2017年9月1日金曜日

ごきげんさん 2017.9.1.

9月は早朝の腹痛急患さんで始まりました。 慢性膵炎の急性憎悪です。 すぐ近くのハラル認定のラーメン屋さんだそうで、膵炎の点滴をしながらハラルについていろいろ伺いました。 ハラル認定の鶏肉・鶏ガラはブラジル産しかないそうです。 ムスリムの特定の経典を唱えながら鳥を絞めなければハラル認定されないそうで、日本にはまだハラル認定された鶏肉・鶏ガラはないそうです。 (ハラル認定の国産牛はぼちぼち出てきているそうですが高い!!) ラーメンは鶏ガラスープと鰹節のアッサリ系で、「普通のラーメンに慣れた方には物足りないでしょう」とのこと。 玄米菜食な人たちには、このアッサリ系がうれしいですね。 日本人の女性にも人気だとか・・・行ってみようかな。 (私、ラーメンはもう20年近く食べたことがありません) 同じムスリムでも国によって厳格さは異なるそうで・・・ 例えば点滴の際、アルコール消毒しますが、マレーシアのムスリムはNGだそうです。 だからお店のテーブルもアルコール消毒できないそうです。 ついやってしまうそうだから、こういうちょっとしたムスリム知識は勉強しておいた方がよいですね。 餃子は? 鶏肉の揚げ餃子で、ハラル認定のために調味料も油もこだわっているそうです。 東南アジアのムスリムの方々にとって、日本は訪れてきたい外国の断トツだとか。 外国旅行の不安材料のトップは医療面です。 ムスリム女性は男性に肌を見せてはならない・触れさせてはならない戒律がありますし、 薬のカプセルが豚由来のこともあるそうなので処方にも気を使わなくてはいけません。 (中東ではハラル認定のワクチンや薬剤を独自開発中とか・・・) ラマダン中に脱水症で倒れたムスリム旅行者さんも多いとか・・・ そんなの面倒くさいとか嫌だ!と最初から断るのは簡単ですが、 それではいつまでたっても Love & Peace な世界はやって来ないですし、 和の精神が泣きますよね。 旅の一番の思い出は、現地の方々の温かさ&優しさ・そして困った時に助けていただいた思い出です。 病気をした時に助けていただいた思い出は一生忘れられません。 人生も旅です。 困った時に助けの手をさしのべて下さった方は神さまに見えます。 誰もが同行二人で今日も人生行路を歩んでいます。 肌の色、宗教、言葉などに囚われずに、自分の魂が喜び、波動が輝くことを自然体でやってしまう医者でありたいな、と思いました。 今日も「前世物語」からひとつ症例をご紹介しましょう。    自分が好き?  昔々、ナイル川の近くに茶色の肌をした女の人がいました。彼女には明るい茶色の髪と茶色の目をし た双子の男の子と女の子がいました。彼女は毎日が平和な気持ちでした。ただ座って縫い物をしている のが好きでした。  夫は兵士でした。がっしりとした体に槍がよく似合いました。彼女は優しい夫が大好きでした。家で は子供たちとよく遊んでくれました。平和な家庭でした。でも彼女はいつも思っていました。 「人殺しは嫌です。夫が殺されるかもしれないし、戦って欲しくないのです」  戦いが近くなると、夫は張り切って帰ってきました。彼女の心配が大きく膨らんでいきました。  時が過ぎました。彼女は砂漠の町を見下ろす丘の上にいました。夫が戦いで殺されたのでした。彼女 の心も悲しみを通り越して、もう死んでいました。深い脱力感と無気力が彼女の心を癒しました。  彼女は今度の戦いで夫がもう帰ってこないことを知っていたのです。彼女は思いました。 「娘が病気で死んでから、すべてがおかしくなったんだわ」  娘の突然の死が彼女と夫の心を悲しみで閉ざしてしまったのです。それからはエジプトの砂のような 生活が続きました。息子はそんな家庭が嫌になり、どこかへ出て行ってしまいました。夫の寂しさが堪 え切れなくなっていきました。ますます二人はお互いの心を閉ざしてしまいました。  二人は別れるでもなく、淡々とした時が過ぎていきました。そして夫はとうとう帰るあてのない戦い に出ていったのでした。  その後、彼女は病に倒れました。薄暗い部屋に一人で寝ています。無気力が身体を蝕むしばみます。食事も せず、彼女は死を心待ちにしていました。死の床で彼女は思いました。 「幸せな家庭が作れるはずだったのに、自分から心を閉ざしてしまったんだ」  そして彼女の魂は痩せ衰えた身体を離れました。先生は彼女の魂に尋ねました。 「身体を離れた時に、何か決心したことはありますか?」 「今度は良いお母さんになります」  先生は彼女の魂を高みへと導きました。そして、そのエジプトでの人生を振り返るように促しました。 「夫が戦うことをすごく嫌がっていたはずの自分自身が一番、命を無駄にしてしまいました。子供の死 は仕方のないことでした。自分や人を攻める必要などなかったのです。なぜかあの時、自分ばかりを責 めて心を閉ざしてしまいました。それを後悔しています」  先生はもっと高みへと導きました。そしてエジプトでの人生と、今、生きている人生を見比べてもら いました。 「自分を責め過ぎています。仕方のないことは仕方のないことなのです。自分が思ってるほどまわりは 責めていないし、共に悲しんだりすればいいだけのことであって、自分ひとりが苦しむ必要はありませ ん」  先生はさらに高みへと導きます。そして穏やかな明るい光の中へと入っていきました。先生がその光 の中心へ向かって尋ねました。 「今回の人生の目的は何ですか?」  光が答えました。 「平和を祈りなさい。あなたに出来ることがそのうち見つかりますから。今は今の仕事をしなさい。そ れには意味があります。離れる時が来れば離れるのです。今は間違っていないですよ」 「私の人生はここまで順調ですか?」 「頑張ってますね」 「人間は何のために生きているのでしょうか?」 「お互いを思いやるためです。思いやりはいつかは拡がっていくのです」 「まず何から始めたらいいのでしょうか?」 「自分が幸せになりなさい。幸せな家庭を築きなさい」 「そのためにはどうしたらいいのでしょうか?」 「大丈夫です。心配し過ぎないことです。自分を責めないことです。仕方がないこともたくさんあるの です。些細な争いごとにも、宗教的な複雑な争いごとにも、仕方がないことがあるのです。そこから学 びなさい」 「なぜ私は何度も生まれ変わっているのですか?」 「平和の本当の意味を知るためです」 「それは何ですか?」 「平和は幸せです。まず自分が幸せになりなさい。その上で成すべきことが見つかりますから。まず今 の自分を責めるのを止めなさい」  先生は光に聞きました。 「弟のうつ病の意味は何ですか?」 「何よりも弟本人の試練ですが、私たち家族の試練でもあり、弟の家族の試練でもあります。そこから 得たものがたくさんあるでしょう。家族の繋がり等をいっぱい知ったでしょう」 「素晴らしい人生を送るためには、どうしたらいいのですか?」 「人を信じなさい。自分を信じなさい。祈りなさい。想うことも大切で、想いはパワーを持っています から、あきらめないで祈りなさい」  先生は光に、今回の人生の目的をクリアーできた、未来の姿をちょっと見せてくれるように頼みまし た。光の中にヴィジョンが見えました。 「二十代後半になって、男の赤ちゃんを抱いています。穏やかな表情です」 「未来のあなたに頼みます。今の私に何かアドバイスをください」 「あまり気にしなくて大丈夫ですよ。大切なことは心配することでも、人を恨むことでもありません。 自分を信じなさい。まわりを信じなさい。家族にもっと感謝をしなさい」 「赤ちゃんはどんな表情ですか?」 「笑ってます」 「その赤ちゃんを抱かせてもらいましょう。どんな感じですか?」 「抱いたら温かい・・・」  先生は赤ちゃんに尋ねました。 「なぜ私をお母さんに選んだの?」 「幸せになれると思ったから」 「赤ちゃんを返して、未来のあなたとしっかりと握手しましょう。どんな感じですか?」 「温かくて強いです」 「あなたのその強さを分けてくださいませんか?」 「あなたも持ってるけど、活かし方を知らないだけなんです。あなたは十分パワーを持ってるし、何も 心配することはありませんよ」  先生は光に聞きました。 「私はこれからまた、今の人生に戻っていきますが、最後にもう一つ、何かアドバイスをください」 「自分を活かしなさい。自分の力をムダに使わずに大切に使いなさい。信じなさい」 「これからも私を見守ってくれますか?」  光が答えました。 「これまでもそうだったし、これからもそうだし、心配しないでいいですよ」 「これから辛い時、いつでもあなたのもとに戻って来てもいいですか?」 「あきれて、いつもいるじゃない、って言っています」  後日、お手紙をいただきました。この患者さんは「軽いうつ状態を脱するには、この人生の目的を知 らなければならない」と考えて、このワークを受けられました。そしてこの療法の後、ゆっくりと軽い うつ状態が治っていったそうです。 「今は良い意味で『自分が好き』で、過去にとらわれるでもなし、必要以上に未来を心配するでもなく、今を大切に生きているように感じています。  疲れた時には素直に休むようになりました。以前はかなり体を酷使してしまっていました。心も体も、自分を大切にするようになりました。甘やかすのとは違って、とても良い状態になったのだと思います」