2016年5月10日火曜日

ごきげんさん 2016.5.10.

「漢方によるがん治療の奇跡」という本を通勤読書してます。 がん研有明病院の星野恵津夫先生の著書です。 患者20名の体験記と、著者のコメントによって、具体的に「漢方の力」を紹介します という帯コピーです。 一般向けに書かれていますので、がん患者さんにも、とてもわかりやすい漢方治療入門書です。 がん研有明病院の漢方は典型的な日本漢方の診断&処方です。 がんの3大西洋医学治療も併用しながら、漢方治療で副作用を軽減したり、末期患者さんの癌進展抑制や再発予防を行っておられます。 肺への転移が漢方で消えた モルヒネが要らなくなった 食事が再び食べられるようになった 癌患者さんにとっての福音の数々がレポートされています。 この本によると、がん研有明病院の漢方治療では経穴経絡を読む中医学的な診察はあまりなされていないようです。 気・血・津液の流れを経絡を介して読むことから症状や病気を弁証して、漢方を決めていくのはとても手間と時間がかかりますので、がん研有明病院のような大病院では難しいことなのでしょう。 (1週間4日で250名を診療されるそうです) それでもこの治療効果と成績を上げられていることは、とても素晴らしいことです。 心斎橋 奥山医院の「あきらめない癌の漢方経絡太極療法」では、がん研有明病院の漢方治療のような日本漢方診断ももちろん参考にします。 それ以上に力を入れているのは、経穴経絡診断と中医学的診断です。 特に陰陽太極鍼を施術してから再度、日本漢方診と中医学診を行うと、より深い層の病因や邪気を治療することができます。 肺転移は大量の十全大補湯で消えたが、その後に腹水が溜まってきて亡くなった・・・などの症例を救うことができたかもしれません。 経験上、日本漢方の診察診断&処方は10分あればできます。 あきらめない癌の漢方経絡太極療法では、少なくとも診察診断に1時間、経穴経絡治療と合わせて計2時間をかけます。 命にかかわる癌を治していくには、それだけの手間と時間がかかるのは当然だと考えています。 「あきらめない」というフレーズには、そんな覚悟と祈りが込められています。 最先端を行くがん研有明病院の漢方治療を見せていただきながら、 当院でやるべきことがますます明確になってきました。