2017年2月13日月曜日

ごきげんさん 2017.2.13.

2年前まで元気に仲間と温泉旅行やカラオケに行ったり、 毎朝、近くの緑地公園での2時間ウォーキングを欠かさなかった70代男性が、 最近、倦怠感ともの忘れを気にするようになって、外出もおっくうになってしまったというご相談を3ヶ月前に受けました。 脳外科での様々な検査では「年齢相応の変化のみ」で、認知症テストでも正常域でした。 心因反応(家族や友人の病気や死去など)もありませんでした。 初診時の四診では、明かな腎虚脾虚を認めました。 水毒と気虚があり、特に眼と膝腰の水毒が気になりました。 これらは白内障の進展、変形性膝関節症、脊椎管狭窄症様症状、座骨神経痛、圧迫骨折による腰曲がりの誘因となります。 仙骨氣功では、蝋のような体毒がベットリと仙骨を覆っており、脳へと続く脊椎の氣血の流れは枯川のように衰えていました。 脳氣功では、脳の気虚湿痰、脳幹の血虚水毒、海馬帯状回の水腫湿濁が見えました。 補腎補気の漢方薬を処方すると共に、少食療法を指導しました。(高齢者の少食療法はとても効果的なのですが、「食べることだけが楽しみ」な方が多いので、なかなか難しいです) 刺絡療法と成長ホルモン療法もお薦めしました。 2週間後に再診されて、成長ホルモン療法を開始されました。 先週、3ヶ月目の薬剤交換と刺絡療法を受けられて・・・ まず顔色がまったく違います! 年寄り臭さが完全に消えてしまいました。 顔望診でも腎虚は消え、脾も肝もほんのり実証に・・・胃腸もヤル気も回復しています。 足腰の不安な感じもなくなり、朝のウォーキングも仲間たちとのカラオケも再開されていました。 以前より小山を登る足が速くなっているし、カラオケの声の張りも艶も良くなっていると仲間から褒められて、とてもご満悦でした。 もの忘れの方も、ほとんど気にならなくなりました。 刺絡療法を受けると「頭がスッと軽くなって、目が明るくなる」ので、これが効いている、と喜んでいただいています。 ご家族の方は「何気ない会話が増えて、笑顔でいてくれるのが嬉しいです。まるで一昔前のほのぼのホームドラマの家族みたいです」と笑っておられたのが印象的でした。 実は初診された後、おじいちゃんを含めて家族全員で今後のことを話し合ったそうです。 「墓も立派な葬式も要らんから、もう一度、元気にならせてくれ」のひと言で、成長ホルモン療法を半年間、やってみることに決まったそうです。 費用の半分はおじいちゃんの老後貯金から、残りは子供たちが出しましたが、5人の孫たちは今年のおじいちゃんからのお年玉をそのまま「おじいちゃんの治療に使ってね」とプレゼントしました。 おじいちゃん、感涙決壊だったそうです。 実はこれが一番効いた薬効だったのかもしれませんね。 愛に勝る治療はありません。 華陀師匠も「その愛を家族みんなから引き出せてよかったね」とニコニコ顔でした。