2014年9月13日土曜日
おはようさん 2014.9.12.
時々、ご紹介している乳癌末期で骨転移しているおばあちゃん。
この1ヶ月ほど、毎日、外来に来てくれるんやけど、腹診&打鍼するのを嫌がっていて、仕方なしに丹田灸と鍼だけしていました。
先週から夜間に肝臓の辺りを痛がりはじめています。
抗ガン剤を入れ続けている某病院では、血液検査上は異常なしだと放置したまま。
そりゃぁわからないから仕方ないよね・・・抗ガン剤をガンガン使ってる先生方ってみなさん、そんなもんです・・・(>_<)
先週末にやっとのこと説得して、久しぶりに腹診させていただきました。
確かに右肝相火に邪気はありますが、それほど邪熱を帯びてはいません。
ただ、右の経絡は確かに滞っていて、特に章門(LR13)と日月(GB24)にその滞りの元がありました。
夜の痛みを何とかしてほしい!という世話をされているお姉さんの声に応えるべく・・・
右章門と日月に1カ所づつ刺絡&吸角を施術しました。
結果は・・・(*^^)v 数日間は痛みが消えました。
今日の午後、また痛みが出てきたとのことで腹診してみると、両側の腹部を通る経絡がすべて滞っていました。
さすがに両側ですから・・・刺絡するには弁証が及びません。
百会に手をかざしてみると・・・膀胱経近くの右百会に大きな反応を感じ取りました。
迷わずそこへ鍼を1本!
10分後には痛みは消えてしまいました。
腹診すると、左右の腹部経絡も流れ始めています。
うん、これでしばらくは大丈夫でしょう。
この患者さんにはこのまま、いつもの日常をつつがなく過ごし続けていただきたいと思っています。
それがこの患者さんとケアされているお姉さんの幸せだと見て取れるからです。
すべては患者さんの幸せのために・・・
抗ガン剤治療を押しつけるのは言語道断ですが、私も鍼治療の押し売りは決してしてはいけない!と常々思っているのです。
お知らせ:土曜日午後~月曜日(祝日)まで、ちょっと出雲へバイクツーリングしてきますので、ブログはお休みです。
(電脳からしばし自由になってきま~す(*⌒▽⌒*)
前世物語
「人にばかり合わせないで、もっと自分の楽しみや好きなことを持ちなさい。そういう幸せになる気持ちや、楽しい、嬉しい気持ちから愛が生まれるのです。誰もが自分が幸せだと人を愛せるようになります。感謝も人に強制されるのではなく、自分の心から出来るようにならなくてはいけません。このテーマについて、あなたは何度も同じことを繰り返しています。あなたは自分を小さく見過ぎています」
「今回の私の人生はここまで順調ですか?」
「努力した方です」
「これからも、あなたは私を応援してくれますか?」
「あなたが気づきさえすれば、私はいつも同じところにいますよ」
「これからも辛い時には、あなたのところに相談に来てもいいですか?」
「すべてを信じることです。信じることから始まるのです」
催眠から覚めた彼女は、しばらくそのままオルヌの人生について考え込んでいました。先生が夜診の診察を始めた後に、彼女はワークの部屋から出てきました。困惑した表情と失望感が目に浮かんでいます。彼女は黙ったまま洗面所に行きました。私はお茶を入れ直して、彼女がお化粧から帰ってくるのを待ちました。
戻ってきた彼女は心を押し殺して、明るい表情に戻っていました。私は彼女の横に座って一緒にお茶を頂きました。
「愛とは手放すものなのでしょうか? 私にはまだよくわかりません。私は彼に求めすぎていたのでしょうか?」
彼女は独り言のように呟いています。これは彼女の心の扉が大きく開かれている証拠です。今、彼女は自分の半開きの心を通じて、彼女の本質である魂と対話しているのです。この状態の彼女に何かアドバイスをすることは先生から厳しく禁じられています。今の私にはその重要性がよくわかります。今、彼女に何かアドバイスじみたことを言えば、その言葉が彼女の心の扉の新しい鍵になってしまいます。
彼女を洗脳してしまうことになるのです。
私は彼女の独り言を静かに聞いてあげました。
「私はなぜ、人を信じるのが恐いのでしょうか? 私は人に愛される価値などないのでしょうか? 私の心が貧しいから、私には人を愛せないのでしょうか? 私は永遠に幸せにはなれないのでしょうか?」
彼女は空っぽの湯飲みを見つめながら、ポツリポツリと言葉を漏らしています。
「ホラね・・・あなたは自分を小さく見過ぎていますよ」
私はそう心の中で呟きながら彼女の目を見つめました。心の中でだったら大丈夫だわ、早く気づいて元気になってね・・・そんなつもりもありました。しかし彼女は私の心のスキを見逃しませんでした。彼女の目が私を押し倒して、依存の剣を私の心に突き刺しました。もうこうなったら彼女の依存心が満足できる言葉を私が言わないかぎり、彼女は私を自由にはしてくれないでしょう。その時、私にはよく
わかりました。先生がいつもワークの後、あまりにそっけなく、患者さんに冷たい理由わけが・・・痛いほど身に沁みました。私は心の中で先生の助けを呼びました。
診察室の扉が開いて・・・先生が思いっきりの笑顔で私の心に突き立っている依存の剣を抜いて、彼女に優しく返してくれました。
「今日は疲れたでしょう。早くホテルに帰ってゆっくりとお休みくださいね。そう、しばらくは急に泣き出したくなることがあります。何が原因かは考えなくて構いません。ただ泣いて出し切ってくださいね。涙の原因はじっくりと煮込み過ぎたカレーのようになっていて、ジャガイモもニンジンもお肉もみんなとろけちゃって、何が何だかわからなくなっていますからね。ともかく出し切ることが大切です。町中で泣き出したくなったらトイレに駆け込んで泣いちゃってくださいね。
それと、これからしばらくの間、夢の中で今の過去生の続きが出てくることがあります。それは異常ではありません。大丈夫ですから心配しないでくださいね。では、ごゆっくりと大阪の夜をお楽しみくださいませ」
彼女は笑いながら帰っていきました。彼女はまだ左手に依存の剣を握りしめていました。そんな彼女の後ろ姿を見送りながら、私はホッとしました。少し膝がガクガク震えています。
私はタイムカードを早めに押して先生の夜診が終わるのを待ちました。どうしてもお礼を言いたかったのです。
夜診が終わると、いつも先生はヘトヘトになっています。待っている間に私は近くのコンビニまで自転車を飛ばして先生の大好物を買いに行ってきました。スピードを大切にすること、これも先生から教わったことです。もっとも先生だって中谷彰宏さんに洗脳されちゃっているんですけど・・・。
夜診が終わると、やっぱり先生はグッタリしてました。
「先生、今日はヘルプ、ありがとうございました。これ、お礼です。それと肩もみもサービスしちゃうからね」
私は花林糖とお茶を先生の机に置くと、肩もみを始めました。先生は何も言わずに、ただ気持ち良さそうです。少し居眠りしているのでしょうか? 今日は私も何も言わずに、ゆっくりと先生の肩もみを続けました。虫の音も懐かしい秋の夜がゆっくりと深けていきます。
「人生の目的や生きる意味を考えてばかりではなくって、こういう時の流れに身をまかす時間も必要なんだわ」
私は安心しきった顔の先生を見つめながら、何だかまたひとつ、人間としての大切な気づきを得たような気がしました。