がつきました。 悲しみと憎しみがしたたり落ちました。 彼は町外れの教会の塔に閉じ込められたのです。 見張りは永遠に無言でした。 彼は孤独でした。  風車が回る夜は、アニーを呼ぶ叫び声が町へも届きました。  数年後、アントニオは死の床にいました。 彼は無口な見張りに話しかけました。 「全て私が悪いことになってしまいました。私はあいつを許せません。この恨みを残していきます」 「アニーに伝えて下さい、君に会いたかったと。無念だと」  そして彼は胸の病で死にました。  「私」はアントニオの魂に尋ねました。 「死んだ時に、何か決心したことはありますか?」  「好きな人を守ることです」  「私」は彼の魂を高みへと導きました。 そして彼の人生を振り返ってもらいました。 彼の魂が答えました。  「良い人だったけど、良い人すぎました」  「私」はもっと高みへと導きました。 そしてアントニオの人生と、今、生きている人生を見比べてもらいました。  「さっきは「守る」って思いましたが、今の私は逆で、「守って欲しい」って思っているようです」  「私」はさらに高みへと導きます。 そこには「あったかい白い光」がありました。 光の中に、優しそうなおじいさんがいました。 「私」は、おじいさんに聞きました。 「今回の私の人生の目的は何ですか?」  「人を信じることです」  「それは、どういうことですか?」  おじいさんが答えました。 「許すことです。嫌なことをされても許すのです」  「では私の人生では、嫌なことがたくさん起こるのですか?」  「違います」  「私はどうしたら良いのですか?」  「見方を変えるのです。悪くとらないのです」  「私」は尋ねました。 「父との関係は何ですか?」  「償いです」  「何の償いですか?」  おじいさんが答えました。 「あなたは殴ったり傷つけたりしました」  「あの人が裏切ったからですよ。どうしていけないのですか?」  「それも以前からの繋がりで、あなたたちは繰り返しています」  「どうやったら、それを止められますか?」  「あなたが許すことです」  「今回の人生で、それが出来ますか?」  「あなたには出来ます」  「どうしたら良いですか?」  「繰り返していることに気づけば、出来ます」  「私」は、おじいさんに聞きました。 「父との関係は、私が今回許せたら、終わりますか?」  「いいえ。でもあなたが許せたら、また同じように生まれても、次は違う関係になれるはずです」  「私と父は、今回、相談して生まれてきたのですか? それとも誰かに決められたのですか?」  「両方です」  「誰が決めているのですか?」  「あなたたちの指導者がいます」  「私」は、おじいさんに尋ねました。 「なぜ私は、今、生きる自信がないのですか?」  「アントニオのようになるのが恐いのです」  「どうしたら良いのですか?」  「自分を信じなさい」  「私」は続けて聞きました。 「私のこれまでの失恋に、何か意味はあるのでしょうか?」  おじいさんが答えました。 「違う人を選ぶからです」  「別離も、私が決めていたのですか?」  「はい」  「別離から、私は何を学ぶのですか?」  「寂しさをまぎらわすために、相手を選んではいけません」  「今回もそれで選ぶと失敗しますか?」  「はい」  「私はどんな人を選ばなくてはいけないのですか?」  「誠実な人です。地味だけど、真面目な人です」  「そんな人を見たら、私にわかりますか?」  「話さないと、わからないでしょう」  「私」は、おじいさんに尋ねました。 「時々、死にたくなるのですが、もし自殺したらどうなるのですか?」  彼の魂が答えました。 「暗い中に独りで座っています」  「その彼に聞いて下さい。なぜ自殺したのですか?」  「価値がないと思いました。寂しかったのです」  「今、そこで何をしているのですか?」  おじいさんが答えました。 「そこから動けないのです。間違いに気づくまで、そのまま動けないのです。そのまま生きなければ、いけなかったのです。例え努力をしなくても、そのまま生きなければいけません。でも、あの暗い中だと気づけないのです。納得出来ないのです」  「なぜ、そんなに暗いのですか?」  「自分で暗くしています。止まっているのです。先に進めず止まっている分、遅れてしまいます。そのまま生きていた時よりも、遅れてしまうのです」  「私」は、おじいさんに聞きました。 「私の人生は、ここまで順調ですか?」  「おおむね順調ですが、間違っている所もあります」  「どこが間違っていますか?」  「自分には価値がない、と思う所です。自分を信じない所は間違いです」  「それは今から治したら、まだ間に合いますか?」  「大丈夫です」  「どうしたら治りますか?」  「気づくだけで変われます」  「価値のない人って、この世にいるのですか?」  「いません。」  「どんな人にも価値があるのですか?」  「あります」  「大虐殺したような大悪人でも、ですか?」  彼の魂が答えました。 「はい」  「そんな悪い人の価値とは何ですか?」  「幼稚なだけ・・・子どもみたいな状態・・・。難しくてわかりません」  「私」は、おじいさんに頼みました。 「最後に何かメッセージを下さい。」  「人生は続きます。終わりはありません」  そして私たちは、光のもとを離れて、今、この時へと戻ってきました。 この症例の解説はまた今度に・・・