2016年10月5日水曜日

ごきげんさん 2016.10.5.

「認知症は刺絡療法で治りますか?」とのお問合せです。 漢方薬のみの治療よりも、効果が期待できます。 認知症の漢方薬は、脳血流を改善する目的の漢方薬と異常行動を抑制する目的の漢方薬があります。 患者さんの証をちゃんと四診して弁証すると、やはり 悪血・冷え・水毒に行き着きます。 陰陽と氣血水のバランスを取るように漢方薬を調節していくオーダーメイド治療で、認知症に向き合います。 これに経穴経絡を診て、滞っていたり燃えさかっているツボを綺麗に通していくのが鍼灸治療です。 特に氣血を整えるのに効果的ですから、認知症にもよく効きます。 刺絡は最強の鍼治療です(弱っている方=認知症末期の方にはムリです) 特に手足の十井穴刺絡と百会の刺絡は、身体中に行き渡る12経絡すべてを一気に疎通してくれます。 ここに福田ー安部理論の交感神経系の過緊張ー副交感神経の過緊張を重ねてみると、 刺絡療法がどうしてここまで著効するのか?がよくわかります。 交感神経が過緊張に陥ると、白血球中の顆粒球が過剰に増えます。 顆粒球は活性酸素を排出します。 大量の顆粒球は大量の活性酸素をまき散らかして、癌・胃潰瘍・潰瘍性大腸炎・糖尿病・肝炎・膵臓炎・急性肺炎などを発症します。 交感神経が過緊張の時、副交感神経は抑制されているので、リンパ球は減少して、免疫力とホルモン分泌を低下します。 交感神経の緊張はアドレナリン分泌を促進して、全身の血管収縮ー血流障害を起こします。 全身の細胞に酸素と栄養の欠乏・老廃物の貯蓄が起こり、食欲不振・全身倦怠・集中力低下・イライラ・睡眠障害・めまい・疲労感・冷え症などを発症します。 副交感神経が緊張に陥ると、リンパ球が過剰に増えて、アレルギー疾患を生じやすくなります。 関節リュウマチ・花粉症・アトピー・膠原病などを発症します。 副交感神経はリラックス神経ですが、過剰に働くと、気力も活力も低下し、うつ病になったり、食欲亢進で過食となり病的肥満となります。 副交感神経は、血管拡張作用のアセチルコリンを分泌して血流を増加させますが、過剰になると、うっ血性血流障害を起こし、冷え症となります。 手足の十井穴には、交感神経に効く経穴と副交感神経に効く経穴があります。 これらすべてを刺絡することで、交感神経ー副交感神経のアンバランスを一気に整えることができます。 百会の刺絡は、上半身、特に頭部・脳の氣血を整えてくれますので、身体の交感神経ー副交感神経のアンバランスを整えることに惹起されるリバウンドを大いに緩和してくれます。 陰陽太極理論で診れば、頭の百会刺絡と足指の十井穴刺絡は太極ですから、効果絶大です。 夢分流腹診で脾募や胃土に反応があれば、そこにも刺絡することで、特定の臓器をターゲットにした自律神経免疫治療が行えます。 自律神経免疫療法の福田稔先生の著書から、治療有効病名をご紹介しましょう。 交感神経の緊張 組織老化が進む=シミ・シワ・くすみ・動脈硬化 組織破壊による炎症=ガン・胃潰瘍・潰瘍性大腸炎・クローン病・十二指腸潰瘍・白内障・糖尿病・痛風・甲状腺機能障害 化膿性炎症=急性肺炎・急性虫垂炎・肝炎・腎炎・膵炎・化膿性扁桃炎・口内炎・おでき・ニキビ 組織に老廃物(痛み物質・発がん物質)が溜まる=肩こり・手足のしびれ・頭痛・腰痛・膝痛・神経痛・顔面マヒ・関節リウマチ・五十肩・痔・静脈瘤・歯周病・脱毛・耳鳴り・高血圧・脳梗塞・心筋梗塞・狭心症・しもやけ・冷え症・アトピー性皮膚炎・線維筋痛症・月経困難症・子宮筋腫・子宮内膜炎 心拍数の増加=知覚鈍麻・味覚異常・視力低下・難聴・味覚低下 緊張興奮=イライラ・怒りっぽい・不眠・のどの狭窄感・食欲減退・やつれ・やけ食い・肥満・全身倦怠感・恐怖感 免疫力の低下(癌細胞を監視する力が落ちる)=感染症・ガン ガンを攻撃するNK細胞・NKT細胞の働きが落ち、癌細胞が増殖する=緑内障・便秘・胆石・脂肪肝・尿毒症・魚の目・ガングリオン・妊娠中毒症・口渇感・食中毒 副交感神経の緊張 リンパ球増加=アレルギー疾患・アトピー性皮膚炎・気管支喘息・花粉症・通年性アレルギー性鼻炎 血管拡張ーうっ血状態=のぼせ・虫垂炎・頭痛 プロスタグランジン増加による痛み・発熱・知覚過敏=かゆみ・痛み・しもやけ リラックス過剰=うつ病・気力減退・拒食症 エネルギー代謝の低下=肥満・高血圧 排泄・分泌亢進=下痢・骨粗鬆症・カタル性扁桃炎・ネフローゼ