2016年4月2日土曜日

ごきげんさん 2016.4.2.

今日は近畿脳神経外科学会に参戦して、最先端の脳動脈瘤の血管内外科のお話を聞いてきました。 座長は神戸市民病院の坂井伸行先生。 30年前、まだ脳血管内手術が日本で始まって間もない頃、一緒に「いろいろ」と脳血管内手術をやった同志です。 今では日本の脳血管内手術の第一人者です。 もう浦島太郎やろうなぁ・・・とても最先端の話にはついていけないだろうと思っていました。 ステントやカテーテルはものすごく進化しています。 やっていることは30年前と変わらず・・・だからこそ、現場の先生方の苦労も葛藤もよくわかりました。 脳外科医の皆さんは、どうしてこんなに真剣でまじめなんでしょう。 とても誇らしく思いました。 脳動脈瘤の血管内外科とは、動脈瘤の中にワイヤーを留置して血栓化させることで、脳動脈瘤の破裂を予防するもので、開頭しない手術です。 動脈瘤の中にワイヤーを入れるだけでは、なかなか血栓化しないし、動脈瘤が破れる危険性もあります。 だから、動脈瘤の「ネック」と呼ばれる動脈と繋がっている「口」を塞がなければなりません。 開頭してする手術では、このネックを動脈の外側からクリップで挟み込みます。 血管内手術では、動脈の内側から、このネックの部分をステントという網のチューブで覆ってしまいます。 脳動脈瘤へ血流が流れないようにしてしまうのが目的です。 このステントの性能はとても良くなった、というのが今日のレクチャーのキモでした。 誰もができる手技ではなく、あくまでドクターの技量に大きくかかわってくる手術だということがよくわかりました。 ドクターの腕次第です。 患者さんからすれば、脳外科医をちゃんと選びましょう、ということになります。 脳動脈瘤の血管内手術のお話を聞きながら、 東洋医学的に診て、脳動脈瘤とは何だろう? と考えました。 脳腫瘍のように気滞瘀血で片づけてしまうわけにはいきません。 氣と血  風と火と土  陰と陽 原因はかなり様々な要因が、人それぞれに入り組んでいるように思います。 脳動脈瘤の血管内手術の問題点は、1年以内の再疎通(動脈瘤の中に血栓ができない=破裂する可能性が残る)です。 この術後再疎通の予防には、経絡経穴鍼灸がお役に立てるのではないか? と思いました。 ステントという異物への炎症反応は、手や足指の刺絡が効きそうです。 動脈瘤の再疎通を防ぐには、局所の血栓化を促進すれば良いわけですから、反応している経穴経絡を瀉したり補したり・・・うまくいきそうです。 脳動脈瘤のことも、経絡経穴のこともわかっているからこその統合医療です。 新しいプロジェクトとして、動き始めますね。 乞うご期待です。