2017年8月24日木曜日

ごきげんさん 2017.8.24.

最もすばらしい医者とは、「病気にならない方法」を教えてくれる医者だ。 by トーマス・フラー 西洋医学は対症療法です。 痛み、張れ、痒み、苦しみ、不快・・・とりあえず病気の症状を抑え込みます。 痛くなくなった、痒くなくなった、気持ち良くなった で治ったことになります。 アトピーや精神病、癌などが典型的ですね。 その病気の原因はどうなったの?  なぜその病気になったの? は忖度不問です。 「病気にならない方法」を教えるには、病気になる原因を知っていなければいけません。 西洋医学でも解剖学や生理学や病理学で病気になる原因を学びます。 東洋医学でも陰陽五行説や経穴経絡などで病気になる原因を学びます。 自然医学でも食養生や腸管経絡造血説や氣血免疫論などで病気になる原因を学びます。 そしてある時、気づきます。 いくら病気になる原因を学んでも、「病気にならない方法」とは何だろう・・・と。 「病気にならない方法」は、未病の先にあります。 未病を治す方が簡単です。 奇跡のリンゴの木村秋則さん流で言えば、 リンゴに紙袋をかぶせて虫に食われないようにするとか、 リンゴ酢のバケツを幹にぶら下げておくとか・・・が未病で治すになります。 では更に一歩先の「病気にならない方法」とは・・・やはり土ですよね。 十分に広く大きく深く張った根っこを作る。 人間の土は大地と天です。 人は広く大きく深く大地と繋がり、広大に高く天と繋がるほど元氣が巡ります。 足裏の湧泉穴、会陰穴、下丹田、仙骨、掌の労宮穴、頭の百会穴、北斗穴 これらの穴はフカフカで柔らかく温かく大きく開いていれば、善き氣が巡ります。 大地ー人ー天  氣がこれらを心地よく循環していれば病気にはなりません。 下丹田が冷えてますよ  仙骨が冷えてますよ  会陰穴を温めてね これらは華陀老師から伝授していただいた華陀鼎灸そのものです。 「病気にならない方法」のひとつが華陀鼎灸だったのです。 2年間の道標 3)華陀鼎灸 今年の2月 立春に入ったある夜、夢の中に老師が現れて 「下丹田・仙骨・会陰を温補すれば、病は治る」と告げてくださいました。 その夜から3晩続けて老師が現れ、刺絡のこと、氣功のこと、病のこと・・・いろいろ伝授してくださいました。 名前は聞かずとも「華陀老師」だと伝わってきました。 早速に華陀鼎灸のパンフレットを作って、患者さんたちへ配りました。 効果は抜群で、冷えと悪血、水毒による病がどんどん軽くなっていきました。 この夏も華陀鼎灸を続けている患者さんたちに、「今年は冷房病がとても楽です」と喜んでいただきました。 以来、「華陀」を名乗るお許しをいただきました。 正直で真っ直ぐで頑固なところはお爺ちゃんとソックリやわ、と老師の孫「鈴々」ちゃんから茶化されています。 老師は今でも時々夢の中に現れては、聖地や仙人や老師のところへ連れて行ってくださいます。 飛龍となったり、仙亀となったりしながら、古の教えを思い出しては、皆さんに還元しています。 日々是進歩ですね。 今日も「前世物語」からひとつ症例をご紹介しましょう。   裏切り  昔々、播磨の国に、ひこざという男がいました。彼はいつも木刀を持って町を闊歩していました。  二十五歳の時、武士になるためのテストが城で開かれました。ひこざは自信にあふれています。城の 中には若者が大勢集まりました。侍大将が、お前たちの部隊を作る、と言っています。ひこざは高揚し た気分です。彼はとても強いのです。  ひこざが部隊長に任命されました。みんな白い鉢巻きをしています。侍大将がひこざに命令しました。 「敵の殿様を松林で待ち伏せしろ。必ず斬ってこい」  ひこざが先頭に立って月夜の中を松林へ向かいます。彼は部隊を二手に分けて草むらに隠れさせまし た。  しかし、いくら待っても誰もやって来ません。若者たちはイライラし始めました。 「ひこざ、お前、間違えたんじゃないのか」 「いや、オレは間違えていない。確かにこの時間に、ここに来るはずだ」 「この襲撃に失敗したら、オレたちはまずいことになるぞ。ひこざ、お前の責任だからな」  ひこざは答えました。 「いや、もう少し待ってみよう」  しかし誰も来ません。  部隊の誰かがいきなり彼を突き飛ばしました。 「お前はウソつきだ」  それを合図に若者たちは彼を袋だたきにしました。意識がもうろうとしていきます。 「オレは確かに指示を聞いたんだ。オレが悪いんじゃない」  ひこざは近くの冷たい沼に捨てられました。 「ああ、冷たい・・・。みんな仲間だと思っていたのに・・・。オレが悪かったのか・・・。なぜなの か、わからない・・・」  ひこざはとぼとぼと帰りました。とてもムシャクシャしています。  貧しい藁ぶきの家に入りました。若い女性が待っていました。なみ、と言います。ひこざは何も言わ ず、あぐらを組んで座りました。彼はずっと考えています。 「なんでこうなったのだろう。オレは裏切られたのか・・・」  なみがお粥を作りました。ひこざは流し込むように食べました。そして酒を飲み干しました。 「誰も信じられない・・・信じられない。信用してたのに・・・裏切った・・・誰も助けてくれない。 自分でやるしかない・・・」  ひこざは立ち上がって出て行きました。裏切り者たちを斬りに行くのです。  城近くに若者たちの長屋があります。ひこざが戸を開けました。あいつがいます。一番ひこざの強さ を憎んでいたヤツです。  ひこざは斬りました。少し怖くなりました。 「ああ・・・みんな斬ろうと思ってたけど、もうやめた・・・」  ひこざはぼう然と血だらけの刀を見つめます。 「オレは今まで人を斬ったことなどないんだ。戦ったけど人を斬ったことはなかったんだ。こんなふう に斬れるなんて思わなかった。ヤツはまだ動いているぞ。怖い・・・」  ひこざは長屋を飛び出しました。 「オレはもうどこにも戻れない。なみのところにも戻れない。死ぬしかない。こんなことをしたら、も うここでは生きていけない。オレは死ぬ」  そしてひこざは腹を刺しました。  先生はひこざの魂に尋ねました。 「もう身体を離れましたか?」 「はい、上から見ています」 「死んだ時、何か決心したことはありますか?」  ひこざの魂は泣きながら答えました。 「私は自分の力を過信していました。傲慢でした。自分の力を認めさせようとしていました・・・。悪 いことをしました。悪かった。許して欲しい・・・」 「そして、次ぎはどうしようと思いましたか?」 「みんなに優しくしよう。みんなに優しくなかったから、今度は優しくしよう」 「優しくするためには、どうしようと思いましたか?」 「私には人を押さえつけるところがあります。今度は人を押さえつけないように気をつけます」  先生はひこざの魂を高みへと導きます。 「そのまま上へあがります。高く高くあがります。その高いところから、ひこざさんの人生を見てくだ さい。そして何か気がつくことはありますか?」 「真直ぐな人でした。折れることを知らないようでした。いつも私は思い通りに生きてきました。だけ ども多くの人を傷つけてきました。なみも、仲間たちも、みんなを傷つけてきました。だから反省しな くてはいけません」  先生はさらに高みへと導きます。 「もっともっと高く高く、上にあがります。どんどんあがった高い高いところから下を見ると、ひこざ さんの人生と、今のあなたの人生が平行に並んで見えます。二つの人生を見て、何か気がつくことはあ りますか?」 「ひこざさんの道は一本道です。私の道は木の枝みたいにいっぱい枝分かれしています」 「今、あなたはどの地点にいますか?」 「まん中です。もうそんなに枝分かれはないみたいです。後はちゃんと選んで行けばてっぺんに着きま す」  先生は更に上へと導きます。 「そこから上はどうなっていますか?」 「光が差し込んでいます」 「その光の中にスゥーと入ります。どんな感じがしますか?」 「あったかい・・・」 「その光の中に誰かいますか?」 「おじいさんがいます」 「そのおじいさんに聞いてください。今回の人生の目的は何ですか?」  魂が泣きながら答えます。 「人を信じることです。・・・そうです・・・そうです。あなたは人を疑っています」 「どうしたら信じられるのですか?」 「人にゆだねることです。全てを人にゆだねてみることです」 「そうしたら、ひこざさんみたいに裏切られませんか?」 「あなたにはそれが出来るはずです。裏切られても人に優しくするのです」 「それは無理だと思うけどなぁ?」 「あなたにはわかっているはずです。あなたは恐がってるけれど・・・」 「私は何を恐がってるの?」 「裏切られることを恐れているけれども、実はあなたがそうしているのです。私が原因を作ってるんだ・・・。あなたが自分を許さないから、人があなたを裏切るのです」 「自分を許したら、もう裏切られないのですか?」 「あなた自身を信じなければいけません。あなたは自分自身を疑っています。人を信じる前に自分を信 じなければいけません」 「それはどうしたら出来ますか?」 「ひとつひとつ自分らしく、優しく、誠実に行動していくことです。そうすれば人はそれにちゃんと気 づいてくれます」 「私の人生はここまで順調ですか?」 「順調です」 「ここまでいろいろ辛いこともあったけど、これで順調なの?」  魂の涙がこぼれます。 「あなたはいろいろ悩んで大変だったけれども、よくがんばりました・・・。やっとわかったから、そ れを忘れずに頑張ってくださいね。応援してますよ」 「花子(仮名)は、どうして病気になったのですか?」 「花子は強い人だけれど、人に頼ることが出来ないのです。人に頼れないので、そうやって病気になっ て人の力を借りなければならない状態に身を置いているのです。私たちはいつでも花子を助けられる状 態にあるのですが、花子は何でも自分でやりたい、と思っています。花子は人が助けてくれるありがた さや謙虚な気持ちを学ばなければなりません」 「私はどうしたら自信を持てるのでしょうか?」 「人生を楽しむことです。今、一番興味のあることをしてみることです。とても大切なことです。あな たはいつも後回しにします。でもそういうことは、あなたの成長にとても大切なことなのです。あなた の好きなことをすれば、あなたはいろんな自分の面を見ることが出来ます。あなたにはきっと出来ます」 「私をこれからも見守ってくれますか?」 「いつも見守ってくれているそうです」 「私はこれからやっていけますか?」 「やっていけるそうです」 「辛い時、またここに戻ってきてもいいですか?」 「いつでもいいって」 「お腹を刺した、ひこざさんの面倒をみてくれますか?」 「ひこざさんが現れて、よろしくお願いね、って言ったら、ありがとうって」 「これからの人生、がんばるからねって」 「笑ってうなずいています」