2015年11月13日金曜日

おはようさん 2015.11.12.

今日は「みんぱく」(国立民族博物館)のカムイノミを見てきました。 数日前にこのミンパク オッタ カムイノミの開催を知ってから、ものすごく惹かれていたアイヌの儀礼です。 カムイノミとは、アイヌ語でカムイ(神・霊的存在)に対して祈りを捧げる儀式です。 今日のミンパク オッタ カムイノミは、国立民族博物館が所蔵しているアイヌ資料の安全な保管と後生への確実な伝承を祈る目的で執り行われました。 今年の儀礼は、阿寒アイヌ協会の皆さんが行ってくださいました。 このカムイノミの日は、いつも晴れるそうです。 みんぱくの前庭の木に囲まれた一角にアイヌの祭壇が設けられていました。 祭壇に向かって酒器とたくさんのお供え物、囲炉裏が設けられ、その左右に客人とアイヌの人たちが座ります。 アイヌの人たちはみなさん、あの伝統衣装です。 まず祭壇の前に男全員が並んで拝礼しますが、もちろん柏手ではありません。 掌を上にして、まるで赤ちゃんをあやすように左右に振ります。 そして、両掌にたまったありがたいものを頭からやわらかく被るようにします。 アイヌの神さまに対する所作は、どれも「やわらかく」がキモのようです。 席に戻って・・・ シントコサンケ(神酒の吟味)が始まります。 みんぱくのアイヌコーナーで見た酒匙の使い方がよくわかりました。 お酒をついでもらっている間、この酒匙を「やわらかく」上下に揺らします。 やわらかく揺れる酒匙の正弦波を介して、神さまとお話しているように見えました。 アペウチカムイノミ(火之神に捧げる祈り)・・・すべてアイヌ語です(後で現代語訳もお話してくださいました) 火之神さまに、塩や鮭の燻製や刻み煙草を捧げます。(囲炉裏の火の中へ) アイヌ語の祝詞も「やわらかく」 始まる前から感じていましたが、この儀式を取り巻く木々の枝々に無数の神さまたちが集まって、こちらを優しく見守ってくれていました。 儀式の最中、時々、上を見上げたくなるくらい強い神さまのエネルギーです。 儀式が始まると、木々の神さまは超満員に。 火之神さまの儀式の頃がピークでした。 男全員が祭壇前に集まり、ヌサオンカミ(祭壇礼拝) 今日は9つの神代を阿寒からお持ちになっておられました。 それをひとりひとつずつ、槍のように木の先に結びつけて祭壇に飾ります。 9つの神代・・・フクロウ3種類、雷、水、太陽・・・(以下失念(;^^)ヘ..) これもアイヌコーナーでいつも興味深く見ていたものだったので、感動しました。 カムイウタリノミ(神々たちに捧げる祈り)の後、 女性たちによるイチャルパノミ(先祖へ捧げる祈り)が囲炉裏の隅を使って行われました。 そして広場へと出て、神々に捧げるアイヌ古式舞踊が始まりました。 ウタレオプンパレワ タフサリムセ エムシリムセ フッタレチユイ 鶴の親が子に飛び方を教えて、共に飛び去っていく踊りを見ながら、どれほどの勇者たちがかわいく踊る娘たちに恋をしたことでしょう。 嵐に耐える松の木の姿を現した女性たちの踊りでは、頭を前後に激しく振って黒髪をなびかせて嵐の松を表現していて、とても感動しました。 男の剣舞は邪魔を払い、安全と健康を祈るための儀式で、アイヌの人たちの環境と動植物たちと・・・宇宙全体と和で繋がっている思想がよく感じ取れました。 再び祭壇前に戻って・・・ アペフチ(火之神)イナウ(木弊)に火をつけて送る儀式ですべて終了しました。 木々の集まっていた神さまたちも、踊りを見ながら三々五々、大空へ、大地へと帰っていかれました。 アイヌには縄文の血がとても色濃く残っていました。 「縄文開竅」を祈念している私としては、今日、アイヌの儀礼に導かれた意味がよくわかりました。 これほどまでに神さまたちを集める力の強い儀礼は、今の神道にはありません。 このような儀礼を出雲の神々の社で執り行えば・・・天地開闢するかもしれません。 とても大切な未来キーとして、しっかりと覚えておきたいと思います。