2016年5月12日木曜日

ごきげんさん 2016.5.12.

風邪がなかなか治らない、と受診された患者さまを診ました。 腎陽虚による冷えが主因と診断して漢方薬を処方しました。 「腎」とは何ですか?  腎は先天的な生命力をたくわえるところで、先天の本と呼ばれています。 小児期ー青年期ー成人ー と腎は充実していき、老年期になると衰退します。 腎は骨格や歯牙の状態とも関係します。 大切なことでは、腎は排卵・月経・妊娠・精子・勃起などの生殖・性機能との深く関係します。 また、腎は耳・尿道・肛門に関わり、難聴・耳鳴り・排尿・排便機能と関係しています。 背筋や腰の筋力、下半身の筋力とも関係しているので、腎が衰えると、足腰のしびれと痛み、だるさ、脱力、冷え、背中の曲がりなどの原因となります。 「腎の華は髪」と言われ、髪の色、艶、発毛と抜け毛も腎と関係しています。 腎陽虚の人がなりやすい病気は、月経異常、無精子症、インポテンツ、早漏、不妊症、 前立腺肥大、慢性腎炎、頻尿、夜尿症、失禁、下痢、便秘、 難聴、耳鳴り、めまい、視力障害、白内障、脱毛症、 冷え性、浮腫、甲状腺機能低下症、花粉症、慢性鼻炎、アレルギー性鼻炎、 横隔膜ヘルニア、鼠径ヘルニア、股関節脱臼、腰痛、椎間板ヘルニア、骨粗鬆症、関節リウマチ、 不眠症、夢が多い、頭痛、動悸、健忘、老人性認知症、アルツハイマー病、 特に女性には不妊症と冷え性は大敵です。 腎陽虚の女性の卵子は元気がありませんので、着床後発育不全や流産の原因になります。 最近では若い男性にも腎陽虚が増えてきました。 精子活動力の低下、草食男子化なども、この腎陽虚が原因と言えます。 癌患者の多くは冷え性で35℃台の体温です。 冷え性のままだと癌になりやすい、とも言えます。 認知症や脳卒中も「隠れ冷え性」に多発する傾向があります。 ホッカイロを貼ったり、お風呂にゆっくり入っても、身体の芯の体温は上がりません。 漢方薬膳や鍼灸・漢方で腎陽を補っていくのがベストな冷え性治療です。 そして、それは未来の癌と認知症を予防することにもなります。 腎は元気の元・・・つまり良い運気の源です。 元気な腎が開運富貴をもたらしてくれるのです。