2016年10月29日土曜日

ごきげんさん 2016.10.29.

「あまりに理不尽なことがストレスとなって大食してしまったら、一晩中、お腹が痛くて眠れませんでした」と疲れきった顔の男性が受診されました。 「吐いたり下痢したら楽になれるのに、なんだか中途半端なところで痛みが固まっていて、夜のトイレでずっと座っていました」 こういうどうしようもない腹痛って、ありますよね。 腹診すると、典型的な食滞です。 痛がっているところは空気のポコポコ音がひどく、右天枢(ST25)・滑肉門(ST24)にかなりの圧痛がありました。 ストレスは右後溪(SI3)に出ていたので、まずここに鍼をすると、すぐに右半身に「響き」を自覚されると共に・・・ 「あれ? お腹の痛みが消えてきました」とビックリされました。 右天枢・滑肉門をちょっと打鍼してから椀灸で温めてあげて、その場で完治です。 「先生、全部スッキリと出ちゃいました!」と、お手洗いの後にとても喜んでいただけました。 半夏瀉心湯を数回分だけ処方して、食養生を指導しました。 顔にも血色が戻ってきていたので、「もう大丈夫!」と送り出して治療終了です。 食滞は夜間救急でも、よく見かけます。 ストレス+暴飲暴食=食滞です。 これを繰り返していると、膵癌・胆嚢ガン・胃癌、脳梗塞・心筋梗塞・肺梗塞になりやすいです。 食滞の卦を立ててみると・・・ 山火賁の初爻 「其の趾(あし)を賁(かざ)る。車を舎(す)て徒(かち)す」 つまり・・・自分の足で歩くべし! でした。 病占を見ても 消化機能の不調整。放置すれば長引く、とありました。 易経 恐るべし。 暴飲暴食した夜中、吐くにも吐けない・下痢もできない・お腹(胃)がギュッギュッと痛むことがあったら・・・ お腹を温めながら(ホッカイロの可ですが、最幸は生姜湿布です)、手の爪もみを試してみましょう。 (手十井穴刺絡の代わりです) 良くなっても、翌日は一日断食がお薦めです。(生姜湯、ハチミツ湯くらいは可です) P.S. 夜間救急病院を受診したらどうなりますか? ですか・・・ とりあえず胃薬(消化薬&抗潰瘍薬)。点滴(消化管運動を止めてしまう薬)するかも。 後日の胃カメラの予約、さまざまな血液検査、腹部CT、腹部エコー・・・いやはや大変ですね。