2016年4月20日水曜日
ごきげんさん 2016.4.20.
変形性膝関節症の患者さまが口コミで相次いで受診してくださっています。
元々、整形外科でヒアルロン酸の関節注射を受けておられた方々です。
ヒアルロン酸の膝関節注射は旧医院からずっと行っていましたので「お手のもの」です。
関節の上下左右のどこが痛むのかを伺うと、それぞれ違うところを訴えられます。
整形外科的には、上下左右を訴えてもONLY「ヒアルロン酸関節注射治療」です。
関節腔内にヒアルロン酸という潤滑油が拡がると、上下左右、どこにでも効くから・・・と私も昔は説明していました。
今は・・・経絡を知っていますので、上下左右、それぞれの意味がわかります。
膝関節注射の後、患側の足に陰陽太極鍼を施術して、経絡を疎通させます。
膝関節の上下左右、どこが痛むか? は経絡を疎通させていく上でとても重要な情報になります。
時には足指に刺絡することもあります。
酷い関節痛を起こしている経絡を疎通させるのに、刺絡は最強の治療法となります。
痛いんじゃないの?
いえいえ、大丈夫です。
糖尿病検査用のマイクロ穿刺針を使いますので、小学生の子供さんでも「痛くない」と言ってくれます。
膝が悪いと変な歩き方をするので、肩こりや頭痛や腰痛を引き起こしてしまう・・・姿勢が悪いからねぇ で患者さまも家族も医者も「ネガティブな納得」で済ましていましたが、これも経穴経絡から診れば、治療法が見えてきます。
膝と通る経絡は、腰痛にも肩こりにも頭痛にも繋がっています。
目の不調や鼻づまり、耳鳴り、心因反応、内臓臓器の病気にまで影響を及ぼします。
膝痛から全身いたるところに拡がろうとしている邪気・悪血を、
・陰陽太極鍼で足から取る
・夢分流打鍼でお腹から取る
・タオ打鍼で頚部から取る
・経穴鍼で手足の原穴から取る
・足や手の指の刺絡で取る
最も適切な手法で治療していきます。
ヒアルロン酸の関節注射だけで完治する方は幸せものです。
それだけでは完治せず・・・整形外科の主治医さんに訴えても「不定愁訴」とか「心身症」とカルテに書かれて、相手にしてもらえなくなった患者さまがとても多いことに驚いています。
35年前、脳外科に入局した時、教授外来は「脳外科疾患ではない患者さま・脳外科治療の適応ではない患者さま」であふれかえっていました。
教授は漢方治療と(その当時はまだまだ珍しかった)心療内科を取り入れて、脳外科ではない患者さまたちを大切に診ておられました。
「この患者さまたちは確かに脳外科疾患ではない。だからといってここで放り出すと、またたらい回しされてしまうだけだ。ここで診断して治療しなければいけないのだ」と仰っておられた言葉に、とても感動しました。
漢方専門医となり、心療内科も20年間診てきた私は、あの教授の血を最も色濃く引き継いだと思います。
今は守護霊のひとりとなってくれているかもしれませんね。
膝関節の治療ひとつでも、未病を治すことができるのです。