2017年9月8日金曜日

ごきげんさん 2017.9.8.

アーユルヴェーダをその源とするチベット医学を独学し始めました。 まずはダライラマ法王の侍医であったイェシュー・ドゥンデン老師の著書「チベット医学」を読み込みながら、波動量子医学と統合できるものはないか?を思索しながらの独学です。 すでにアーユルヴェーダの智恵があるので、三体液:ルン・ティーバ・ベーゲンもすっと入ってきます。 チベット医学は、問診・脈診・尿診で診察して、数種〜数十種類の薬草にさまざまな手を加えた丸薬と食養生・生活養生の指導で治療します。 この「尿診」に興味が引かれたわけです。 チベット尿診とは、「人が鏡を覗き込んで自らの姿を見いだすように、医師もまた患者の尿を診て、患者の病を見てとる」診察法です。 チベットらしく・・・「鬼神に冒された人の尿」という項目もあります。 尿診にふさわしい時間帯は、夜明け直後:朝4〜5時の尿が良いとされています。 尿診は色、湯気、尿タンパク(尿の中の雲のようなもやもやとした濁り)の3つの局面で判断します。 尿タンパクは血液もしくはティーバの乱れが原因で尿に現れます。熱と寒も尿に現れます。尿の状態によって病のタイプや体に欠けているものを知ることができます。 健康人の尿 健康な人の尿は、ディ(ヤクの雌、ヤクは雄の名称)のミルクに浮く、やや明るい輝きを帯びた黄色いバターの色をしています。その匂いはミルクの表面に浮かび上がるクリームの匂いを思わせます。 湯気も泡も普通です。 健康人の尿タンパクは尿の中に偏在しています。 健康人の尿には、さほど浮膜(spris ma 尿の表面に浮かび上がる脂質の膜)がなく、ごくわずかに尿の表面に現れるだけです。 通常の尿診 尿診は、尿が「熱いとき」「ぬるくなったとき」「完全に冷めたとき」の三度にわたって行います。   尿がまだ熱いうちに行う最初の尿診では、「色」「湯気」「匂い」「泡」のタイプなどを調べます。 尿がぬるめになってきた際の尿診では、尿の表面に浮かび上がってきた脂質の「浮膜」や、もやもやしとした「尿タンパク」をチェックします。 尿が完全に冷めきったところで、尿の色がどういった「タイミング」で、「どのように変化」したかをチェックし、最後に「変化後」の診断を行います。 熱い尿の診断 色 ルンの乱れている人の尿は、山の泉水のようにかすかな青みを帯び、透明感があります。 ティーバ病の場合は濃い黄色、あるいはオレンジ色にまで変わります。 尿の色が白みがかっているか青白いならベーケンの乱れを示しています。 尿が赤ければ血液の病、錆色ならリンパの病、紫がかった茶色ならば、ルン・テイーバ・ベーケンの三体液が同時に乱れている「茶色いベーケン病」です。 赤と黄色が入り交じった色ならば血液=ティーバの病、白と黄色が混ざったような色ならばベーケン=ティーバの病です。尿がマスタード油のように黒味を帯び脂っこいならば、悪化したティーバ病もしくは伝染性の病です。 「三体液の乱れによる熱」の病や「増長した熱」の尿は、オレンジ色で、色が濃く、悪臭を放ちます。尿の色が黒っぽく、かつ虹色を帯びる場合は、肉や鉱物などなんらかの中毒です。 湯気 大きな湯気が立ち昇るなら、熱の病が進んでいます。 湯気がすぐに消えてしまう尿は、ベーケンとルンのかかわる寒性病です。 匂い 尿に悪臭があれば、尿タンパクがあり、重い熱性病です。匂いがまったくないか、ごくわずかしか感じられないならば、寒性病です。尿からキャベツや肉といったさまざまな食物の匂いがするならば、消化がうまくいかない病です。 泡 尿の泡が大きく青みを帯びているならば、ルン病です。 小さい泡がたくさんできていて、かき混ぜるとたちまち壊れるならばティーバ病、 尿の表面の泡が消え失せないならばベーゲン病です。 泡が赤みを帯びていたなら血液の病、虹色なら中毒を意味します。 ぬるくなった尿の診断法 尿タンパク 尿タンパク・尿の中に現れる雲のようなもやもやとした物質は、熱性病:血液やティーバの病です。 尿タンパクが腕の産毛ほどの細いものならルン病です。 細い糸状の尿タンパクなら、血液もしくはティーバの病です。 白馬の毛の先を思わせるごく微細な尿タンパクが現れるなら、ベーケン病のような寒性病のしるしです。 たれこめた雲のように広がっている尿タンパクは、結核などの肺の病です。 尿タンパクが膿のようなら、伝染性の病か、体の中:胃か腎臓にに膿があります。 砂粒のような尿タンパクなら、腎臓病のしるしです。 尿タンパクは、熱とティーバから生じる熱性病のしるしです。 尿タンパクが尿の表面に現れるなら上半身の臓器の、特に肺と心臓の病です。 尿の底に現れるなら腎臓や大腸の病です。 中ほどに現れるなら、胃や脾臓、肝臓の病です。 浮膜 浮膜とは常に尿の表面に現れる脂質です。浮膜が薄ければ寒性病を、濃ければ熱性病を暗示します。 尿の表面の浮膜が網目状なら、腫瘍が大きくなっています(必ずしも癌とは限りません) 尿の表面にある種の模様や形の浮膜が形成されるなら、人間ならざる悪霊や魔物の影響を示しています。 冷めた尿の診断法 色の変化のタイミング 新鮮な尿が湯気も消えないうちから色が変化するならば、重い熱性病のしるしです。 湯気が消え、尿が冷めてから尿の色が変わるなら、寒性病のしるしです。 色がどのように変化するか 尿の色が次第に凝縮:容器の中心に濃い色が集まってくるならば、寒性病のしるしです。 中心部へと向かう色の濃さが均質でないならば、「慢性の熱」の病です。 鬼神に冒された患者の尿や、瀕死の患者の尿は変わりません。同じ色のままです。 変化後 時間がたった尿の色はルン、ティーバ、ベーケンの三体液の乱れに対応します。例えばティーバ病なら尿はオレンジ色です。尿がひどく濃厚なら熱性病であり、水っぽく、サラサラなら寒性病です。 チベット医学なら尿を飲むとか舐めるとか・・・あるんじゃないかな?と期待していましたが、飲尿にはまったく触れられていませんでした。 ただチベットの民間療法としての尿療法は、とても多くの症例報告があります。 尿療法の一大聖地と言っても過言ではないでしょう。 「チベット医学」を読む進めていくと、薬草丸薬を処方するように、尿療法を指示する処方が出てくるかもしれませんね。ワクワクしながら、更にお勉強を続けていきます。